季節の進行は待ってくれませんな。
これ以上寒くなると、ヘタレなOSSANはフィールドに出るより炬燵(無いけど)と熱燗(家で日本酒飲まないけど)の怠惰なインドア・フィッシャーマンと化していってしまうのであります。
急いで釣りに行かねばなりません。
今回は目先を変えるために初めて訪れる場所を探しておりました。
いくつかピックアップしていたエリアのうち、比較的近場で交通の便が良いこと、修行のような釣行とならないこと。
混み合わないこと等を念頭に決定したのが、山梨県にある
奈良子釣りセンターさんですな。
早朝の中央道下り。いつもながら気持ちいいですな。
他の管釣りよりも、高速からのアプローチが比較的近いという立地もあって、気持ちゆっくりと出発。
珍しく途中休憩を挟んで、7時半には到着できました。
ここ、奈良子釣りセンターには止水(池)、流水(自然渓流)両方の釣場がありますが、OSSANは問答無用で流水エリアに出撃。
おんや?6時半オープンだと言うのに誰一人いませんな?
さすがにこの季節の月曜日ということで、一番乗りのようであります。
出遅れたと思っていたのにラッキーでありますな。もしかして穴場なのでありましょうか?
うふふふふうふ・・・・そうでなくとも、やはり初めて訪れる場所はワクワクが止まりませんなw
バーベキューハウス前の区画された流れから様子見であります。
泳ぐ魚はリバースポット早戸、うらたんざわ程多くなく、川幅に見合って慎ましい感じを受けますな。
「ウオッでか!!」というようなサイズも混じっていないようであります。
しかし寒いですな。
車の気温計読みで12℃・・・ライズも無く羽虫も舞っていません。
少々不安になりつつも#16アダムス・パラシュートをキャストします。
フムフム・・・20センチ程の魚ばかりですが、しっかりと反応してくれますな。
短いストリームエリア(区画エリア。150m)はあっという間に釣り上がってしまいます。
とりあえずドライフライのまま、自然渓流エリア最奥まで行ってみることといたしました。
初めてのエリアは、その全容と渓相を把握することも目的の一つなのでありますな。
受付で聞いたところでは、減水気味ということもあってウェーダーは必要無いとのこと。
腰も痛く、何故かウェーダーを身に着けたくない気分だったこともあり、これは助かりました。
なるほど川沿いにしっかり道が整備されており、覆いかぶさる木立も比較的少なく、ノビノビとお気軽に楽しめるようになっておりますな。
そして。
たった700mとされるこの自然渓流エリアで、OSSANは各地の大物達との激闘に敗れ続けた心を癒やしてもらうことが出来たのでありました。
ほどほどの水深。
様々な流れの変化もあり、岩なども其処此処へ沈んでいる良い渓相だと思いましたな。
風が吹けば色とりどりの広葉樹の落ち葉がひっきりなしに流れてくる美しい水の中で、ペアリングしている大きめの虹鱒たちが活発に泳ぎ回っておりました。
「ああいう魚が釣れた記憶はないな〜・・・」
そんなことを考えながら岩の陰に身を隠しつつ、その実疲れたのでしゃがんだだけの姿勢で送り込む#14グリズリー・パラシュート。
紅葉を映す、なめらかで冷たい流れの上へ静かに浮かびます。
「ああ・・良いですな〜。こんな侘び寂び釣りもいいですな・・・」
深深とした初冬の空気の中で、幸せでありました。
そんな中、来てくれましたな。
三角に見える口先をそっと水面に出し、押さえ込むようなあの捕食の仕方・・・
何故だったんでしょうか。
ここまでに結構な数の魚を掛けていることや、先程まで侘び寂びの心境に浸っていたからでありましょうか。
まったくと言っていい程に、あの瞬間的な「熱狂」は襲ってきませんでしたな。
ほぼ無意識なスイープ・フッキング。
強烈なファースト・ランに絞り込まれ、的確に追従するカムパネラ・クラシックライトのベンディング・カーブを愛でます。
やっぱり良い竿だなぁ・・・などと思いつつファイトする余裕がありましたな。
フッキング箇所にも6Xティペットにも不安はありません。擦られ、ラインブレイクする可能性を感じるストラクチャーもありません。
落ち込みを下られてもラインを繰り出し、ゆっくり追いかければ良いだけであります。
たわむロッドを見、魚の開口を見、震えるラインを見、その跳躍を見、波紋を見、渦を見、さらに流れていく落ち葉を見・・・
ただただ、伝わってくる生命感を受け止めるているだけでありました。
身体も心も、動いていなかったわけではないですな。
しかし不思議な事に、とても静かな時間でありました。
窮屈なネットにおさまる素晴らしい体高の魚体をしげしげと眺めた時、ようやく「ああ、ありがとう!」と歓びがこみ上げてきましたな。
正直、もう満足してしまいました。
ですが貧乏性であるOSSANは、ここであっさり引き上げるほど人間が出来ておりません。
何しろまだ午前中でありますからな。今日の釣りは未だ始まったばかりなのであります。
ゆっくりと腰掛け、ラインのチェックをしながら至福の一服の後も、
自然渓流エリアのどん詰まりまで、絶好調でありました。
釣れてくる魚体のコンディションも素晴らしいものが多かったですな。
しかし惜しいかな・・このエリアもやはり700m。
ポンポンと釣り上がっていくと、あっという間に終点となってしまうのでありました。
週末や連休など人出のあるタイミングに来てしまうと、高プレッシャー&釣る場所がないよ・・・?という状態に陥ってしまいそうであります。
足場が良いことも、様々な意味で諸刃の剣となりそうでありますな。
バーベキューハウスで昼食休憩とすることとし、ソフトハックル・ウェットで釣り下り、数尾追加を追加できました。
区画エリアまで戻ると学生さんでありましょうか、数組のヤング・ルアーメンが池でキャストしておりましたな。
フィッシング・デートでありましょうかな? 寒そうにしている女子の姿も。
冷えた身体をカップ麺で温めながら彼らを観察しておったのでありますが、どうもあまり釣れていないようであります。
あまり大きな規模でもない一箇所のポンドに、5〜6人であったでありましょうか。
見ているあいだにはフィッシュオン()しておりませんでしたな。
「う〜む・・・なにもそんなに狭き門を目指さなくとも、ストリームエリアは(ほぼ)爆釣ではないですか・・」
余計なお世話をココロの中で焼いてしまいましたな。
これほど足場の良い川があっても、彼らはポンド釣場を選んでおるのでありますな。
特別大きな魚が放流されていたのでありましょうか?
ポンドタイプのエリアは余程モチベーションを高めないと、ワタクシはすぐに飽きてしまいます。
同じ釣れないならば、流れのある渓流の方が好きでありますな。
午後はウェット、ニンフのルースニングも織り交ぜて、その場その場の感覚の赴くままの釣りを楽しみました。
朝一に手を出さなかった区画エリア最下流(と、言っても50m程の区間)含め、再び上流へ釣り上がりましたな。
そして嬉しいことに、またもコンディションの良いレインボーを数尾追加することが出来ました。
アアでもあろうか、コウでもあろうか・・・
釣れても釣れなくても、夢中になって様々試したくなるのは変わりませんね。
そこへ下流より、一人の少年が所在なげに近づいて来るのが見えましたな。
眩しいくらいにスラリとしたその少年は、エリアオーナーさんのご子息だったのでしょう。
エリア内で独り、しつこく残る客へタイムアップを告げに来たのでありました。
そう言えば、この午後は一度も腕時計を覗きませんでしたな。
いつの間にか日も陰り、気温も急激に下がってきたようであります。
おかげで良い休日となりました。
ありがとう。
またいつかお伺いいたしますな。
コメント
OSSANさま
初めまして、マーハーと言います。同じくらいの年代のおっさん仲間ですw
以前、パタゴニアのバッグのことを調べていてこちらのページを参考にさせてもらいましたが、フライやアウトドアの記事が面白くて、毎週更新を楽しみにしています!
そして、じつはこのブログを見たのがきっかけで、僕もブログを作りましたww
多大な影響を受けているのであります。。
しかしOSSANさんは文才がありますね。。
鶴(釣るかな?OSSAN注)ところの臨場感、感動すら覚えました。
で、思わずコメントした次第です。
僕はといえば、42にして釣り未経験なのにバス釣りを始めてしまい、なかなか釣れずに苦悶する日々です。。
いつかこちらのブログでもバス釣りの記事を…と密かに期待しておりますw
(タックルも残されてたようですし!)
ではまた楽しみにしております!
マーハー様、ご来訪、コメント有難うございます!
そうですか、ブログまでお作りに・・・
何だか巻き込んでしまっているようで、申し訳ないです(狙い通りですな、クックック・・)
良いですね〜、40を過ぎての新たなチャレンジ。陰ながら応援いたします!
マーハー様のブログを拝見。OSSANも思い出してしまいました。
忘れもしない、地獄の7回連続ノーフィッシュを喰らって、ようやく一尾のバスを手にした記憶。
バス釣りもこの冬にタックルの手入れをし、来年は何処かへ行きたいなと考えております。
これからもお互い、暑苦しい「おっさんpower」をフィールドで見せつけてやりましょう!