奥日光・湯川へ釣行の記(初日)

奥日光・湯川釣行記を書いていきますな。

例によって脱線しまくってしまい、どうも3本構成となる予定であります。

お時間の余裕のある時にお目通し、お付き合いいただければ幸いであります。

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記念すべきネイティブ・フィールドデビューはどこにすべきか?

以前のエントリー通り、奥日光は湯川に行ってまいりましたな。

湯川に決定した選択要件を箇条書きしておきますと、

  1. あまりに人の多い場所であると自分のペースを保てなくなってしまう。湯川も有名フィールドなのであろうがエリアは広く、他人に迷惑とならない釣りができると思ったから。
  2. 釣れる魚種にはこだわらない。鱒であれば。
  3. キャンプ場が釣場至近にあること。
  4. 高低差の激しい山岳渓流的フィールドではないこと。(腰と体力が・・・)
  5. もし釣れなくても納得の行く景観の良さ及び温泉を備えること。

こんなところでありましたでしょうかな。

例によって日常の、不愉快でツマランあれこれを無理やり組み伏せ、釣りとキャンプの準備を何とか間に合わせたのは前日の夜も遅くなってからでありました。

睡眠不足覚悟で午前3時に目覚ましをセットしましたが、人間とは現金なものであります。

目覚まし起動の10分前にキッパリと目がさめるんですからな・・・

むかし遠足、いま釣行。であります。

明るくなり始めた平日の東北道下りは、二時間あまりで本日のスタート地点である赤沼茶屋へ到着させてくれました。

おかしいなあ・・・昨年夏はもっと遠いイメージだったんですがね。

6時半、入漁券を購入する際、おっちゃんに色々教えてもらいましたな。特に気がかりであったクマは小田代原の山の方での目撃情報が日に2〜3件とのことで、そちらへ行く予定のない私はホッと一安心であります。(十分近いんですがね・・・)

用意してきた熊ベルのみを携行することとし、武器としてのトレッキングポールとナイフは車に残して行くことといたしました。

しかし本日釣ろうと考えている下流域の釣果はこの時期あまり芳しくないとのこと。

本日の不安要素はこちら方向へ急速にシフトした瞬間であります。

ま、明日もあるし流域全部まわっちゃうんだもんネw

 

などと余裕のスタートからいきなり道を間違えて痛恨のロスタイム。

我が人生と同様、進むべき道を90度ほど誤ってしまい120号を往復で1時間弱も無駄にしてしまいました・・・;;

地図をご覧頂ければ、それは間違えようがないダロと思われるのでしょうが間違ってしまったんですから仕方がないんですな。

イヤハヤ、いきなり出鼻を挫かれてしまいました。(何も考えずに歩き出したのはオマエだ)

都心の気温が30℃に届こうかというこの日、現地の朝は車の気温計で22℃ほど。

レインスーツの上着とウェーダーでの歩行は、すぐに汗だくとなってしまいましたな。

そして朝早いと言うのに大きな望遠レンズを担いだハイカーの方が多く見えました。どうやら様々聞こえてくる鳥たちの姿を狙っておるようであります。

眩しい新緑、鳥たちの声、どこか凛とした標高1,300㍍の風。

この素晴らしいシチュエーションで、いよいよ釣りができてしまうのであります!

奥日光・湯川!

 

赤沼〜ほど近い場所。このあと見事にハマッてしまいましたな・・・

写真等では幾度も目にし夢膨らませてきたその川は、いざ来てみるとやはり特別の雰囲気を持った場所でありますな。

ゆったりとした流れは川底の質のせいか特別透明度が高いとも感じられません。

各種羽虫も舞っておりますが、まだ時間の早いせいか景色全体に生命感の乏しい印象であります。

流れを疾駆する魚影も、ライズも全く見当たらないのでありますな。

OSSANはこれまでの人生、他人様に言えないほどには人の道を踏み外したことはありません(と思います)な。

しかしこの日この時、始めて木道という人の道を外れてしまったのでありました。

8時まえにて人の往来はすでに頻繁。クマの心配は無さそうであります。

「仕方ないですな・・・これは全て憧れのネイティブなブルック・トラウトちゃんのためなんですからな〜・・・」等と、もともと少ない良心の呵責に対し正当性の極めて薄弱な言い訳を心で繰返しながらも、喜々として川に足を踏み入れたのでありますよ。

そうしましたらね。

ズブズブズブブ・・・・!!

 

 

うぅおぉおぉぉおおお!?

 

川底の深い泥に、あっという間に膝程の深さまでハマッてしまいましたな。

まえもってTa-san氏に忠告を頂いておったにも関わらず、見事に身動きをとれない状況となってしまいました・・・

 

これは困りました。

いきなりOSSANは湯川に刺さる一本の標柱として、高層湿原の冷たい水の中で誰にも発見されず、静かにミイラ化して行くしかないという覚悟を厳しくも突きつけられてしまったのでありましょうか?

お気に入りのタックルを携え、鳥たちの声と爽やかな風に包まれて。

夢の中ですらロッドを振っていた、その憧れのフィールドにあって一瞬だけ

「ああ、もしかしたらそんな人生もアリなのかもしれないなぁ・・・好き勝手した挙句そんな状況に置かれてるんだものなぁ・・・

いつの日にかこの場所は、我がミイラ化した肉体の標柱をもってして”OSSANポイント”とか呼ばれちゃったりする日が来てしまうのであろうか・・・

肋骨あたりにはキャストミスのフライやルアーが沢山ぶら下がることになるのかな。

きっとロッドはどこかのタイミングで取り落として流されちゃうんだろうなぁ・・・。

それはチョットばかり惜しいなあ、お気に入りだし・・・しかしパット見、アングラーかどうか分からないと言うのはあまり宜しくない気がしますな。

第一、不審じゃありませんか。こんな場所で何してんのって?

何というか、こう・・・それはビジュアル的に問題だと思うんですよ?大事なロッドすら持っていないなんて。

そこはやはりアングラーとしては持っていたいですなぁ・・・

今朝は休みにも関わらず髭だってちゃんと剃ってきたんですからね。あれ?そう言えばパンツは新しいの履いて来たよな?

そうだ、ユニクロなのは不本意だが新品の機能性パンツだ、問題ない。

やっぱり男はパンツくらいはしっかりしていないとな。発見された時に履いてるかどうかは別として。

いやチョットまてよ。ここからじゃあの岸辺の下生えの際にフライが届かないじゃないですか、あそこを狙おうと思って水に入ったんですけど・・・」

概ね以上のような妄想および心の葛藤に二十数秒間、泥の中の両足と共にとらわれてしまったのであります。

その直後、

「あ、ダメじゃん。せっかく来たのにワシまだ魚釣ってないもんね!」

 

 すぐに気がついて”湯川におけるフライ・アングラーミイラポイント発生事案”は、この美しいフィールドにはとても似つかわしくない中年男の気合一発、ジタバタと悶絶の叫びの末、回避されることとなったのであります。

 

 またもや長々書き募っておりますが何が言いたいのかと言いますと・・・・

小田代橋という橋から下流域は水底の堆積物(泥)が深く、立ち込みに細心の注意が必要である。と言うことでありますな。(〜湯川フィールドマップ〜)

 水草や小石のようなものが見えているからと言って、その場所が硬くなっているというわけでもなさそうであります。

水際も泥質の崩れやすい地質であることが多く、よくよく注意が必要でありますな・・・

ワクワクしますな?しかし油断大敵なのであります・・・

なるべく泥の堆積のない箇所へ足を置こうとは考えるのでありますが、幾度もそのような目に逢い、どんどん体力を奪われてしまいます。

 

あたふた、 よたよた、ドタバタ、ジタバタ・・・

慣れないフィールドの踏み跡を辿り、下生えや水面にかかる倒木に数個の愛するフライを取られつつキャストを続け、既に2時間以上を費やしてしまいましたな。

 

マズイですよ。

未だに一つのライズも、魚影も見かけておりません。

ひたすらに、夢に見そうな日本のチョークストリームと呼ばれる美しい風景が続きますが、生命感と言えば行き来するハイカーと鳥たちの声のみであります。

「あ〜釣りしてる人もいるんだね〜!」

何度そんな声を背中に受けた後であったでありましょうか。

ようやく見つけましたな。

高層湿原の爽やかな風を受け、その新緑の葉の一枚一枚が歓喜の声をあげつつ拍手をしているようなオーバーハングした木の枝下。

水音に振り向くと定位した魚が一定間隔で水面の流下物を捕食しているようであります。

 

来ましたな。

これを仕留めずして何がフライフィッシングであるのか!

一度ひねった上半身を再び前方に向き変え、ヤツにこちらがロックオンしたことを悟られないようにしばし気配を消します。

ライズの様子から大きなサイズの魚ではないことが予測出来、それまでの#14アダムスパラシュートから#16ブラウンパラシュートへフライを不必要なほどに時間をかけて結び直しましたな。

滑らかに見える水面も、一度立ち込むと両足の作り出す抵抗によって明らかに不自然な水音を盛大に発生させてしまいます。

歩によって巻き起こる泥の濁りがポイントに影響しないよう、流れを読んで遠回りしつつ慎重にキャスト限界距離まで息を殺しにじり寄ります。

オーバーハングは・・・サイドキャストでねじり込めば何とかなりそうであります。

バックは・・・ラインの描く軌跡を身体から離れ気味にコントロールできれば大丈夫でありましょう。

一年以上、この瞬間のために練習釣行を重ねてきたのです!

一発でベストな場所へフライを着水させるべく、時折強めに吹く風を待ちました。

そうする間も控えめなライズが続きます。

複数尾が溜まっているように思えます。

 

梢と葉の喝采が止まり、周囲を包んでいた音に一瞬の間が空きます。

予め目測で引き出しておいたラインを2回のバックキャストで狙いの地点へ到達させることに成功しました。

ラインスラックも程々に入ってくれています。

バイト予測地点までは約2㍍。

確信しました。

 

 

もう釣れたも同然なのであります。

 

 

我が渾身の一作であるB・パラシュートフライは、ヌメりを帯びたような水面の印象から予想するよりも素早く運ばれ、予測と寸分たがわぬ地点で派手な水飛沫とともに水中へ引き込まれました!

 

手元にビンビン伝わる、小さくも力強い生命の主張!!

・・・ああ、なんという歓び。

なんという快感。充実感。

フライフィッシングとはかくも・・・なんという素晴らしい体験なのでありしょうか!!

 

よかった。

来て本当に良かった。

 

日々のアレコレをうっちゃり、家族や同僚の視線やプレッシャーに耐え、少額極まりない可処分所得を費やし、疲労も溜まり、眠く、鈍く、痛む身体にムチをくれ、残り少ない人生の時間を費やしても、

 

 

この歓びが手に入るのであればすべてが報われるのであります!

 

 

 

 

オマエじゃなければな💢!!!

 

 

OSSANは釣れる魚に関しては最近まで選り好みしない性格でありました。

もちろん「楽しんだんでしょう?私とは遊びだったというの!?」と問い詰められてしまうと答えに窮するしかないのでありますな・・・

ですが今日だけは・・・お願いですから今回だけは勘弁頂きたいのであります;;

 

二時間以上を費やしたファーストフィッシュは見事にアブラハヤでありました。

この心理的ダメージから回復するのに小一時間を要しましたな。当然その間はノーフィッシュであります。

しかしいつまでも凹んでいるわけにも行かないのでありますな。本日はキャンプなのでもあり、車まで引き返す時間等も計算すると14時には釣りを切り上げなくてはなりません。

気を取り直してグズグズの川辺に踏み跡を探し、どんどん進みます。

今回腰ベルトの代わりに全身サポータータイツを導入しておりましたが、腰の機嫌はどんどん悪くなってきています。

小田代橋まではたどり着き、120号線まで出て帰ってくる予定なのであります。

しかしこの深い泥の水底のおかげで釣りができる場所が相当に制約されてしまいました。

ヤツモモウラから少し上流は好みの水深もあり、ず〜っと川を遡っていきたかったのでありますが危険を感じて諦め、木道とのピストンを繰り返す釣りとなりましたな。

そんな中でのようやくの出会い!

岸際の下生え際から。17㌢ほど。Bパラシュート#18

ああ、やっと。

紛うことなき湯川のブルックトラウトと対面することが叶いました!

リバースポット早戸で釣ったものよりずいぶん小型ですが背中の虫食い模様がはっきり出ており、朱の斑紋も一際鮮やかであります。

これも特徴的な白に縁取りされた橙のヒレと背びれにもトラ模様・・・そしてナイスファイターであります。

はるか明治30年代。

グラバーさん、パーレットさん等により異国コロラドからこの地に旅し放たれた鱒の子孫たちに、2017年のOSSANはしっかりと出会うことが出来ましたな。

感謝。

18㌢。やはり釣れる場所の様子によりベースの体色にも変化があるようであります。

ようやく平常心を取り戻したOSSANは、青木橋の少しさきで昼食休憩を取ることといたしました。

ちょうど良さそうな川縁の広場となっているのが少し遠くから見えたからであります。

しかし先客もいましたな。何故かウェーダーを脱ぎ、衣服まで脱ごうとしている・・・?

おっちゃんは不幸にも今正に釣り始めんとした所で落水してしまったとのこと。あちゃちゃ・・・

この方、湯川にはよく来られる方だそうで初訪問のOSSANはフィールドの情報、ヒントを一方的に頂く形になってしまいました。

改めまして、このページがもしお目にかかる事があれば・・・その節はありがとうございました。続編で触れますが、大変助かりました。

ここがとても気分の良い場所。本当に何処か欧州河川のイメージなんでありますな(行ったことないけど)。

ゆっくりした休憩の時間をサンドイッチとともに楽しんだ後は禁漁区間を一気にPASSし、小田代橋上流へ向かいました。

何やら更にハイカーも増し、中学生たちと思しき集団もひっきりなしに通り過ぎるようになりましたな。

自然観察校外授業とか・・・かな?やはり人の視線が気になってしまうとどこかしら集中力に影響は出てしまうのかもしれません。

べ・・別にいいトコ見せようと思ったわけではないんですがね。

ある場所の大木に手をかけてそのまま水中へ立ち込もうとした際、思いの外水面までの落差とその箇所の水深があり、OSSANは仰向けに落水してしまいましたな;;

日の当たらないその場所で水底の様子はよく見透かせていなかったにも関わらず、橋から上流の底質の固くなってきたことに少し安心してしまっていたのかもしれません。

背中一面から浸水。

すぐに起き上がったのでウェーダーを脱がねばならない程の浸水はありませんでしたが、上着と腰回り、パンツの後方はビチョビチョ。モチベーションを激減させるには十分な出来事ではありました。

ジャリジャリになっちゃったけど、防水カメラで良かった〜;;スマホもチェストパック側で良かった^ー^;

 

・・・大丈夫大丈夫。

誰にも見られてはいないようでありますな。

こんな瞬間を、あの凶暴な中学生達に目撃されようものならば何を言われるかわかりませんからねw

嘲笑、哄笑を浴びせられ、指さされ、写真を撮られ、SNSにUPされ未来永劫”湯川でコケてたカッコ悪いOSSAN”などと拡散していってしまうに違いない・・・等とまたも妄想を爆発させるワタクシはきっと心が汚れきっているのでありましょう・・・

ブラックパラシュート#18。やっぱり20㌢に届かないであります;;

ここでも少しだけ凹んだOSSANはその後、外国人ハイカーの目の前で、本日6尾目のブルックを華麗に釣り上げるところを見せつけることに成功し(写真撮ってたけど、変なことに使わないでくださいヨ・・・)、溜飲を下げる事ができましたな。

ふと時計を見ると予定の14時はとっくに過ぎております。

これをもって超精神的”勝ち逃げ”(?)ということとし初日はここ迄といたしましたな。明日は上流をじっくりネッチリ攻めていくのであります!

 

あ〜楽しい、来て良かった!

 

もうホント最高ですな!

 

 さて、車まで引き返してキャンプの準備を急がねばですよ・・・

 

蛇足でありますが、上のリンクの”湯ノ湖・湯川フィールドマップ”に示されている釣道なるものはあまりアテにしないほうがよろしいかと思いますな。

特に背中合わせ〜青木橋間の踏み跡は消えかかっている場所も多く、相当な藪漕ぎを強いられる箇所が多いようであります。

ウェーダーのスペアを持たないOSSANはそのダメージを恐れ断念したルートも多くありました。まさか国立公園内でナタを振るわけにも行かないでありましょうしね・・・

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コメント

  1. 実に良いです。
    画像や釣行記から、FF的風情が溢れかえっていますね~。
    こういうところで釣りしてみたいなぁ。

    まだまだ、湯川でのお話は続くとのこと。
    楽しみにしております(^^)

    • おっさん より:

      すぺっくるど様、おはようございます!(夜勤明けw)
      湯川は本当に素晴らしく、比類なきフィールドです。
      おそらく我らアングラーを含む多くの人々が長い間、大切にしてきた場所なのだと感じました。
      ヨタヨタ釣行記がアングラーの皆様に限らず、鬱屈する日々と戦い続け疲れ果てている何処かの皆様のほんの少しの活力ともなれれば!
      (もっと長く書いちゃう)
      な~んて無責任に夢想しつつ、次エントリはさらにグダグダなソロキャンプ編だったりしますw