三匹のOSSAN(2018・養沢初釣行)

・・・全く内容も知りませんが、小説だかドラマだか映画だかにそんなタイトルを見た気がしますな。

最高気温が18℃まで上がるとの予報に誘われて、今季のフライフィッシングを唐突にスタートすることといたします!

初釣りと言うことで、デコる心配のないリヴァースポット・早戸さんへ行こうかと一瞬考えました。

しかしここは”毛鉤専用釣場”としての存在にリスペクトしつつも、ケチョンケチョンにされる覚悟を決めて養沢さんへ出かけることにしたのであります。

ここは”早渕”でありますな。OSSANの昼食ポイントでもあります。

朝一は気温水温も低く、きっと魚達の反応もシブいだろう・・・との考えからゆっくりと出発。現地到着は10時過ぎとなりましたな。

受付を済ませると、火曜日と言うのに14番のバッジを渡されました。もうこの時点で相当に出遅れておるということであります。

事務所下を覗き込むとOSSANの直前に身支度を終えた方が一人のみ。下弁天辺りだけ軽くイジってから今後の身の振り方を考えることにいたしました。

養沢毛鉤専用釣り場フィールドマップ

これが良くなかったんですかな・・・気温は既に13℃を超えているというのに、ウンともスンとも言いませんw

小さな魚影は確認できますし、低水温時に特有の非常にゆったりとしたライズも見て取れます。

しかし新作のニンフ類、なけなしのCDCダン、果てはユスリカにマッチさせようと、#24スペントまで繰り出しましたがまるでダメ。

滅多に使わない7Xティペットすら嫌ってか、はたまたフライの出来栄えがお気に召さないのか・・・;;

一度浮上してしげしげとフライを観察し、見切っていった魚はもう二度と浮かんできてはくれないようでありました。

その一部始終にカッカし、3時間ほども費やしてしまいましたな。

やっとのことで今年のファーストフィッシュを拝めたのは、昨年も面白いゲームが出来た記憶のある、坂東橋〜西野橋の区間でありました。

残念ながらヤマメちゃんならず!しかし一尾は一尾なのであります。

とても久しぶりに感じるその手応えは、これまた久しぶりとなるID884−3ロッドの過剰とも思えるしなりのおかげで中々エキサイティングでありました。

今日はこのロッドと、トータル13ft程のロングリーダー、ティペットのシステムで通す事としたのでありましたが、少々後悔してしまいましたな。

どうにもリズムが合いません

カムパネラ・クラシックライトの絶妙な反発力に慣れたせいか、キャスト時に無意識に小細工を加えてしまうようで、手首が痛くなってきてしまいました。

忘れかけておりましたが8・8㌳のレングスも、このフィールドで使用して「ああ。これは長すぎるなあ;;」と思ったから7㌳台のロッドの必要性を感じたのでありましたな。

多少開けた場所でフライを失速させてフンワリと落とす。もしくはループキャスト等を駆使し連続してフライを打ち込んでいく状況には武器ともなりますが、小場所を丁寧に打っていきたいシチュエーションの連続する養沢ではやはり向いていないようであります。

まあ、使いこなせていないOSSANが悪いだけなのでありますがw

坂東橋を降りてすぐのポイント。ここが何とも言えず好きであります。(釣れるとは言ってませんなw)

気付けば時計は既に15時を回ろうとしており、時間がもったいないですが空腹も我慢できなくなってきました。

この場所からならば、車を置いた事務所脇のベンチで昼食にするのが効率がいいのでありましょうが、なぜか早淵のベンチでそうすることを毎回決めているのでわざわざ移動し、遅い昼食であります。

お天気に恵まれて至福の昼食。

いや~しかし参りましたな。

釣りを始めて既に約5時間が経過しようとしているのに、バラシやすっぽ抜け数回、キャッチは虹鱒一尾なのであります。

喰いが非常に浅く、魚たちのフライに対する警戒感も相当な状況のようであります。

3月に入ってから連日攻められまくっていることは想像に難くない状況であると言えそうでありますな。

残された時間はあと2~3時間(養沢さんは受付に当日の日没時刻を表示してくれていますな)。

なかなか釣行の機会も得られないワタクシとしましては、普段なら絶賛血圧急上昇、内心とても人様に言えない妄執の権化と化していくのでありますが、この日はいかにも麗らか過ぎました。

春の花々が咲き競う季節はもう少し先となりましょうが、日にあたれば汗ばむくらいの陽気。

ウェーダーを通して感じる流れの冷たさや吹く風も心地よく、大岩をいくつか超えても、今日は腰痛の『ヨ』の字も感じません。

ポイントへ入れ代わり立ち代わり現れる先輩方のテクニックを盗み見させていただきながら、優しく流れる長閑な時間を楽しみつつカップ麺を啜り込むのでありました。

やっぱり暖かいw

ところで、ウェーダーの傷みの進行を遅らせるために導入したグラベル・ガード

流れに立ち込む際の足首や脛の保護としてもかなり有用であるとの感触を得ました。しかし暑くなる季節にはその保温力もあって、辛い思いもしそうでありますな。

昼食後、少しだけ早淵近辺を流してみましたがやはりすっぽ抜け・バラシ連発、挙句にラインブレイク・・・

やっとの事で二尾目をヒットさせますが、溜飲の下がるようなサイズでもなく・・・完全に集中力が切れてしまいました。

もうネ、諦めましたヨ。

今日はこういう日なんですな。カッカしすぎて倒れても他人様に迷惑をかけるだけでありますからな・・・

日が長くなってきたとはいえ、5時近くなると薄暗くなり始めます。気温もぐんぐん下がって来るのであります。

少しだけ側道を徒歩で下って、木和田平と呼ばれるポイントで最後の勝負であります。

そこで顔を見せてくれたのが、久しぶりの

飛んでキター!!

愛おしいですな。#18 ビーズヘッド・ニンフのルースニングにて。

最後の最後に小さな野生をヒットさせることができましたが、手ごたえを楽しむどころの話ではありませんな・・・

初ヤマメちゃんはお預けを喰らってしまいました。やっぱりアソコしかないのでありましょうか・・・

良いところ無しの初釣りとなりましたが、それにしてもフライ・フィッシングの楽しい事。

歩く、感じる、観察する。選択し、思いを込めて、失望に塗れ、迷いに迷って、極たまに昇華する・・・

日頃イライラし続ける気持ちも、あちこちが軋むような全身も、睡眠に似てリセットされていくようで、気分の良い時間を昨年ぶりに味わうことができました。

予想通りケチョンケチョンにされてしまったのでありますが、まだ今年は始まったばかりであります!

今日の所はここらで勘弁してやることといたしますな。

・・・・・?

大変です奥さんっ!!

なんと言うことでしょう、

ホウレン草が100円で売ってますよ?!

養沢さん受付にバッジを返却に行きましたら、発見してしまったのであります。

最近はすっかり高級品となってしまいやがって、なかなか口に出来ないホウレン草様が一把100円なんですよ!?

立派であります。

・・・(少々呼吸が荒くなりつつも)買い占めさせていただきましたな。

閉店前、最後の二把だから良いですよネ^^;

’18年のフライフィッシングは、たった三尾からのスタートとなりました。

しかしその帰路のハンドル捌きは何故かしら軽やかであった。

そんな、春の訪れなのでありました。