昨年はストック分として巻いてあったフライを移し替え、少々の巻き足しをして早々にタイイング・ツールを仕舞い込んだのでありました。
釣行回数は少ないというのに、何故か増え続けるフライボックスはスカスカとなっております。
今年はチョイと本気で巻いておかないと、イザ釣行前夜となってから焦るのが目に見えるようでありますな。
NEWバイスの使い勝手をチェックしつつ、リハビリ・タイイングのスタートであります。
仕舞い込んだツール類を一つ一つ取り出し、何に使うものだったのかを思い出しながら展開します。
今年は新たに、使用中のツール類を置いておくための木製食器プレートを調達してきました。
これまで使用していた100円ショップで買ったステンレス皿は、硬質なツール類を置くと嫌な感触を発するからでありますな。
「カチャン・・・」という音とその見た目が、どうも歯医者さんに居る時を思い出してしまうようになったのであります。
数年間あまり気にせずにいたのでありますが、まぁ我慢して使い続ける義理も無いですしネ。
何をどれだけ巻くか・・・計画表を作ったこともありましたが、今年はそんなことをしているとあっという間に暖かくなってしまいそうなので、巻きながら考えることにいたします。
とりあえず、どうしても外せないフライとしてのカディス達が枯渇しておりますので、たくさん巻いていくのでありますな。
数少ない経験の中でも当たり外れが少なく、フッキングまで持ち込めなかったとしても何らか魚からの反応を得るために、とても頼りにしているフライであります。
もうすっかり、ワタクシのローテーションでは中心軸となっておりますな。
仕様フックはイエロー・サリー(ミドリカワゲラ)的フライを巻こうと思って購入していた、MARUTO・c40の#16が大量に残っているのでコレを。
最近は#14フックが大きいと感じることが多いのと、シャンクの長めなフック形状を眺めていて、「ハックルとフックポイントの距離を離した方が、フッキングが良くなるかも?」と考えたのであります。
どうもカディス系フライは、ダビングボディ全体にハックリングするとフッキングが悪くなる気がしています。
「あんまりソノ気は無いんだけど、軽く吸い込んでみて食えたら食おうかなぁ・・・鼻先空中に出すのも今は億劫だしなぁ・・・」
というヤル気のない魚に対して、そのバイトを弾いてしまうシーンが幾度もありましたな。
本来はその時点で別のフライパターンの出番なのでしょう。
しかし現場では、「反応はしているのだから、このままフッキングまで持ち込みたい!」と考えがちなのであります。
最近はボディ先端の1/3以下を目途に、薄めに巻くようになりました。その代わり、ハックルの下側をカットすることをしなくなってきましたな。
エルクヘアとディアヘアを使いますが、その時見かける羽虫の種類というよりも、対峙している流れから受ける印象の違いによって使い分けています。
何をどう・・という説明は難しいのですが、比較的静かな水面(波立ちが少ないという意味で)ではディアヘア・カディスを結ぶことが多く、逆に水面が荒れていたり、薄暗いシチュエーションではエルクヘアを選ぶようになりました。
釣果は・・・まぁご存じの通りなので、参考にならないでしょうww
ディアヘアは水面にペッタリと張り付くように浮き、細かな毛の隙間に水分を含んで水切れもエルクヘアより悪いです。
フロータントを念入りに施しても、同様の処置をしたエルクヘアほどは長く浮力を保ってくれませんな。
水流に揉まれるようなところは苦手です。
少しだけ荒れた流れでディアヘアを使いたい時も稀にありますな。少量のCDCを仕込んだものを数本、バリエーションとして巻いておきました。
浮力維持性能の向上度合いは気休めでしょうが、ディアヘアだけよりは良いでしょうかな?
視認性もウィークポイントでありますな。ポストはオレンジ色で統一することにしました。
こうしてしまうと、せっかくのナチュラルな虫っぽさが台無しになる感じがしてもったいない気もするのですが、背に腹は代えられないのであります・・;;
そして、その残念感を払拭しようと新たに手に入れたのが、このオレンジダイド・エルクヘアであります!
ウ~ム・・・巻いてみると思ったほど派手ではないですな・・・。
いかにも自然界に存在しそうなオレンジ色にも思え、一寸期待しておるバリエーションであります。
フィールドでしっかり視認性を稼ぐことができれば、ポスト付きのディアヘア・カディスと入れ替えるつもりです。
そして一丁悪戯を・・・。
ニュー・シンセティック素材であるフルーツ・キャップネットでありますが、此奴をポスト代わりに使ってみようと考えて、とっておいたのであります。
うはww超残念www
浮力の補強にも役立つとは思いますが、コレジャナイ感が強烈ですな・・・
一つのパターンを10本づつは巻くつもりでいましたが、4本でやめておきます;;
各色のダビング材と、異なるハックルカラーで巻いたカディス・フライをキャストしてきました。
そして、それらの違いとシッポの有る無しで反応がどう変わるかという事に、まだ有意な答えが見つかっていません。
最近は少々混乱してきている事もあって、今年はシッポの有る無しのみに絞って試していこうと思っておりますな。
尻尾ありのものはX・カディスと言うらしいです。
羽化時、尾部に抜け殻(シャックと呼ぶです)を引きずっている様子を模しているとのことですが、未だその様子を見かけたことが無いので半信半疑でもありますな。
以前にも相当数を巻いていたはずですが、いつの間にか使い切ってしまっておりました。今期はできるだけ意識して使うようにしたいと思います。
ワタクシ的には非常に稀なシチュエーションですが、フライにボリューム感が欲しい時もあります。
対峙する流れの規模が比較的大きくて、より広範囲にアピールさせたいときや、水深のあるポイントで、且つフライを何度も打ち返したくないと感じるような場所です。
そんな時用に、作り置きしてあったマシュマロボディを引っ張り出してマシュマロ・カディス。
なんとなくコロンとした出来上がりにしたかったので、コレはTMC112Y#15で誂えましたが#14か#12フックの方が良かったかな?
たまたまドライ用の各サイズが切れておりました。
レッグはパートリッジ、黒ハックル等を適当に。マシュマロ部分で浮力は稼げますかな?
そしてもう一つ。
どうしても使いたいマテリアルとして、コック・デ・レオンが控えておりますな。
この羽根の持つ、何とも言えぬ独特の光沢を伴った斑紋は、どこかで目にしたカディスの翅をイメージさせるのであります。
しかしファイバーが長めで、ドライフライのマテリアルとしては大きめのフライでしかシックリこないようであります。
フライタイイング界で個人的に尊敬して止まない、備前様のパターンにチャレンジしてしまうのでありますな。
手持ちのドライ用フックで一番大きなTMC100の#10を使って、ダビング材で作ったテーパーボディの上からオーストリッチ・ハールを巻きます。
更にEuroハックル・クリーの、ファイバーが長くて後々残ってしまいそうな部分をボディにグルグル。下側はカット。
CDC各色をダウンウィングとして数枚重ね、ファイバー長めのハックルと、レオンを重ね巻いて後方に撫でつけて・・・!
やっぱり全然キレイに巻けねぇww
しかし巻いてしまったからには、使うのであります。
記憶の中の彼らとは似ても似つかぬようであり、一周回って「イヤ、わりとそう見えるんじゃね?」という、カディス系フライ特有のファジー感に収束して結構良い塩梅なような・・・
良く分からなくなってきてしまいましたなw
このボリュームと空気抵抗では、#4#5タックルでないと厳しいでしょうか?
ディスタンスを短めで、ビシっと打ち込むようにキャストすれば#3タックルでも投げることはできるかも?
でもそうするとフッキングパワーと、ラインのターンを考えてティペットも太くしないといけないしな・・・
ロッドアクションも加味して考えなければならなくなってくるので、渓流域でこのフライを投げるとなると、ちょっとばかり困りますな。
小さいフックでも巻いておきますかな?
冬の夜長に、悶絶的思惟の迷宮に入り込む・・・フライフィッシング独特のお楽しみであります。
実は、このフライを試してみたいフィールドがあるのでありますな。
そんなこんなで、数日間にわたってアレコレと巻いていたら、カディス系だけで60本も巻いてしまいましたな。
ドライフライでの釣りを、カディスだけで押し通す気は全く無いのでありますが・・・
どうも今年は春が早そうではないですか?
陽光に満ちる、歓びの瞬間に想い馳せながらフライを巻く休日と言うのは、やはり中々のものなのでありますな。