年一度の恒例となりつつある、千曲川水系巡礼でありますな。
明日明後日には禁漁という日に、余程のナニゴトかが起きなければ、厳しい釣りとなることは最初から覚悟の上でありました。
今回もTwitterで絡んでいただいている隊長@chikumagawa_rivさんとのコラボ釣行・・・と言えばカッコいいですが、単にオンブに抱っこで案内して頂くのであります。
「さあ、今季は色々な場所で経験を積んで相当自信もついたでしょう。しかしその薄弱なる自信は優しくも厳しい千曲川でケチョンケチョンに粉砕され、オッサンが2人荒い息をつきつつ広大な河原で悶絶する珍道中でシーズンを締めくくるのです!!」
「いえあの、出来れば最後くらいは普通に釣りたいのですが;;」
少し前から気になっていた、佐久漁協・湯川にあるトラウトパーク軽井沢へ参りました。
「釣りをしながら魚を育てる」というコンセプトのもと運営される、フライとルアーの専用エリアであります。
私には専門的な知識もないので、どうすれば「釣りながら魚を育てる」ことができるのかわかりませんが、非常に興味のあるところであります。
漁協のHPはシンプルを極めておりますので、その辺りを窺い知ることが難しいのでありますな。
是非その辺り、情報の拡充をお願いしたいところであります。
しかし、百聞は一見に如かずと申します。
実際に現地で見て、聞いて、釣って、感じて、考えてみることが先でも良いのですな。
いざ川に向かうとライズや魚の姿、ポイントを探す事に囚われてしまい、そのような高尚な気持ちはすっかり忘れ去られてしまうのではありますが・・・
魚影は薄くないようですが、季節的要因なのかプレッシャーなのか、なかなか水面を破らせることができません。
フライを見にはくるのですが、見事なUターンを決められますw
それでもドライに興味はあるらしいのだから・・・と都度ローテーションをしていきます。
こんな時のためにフライベストを先行導入し、巨大ボックス2個も持ち込んでいたのであります。
周囲に舞う蜉蝣は#16〜#18ほどのクリーム色。お気に入りのライトケイヒルがマッチしそうですが、やっぱり見切られましたなw
浮上してくる魚たちがフライを見切る距離感などを観察し、答えを探していきます。
釣り始めて小一時間。
ようやく発見したやる気のあるライズを仕留められたのは、幸運でありました。
帰宅後改めて漁協HPを見ると、この日探った範囲はエリアでもほんの一部であることがわかりました。
湯川は里川然とした水の透明度と雰囲気でしたな。近場には特に店舗や付随施設も設けていないようであります。
佐久漁協の鋭い戦略がどのようなものかを窺い知ることはできませんでしたが、どこか景色に懐かしさを感じることもあって、非常に気に入ってしまいましたな。
良い季節に必ず再訪し、隅々までゆっくり楽しみたいと思います。
移動途中のお昼で蕎麦をいただきましたな。大盛りくらいの量が普通に出てきたので驚きました。
しかし根っからの蕎麦食い人種であるOSSANには、大変喜ばしいのでありました。
どこをどう走っているのかよく分かっていませんでしたが、車窓から見える河川のいたるところで復旧工事が行われておりましたな。
昨年の台風19号の、ひどい大雨による被害のためであります。
今季出かけた各地も程度の差こそあれ、流れの様子が変わったり林道が寸断されていたり。
近年の雨の降り方は非常に暴力的でありますからな。森の保水能力をオーバーしてしまった地域も多かったのでありましょう。
魚に住み良く、釣り人にとっても魅力的な風景に戻るには、また長い年月が必要となるのでしょうな。
考えてみると、河川は大昔から氾濫も繰り返した末に今の形であるわけで。
人類が重機等で大規模に都合よく改修できるようになったのは、わりと近代のことなのですな。
単純に「不便」や「残念」「寂しい」などと感じてしまうのは、人間側のエゴなのでありましょうか。
道すがら、マウンテンロックリバーさんにお邪魔しましたな。佐久市にあるフライのプロショップであります。
これも帰ってから知りましたが、近隣のフィッシングガイドもされているのでありますな。
実は探していたものがありまして、そのうちの一つを手に入れることができました。
なかなか使おうとは思わない気もしますが、あまりに辛くてヒントが欲しいと思う時もあります。
と言うか、OSSANはそんな時の方が常であります。
普段の行動範囲のショップには見つけられなかったので助かりましたな。
しかし、これでOSSANのフライフィッシングが劇的科学的昆虫生物学的自然科学的論理的に上達していくのだ・・・!
ということには決してならないであろうことは、非常に残念なところでありますw
マスターに興味深くも様々なお話を伺ったのち、千曲川本流へ移動しましたな。
しかしご報告はないのであります。
盛大に空振りましたww
(ウム・・予想通り)
まあ、良いのであります。
なんと言っても、明日も存分に釣りができるのですから。
しかも今回は体力を消耗せずに済む
ホテルに宿泊なのであります!
(スゲぇ俺どうしたんだ)
今年初めての、ベッドで眠れる宿泊なのであります。
部屋は最小のビジネスホテルサイズを取りましたが、どうせ短時間しか滞在しないので十分贅沢・・・
体力の回復を待って繁華街(暗くてヘッドライト出そうかと思った)に繰り出し、夕食という名の1人飲みに出かけましたな。
知らない街で飲むのは好きなくせに、店内が外から窺えない店に入るのは、小心者のワタクシにはちょっと無理なのでありました。
そうして入った懐かしい名前のチェーン居酒屋で、意外にも「鯉刺し」と「馬刺しユッケ」のうまさに唸りましたな。
人懐こい感じの割には呂律の怪しい年配の店員さんが、この二品は長野名物であること、じつは良いトコから仕入れてる・・・と言うことを得意げに説明してくれました。
それは大変良いコトなのでありますが、若者向け有線音楽かTVなのか、ボリュームを上げておくのはどちらか一方に決めて欲しいなぁ・・・
などと思っているうちに、日中に絞られた水分と体力の補充は無事完了。
その後ベッドで見る夢の中でも、ロッドを振り続けていたのでありました。
翌日はズバッと大移動(自分で運転していないので、やっぱりよく分かっていないw)して、支流A川へ参りましたな。
流石に渓流の解禁最終日だけあり、平日というのに入渓場所には多くの車が停まっておりました。
木々の梢を透過した初秋の日差しが渓に降り注ぎ、なんとも言えず綺麗であります。
気温としては春や初夏にも同様のタイミングがあるはずなのでしょうが、岩の影や大気中にはそこはかとない寂寥の気配が漂っているようです。
「今日が最後なのだなぁ・・・」
これまでに良い手応えを感じているシルクラインが、小渓流では優位性を持つものかを検証するつもりで釣り始めます。
組み合わせているカムパネラの6‘6“ショートロッドは入り組んだ渓流では扱いやすく、木々にフライを取られ難くしてくれるようでありますな。
腕も伸ばして手前の水流のドラッグを回避しようとする時などには不利ですが、フライを狭いスポットにネジ込みたい時は武器になります。
そのような場面でも、柔らかなグラスのアクションはラインの速度をうまく減じて、径の細いシルクラインのコントロールを容易にしてくれます。
しかし、もし尺ほどの魚が掛かったらファイト初っ端の主導権は失うと思いますな。
シルクラインはしなやか過ぎて、足元の下生えや転がる枯れ枝などに絡みやすい嫌いはああるものの、それでいて十分なディスタンスも稼げるのですから不思議なものであります。
その価格からして雑な扱いは決してできないので、使用している最中は奇妙な緊張感が伴いますw
そんなこんなを感じつつ、二手に分かれて釣り上がっておりましたが魚信はありませんでした・・・
あっという間に退渓しなければならない時間が迫り、「これで最後」と投じたカディスにようやくのヒット。
コレは・・!ww
飛んでくるなんてモンじゃありません。
柔らかなグラスロッドの反発力になんの影響も与えない、来年以降のための魚を釣ってしまったのでありました・・・
そして実は、わが人生最小記録であろうこの岩魚を手にした瞬間に
今年の自然渓流での釣りは終わりである
と悟ったのでありました。
この後リベンジを図った本流で、隊長さんと様々なことを語りつつ、真っ暗になるまでライズを待ちましたな。
が、それが起こり始めた時にはもう、OSSANの目ではフライを扱う事はできなくなっていたのでありました。
普段イブニングの釣りはしてきませんでしたが、この釣りにも特別の準備が必要そうであります。
さてさて。
信州の麗かな秋晴れのもと、まる二日間をたっぷりと遊んでしまいましたな。
体力もカツカツまで使いきってしまったようであります。
寂しい釣果であったのはいつものことでありますな。それはそれコレはコレで、やっぱり楽しくて仕方ないのであります。
今回も隊長@chikumagawa_riv様にはすっかりお世話になってしまいました。また来年伺う際には、イブニング対策をしっかり考えて参る決意であります。
その日のために。
チョット大きめな魚を残しておいてくれるようお願い申し上げますw