Fox Fire バーチカル・タックルベストのレビュー。やっぱりチョット違うんですな;;

ショルダーバッグ、スリングパック、チェストパック、チェスト+バックパック、ヒップパック、フィッシングベスト・・・

我が理想のフィッシングパック探しは、実は未だ終わっていなかったりするのであります。

5月の終わり頃〜9月。

自身のFFとしてはメインストリームと言える渓流釣り上がり用のパックとして、フォックスファイヤー・バーチカルタックルベストというモノを、3シーズンほど使ってきましたな。

今後は異なるパックを試してみる事になりそうなので、このパックのレヴュー&インプレッションを残しておく事と致します。

  1. 上半身や腕の動きに干渉し難い構造のフロントパック
  2. 大きすぎず、程々の容量のバックパック

これまで様々なタイプのフィッシングパックを試してきた上で、ようやく見えかけてきている自分の好みに近い形のパックとして採用したのであります。

その特徴をザッと見ていきますと・・・

全体で使用されている生地はポリエステル65%・コットン35%のカツラギ素材とされております。

経年変化を楽しめる・・・であろう事や手触りも悪くはないのですが、アウトドアで使用するにはチト心細いかなと感じます。

強度的な心配は少ないでしょうが軽くはないですし、防水スプレーでもかけておけば多少はマシでしょうが撥水性もありません。

ひどい夕立にあった際にはズッシリと水を含んで、まぁ重かったですな。中身もビチョビチョですし、そこまで濡れてしまうと中々乾いてくれません。

この帆布的な生地由来の雰囲気を楽しむ事に重きをおける向きには良いでしょうが、実用性を考えると自分的にはイマイチな選択でありました。

Fポケットの容量や使い勝手は、ほぼ理想的でありました。

フロントの縦型ポケットは大きく、予想通り腕の動きに干渉する事もなく快適でありました。

C&FのLサイズボックス+同じくC&Fのスリムケースを飲み込んで、まだまだ余裕があります。このサイズ感も絶妙でありましたな。

内部は左右ともにメッシュポケットがあり、スペアリーダーやテープタイプのマーカー、シンカー等をまとめた小さなプラケースを整理収納しております。

両方ともにキーチェーンが付いていますが、こんなところに鍵があると釣りの邪魔になるので自分は使いません。エマージェンシーホイッスルを固定してありますな。

このダストポケットは秀逸であります。

Fパック前面の左側には、内部にベルクロが貼られたダストポケット。

数の限られたポケットをゴミ入れ用として潰さずに済みますし、それ用のアイテムも用意しなくて済みますので便利であります。

コチラはそれほどでも・・・?

右前面にはウェビングベルトが付いており、ここへジンガーを介してクリッパーやフロータント・チューブなどをぶら下げて使っております。

フォーセップを仮止めする時などにも使い勝手は良かったですな。

片手で開け閉めできるボタンフラップ。これも良いです。

それぞれのフロント下部はボタンフラップ・ポケットとなっており、携帯灰皿やパウダーフロータント、2〜3種のティペットを入れております。

このボタンはフィンガースルーとなっており、片手での開閉ができるのでイライラすることも少ないです。ロック強度的にも信頼できるもので、コレはいいですな。

鳩尾部にはD環が二つ。スプレーフロータントとフライカチーフをセットにしたものをぶら下げております。

お腹側になるので固いものや嵩張るものは入れません。中心の水色のものは、サイドループに引っ掛けた電子ホイッスルであります。

裏側は両方ともに、マチのない大きなメッシュポケットとなっております。

嵩張らないものであれば出し入れも楽な位置ですので、小さなハッカスプレーのボトルやハンカチ、スペアティペット等を入れています。

外側のオープンポケット。ここも結構便利であります。

パック上部(背中の頸あたり)にはランディングネットをぶら下げるD環。

バックパックは15Lの容量とされております。よほど荷物が多くなければ、暖かい季節の一日釣行で不足することはないかなと思います。

両サイドにあるポケットはペットボトルを入れて激しく動いても落下することはありませんでしたな。

パック前面は簡易収納ポケットとなっており、脱いだレイン・ジャケットなどを丸めて入れたり、藪漕ぎや高巻きをする際にはランディングネットを突っ込んで保護したりと、なかなか便利でありました。

パック両サイド上部にあるループはメイン・ファスナーを挟むようにして計4箇所。百円ショップで購入してきたバンジーコードを取り付けて、サブロッドを固定することもあります。

しかしそうするとファスナーの操作に影響し、パック内部へのアクセスがジャマされて使い勝手は良くないですな。

摘んでいるのはメガネケースですな。

バックパックの内部は背中側上部に横長のメッシュポケットがあるのみで、あとはズドーンとした一体型。荷物の整理能力は限定的であります。

そのポケットの開閉はベルクロによる簡易的なもので、まぁ大丈夫なんでしょうがチト不安。

ここへメガネケースや財布、小さくまとめたエマージェンシーキットや鍵など、据わりの悪いものを収納しておきたいのですが、それには容量も足りませんでしたな。

ショルダー部は上手く造られており、少々熱はこもりがちですが、肩こり等を覚えたことはありません。

この辺はさすがFFベストを作り続けてきたフォックス・ファイヤーさんというところでしょうか?

これらパーツの配置からなる使い勝手は比較的自身の感覚に馴染むものであり、概ね快適に釣りができるものでありました。

しかし冒頭で触れた通り、来季は別のパックシステムを登用することにしましたな。

それは何故なのか?

以降、恒例の「ない物ねだり」にお付き合いくださいませ・・・

① もう少し全体に「シャッキリ感」が欲しい

撥水性など無いことはすでに触れましたな。

生地的にコレはこれで良い味というか、雰囲気を持った製品であることは確かなのであります。

「そんなもんだ」と思えば思えなくもない欠点というか、昔懐かしの素材特性なのだと楽しめる範疇ではあるのです。

実は自身も、雨や水に浸かることで荷物などが濡れてしまったとしても、日帰りであればそれほど気にしない性分でもあります。

しかし、ものすご〜く曖昧なことを言いますが、パック全体のバランス感として、もう少しハリが欲しいと思うのであります。

全体にクタ〜っとしてます・・・

フロントパックとバックパックを繋ぐベルトだけでも、バリッとした幅広のコーデュラ素材などにすれば多少印象も変わったかもしれません。しかしこれは恐らく、単なるコットンベルトなのでありましょう。

全体にしなやか過ぎるため、地面からパックを持ち上げたりするときにもクタクタと、掴みどころやだらしのない感覚が付いて回ります。

激しい運動が伴うとベルトの細さも相まって抑制が効かず、「ブラブラしたものが身体に装着されている感覚」はさらに強まります。

サイドベルトを締め込んで身体にフィットさせればその感覚を和らげることは可能ですが、調整するのもワンタッチとはいきません。

これがワタクシ的にはあまり好みではなく、「ウーム・・」と思わずには居られないのであります。

使用されているカツラギという生地は、どうも予想より随分と柔らかな感触のものだったのでありますな。

② ファスナーの操作性がイマイチ

そしてこの柔らかさが、感覚以外にもネガティブな影響を発生させております。実はこちらこそがクリティカルです。

せっかくYKK製ファスナーを奢っているにも関わらず、生地の柔らかさゆえに操作性を悪化させてしまっているのですな。

収納するタックルの大きさや重量バランスなどにも影響を受けるでしょうが、片手での開閉が行いにくいのであります。

それでもフロント部は引き手タブが設けられていたりと、何とかしようという努力が見て取れます。どうかするとうまく片手で開閉できることもあったりします。

バックパックのWファスナー部。実に惜しいであります・・・

しかしバックパックの一番大きなファスナー・・・こちらがどうも開閉しにくいのですな。

雨除けフラップがしっかりと幅広に造られており、「ムム、わかっておるな・・・」と思える造り込みですが、生地の柔らかさ故に操作性がイマイチであります。

釣りの最中にバックパックへアクセスする頻度はそう高くないにしても、イザその時に開け閉めしにくいとなればフラストレーションが高まってしまいます。

きっと気にしない方は気にならない程度なのだと思いますが、津軽海峡ほどには心の狭いワタクシ的に、ダメなポイントなのでありました。

③ 背中との緩衝パッドがない・・・

背中とパック内部を隔てるものは生地一枚であります。これが何と言いますか、決定的にストレスであります。

もし実物をチェックしつつ購入可否の判断をすることが出来ていたら、恐らくは導入に踏み切らなかったであろうポイントであります。

バックパックに収納したものの存在感をいつまでもゴロゴロと背中で感じ続けると言うのは、チェストパック+バックパックスタイルのとても良い部分を捨て去ってしまっているように思えるのであります。

何らのパッドやフレームを持たせず、収納物による背中への干渉を多少でもブロックできないのであれば、それはもはや各方面でフィッシングベストの方が優秀ではないですかな?

優っている部分があれば、「絶対的な容量だけ」という事になりそうであります。

生地一枚(衣類除く)で隔てられる荷物と肉体。コレが一番ダメでしたな。

スペアリールやクッカー、バーナー等の固いものを入れていると、釣りの最中ずっと気になり続けてしまいます。

そしてもし転んで背中を打ってしまったら、ダメージ増し増しになってしまうであろうことが容易に想像できます。

厚手の服を着込んでいる季節ならまだしも、ワタクシがこのパックを使いたかったのは晩春以降〜9月一杯までなのであります。

パック内や収納物に何らかの工夫をし、背中と収納物の干渉を和らげる措置を講じる方法もあるかと思います。

この構造であって成された軽量化やコストカット効果などもあるのかもしれません。しかしそれでも、定価では結構なお値段の製品だと思うのです。

また生地の通気性はそれなりであり、単に丈夫な上着を一枚羽織った状態とも言えます。かいた汗はゆっくりとパックへ吸い取られていくだけであります。

単にOssanの使用環境とマッチしなかっただけとも言えますが、このバックパックはもう一工夫も二工夫も欲しかったところでありますな。

ポケットの配置や独自の工夫、丁度良い容量などは気に入っているのでありますが、自身としては、3>1>2 という順で許容できず、惜しいですが(しばらく)お蔵入りさせる事といたしました。

また列車での遠征釣行時に思いついたこと等もあり、またもや「理想のフィッシング・パック探し」の沼へ舞い戻ることといたしましたな・・・

ちなみにワタクシ、定価で買っておりますからね・・

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