主に釣行の際、もっと手軽に暖かな昼食(大抵カップ麺+α)を採りたいとの思いで購入した激安・超軽量ストーブ。
得体のしれない中華製ではありますが、風にめっぽう弱い事を除いては、今までその役割をそつなくこなしてくれております。
と言っても、お湯を沸騰させてくれさえすれば良いのでありますな。
火口の形状が一点集中型なこともあり、少しでも凝った調理をしようとしたり大きめの鍋などを使いたいときはIP-2243の出番であります。
この激安・中華製25gストーブの軽量・コンパクトさを活かすために使用するガスカートリッジは、110サイズのOD缶(outdoor・Tタイプ缶とも)がピッタリであります。
しかしこれをこのためだけに毎度購入しておると、せっかくのコストパフォーマンスも悪化してしまうことになるのでありますな。
ガスカートリッジの安価なものと言えば真っ先に家庭用卓上コンロで使用するCB(カセットボンベ)缶が頭に浮かびます。
口金規格の違うこの安価なガスをこの激安ストーブに使用することはできないものかと思い至ったのでありますよ。
そうしましたらね、やはり私なんぞが考え付くことはとっくのとうに実現されておるわけでございまして・・・
ありましたな☟
こいつを使えばCB缶の中身の液化ガスをOD缶へ移し替えることができる。と言う商品であります。
さっそく実際に使用してみますな。
過充填になってしまうと危険でありますので、IP-110 OD缶が満タンの時の重量を把握しておきますな。
双方のガス缶の圧力差が無いとガスが移動できないので、あらかじめお湯等でCB缶を温めておきます。
逆に受け側のOD缶を冷やしておくという手もあります。
思いのほかすんなりとガスは移ってしまい、拍子抜けしてしまいましたな。
安全のため満タン重量の90%前後まででストップしておきましょう。
・・・と言うのは簡単でありますが!
2つのカートリッジを接続した状態で、透明でもない容器の中をどのくらいの液化ガスが移動したかを把握するのは困難であります。
ガス・アダプターにそれらを示す便利な計器があるわけでもありません。
というか何のメモリもありません。説明書すら付属してなかったくらいであります。
いちいち接続を解除して重量変化を確認しなければならないところが面倒といえば面倒であります。
しかし今回の実験中、過充填となったカートリッジ(ガス充填量115%)も使用してみましたが、異常な燃焼音を伴って安定しない大きな炎が上がりドキドキしてしまいました。
もし多く充填してしまったら適正重量までアダプターバルブを開放することも安全のためには必要でありましょう。(当然臭いのでお覚悟を。)
ここは面倒がらずに押さえねばならないポイントでありますな。
気をつけなければならないことがあるにしても、”液化ガスのカートリッジ間移動”はちゃんとできることが分かり一安心であります。
このアダプターを購入したときの価格は送料込みで¥2610でありました。
激安ストーブより高いですな;;
ここはやはり、コスト計算をして自分を納得させる必要があるようであります。
クドいようですが、釣りの際に持って行くカートリッジはPRIMUS IP-110であります。
2017.3.18(注文時)アマゾン価格で¥431(送料別)
グラム当たり¥4.31/g
近所のダイエーから買ってきたTOHO(東邦金属工業)というカセットガス。
お買い得価格で¥138(税込)グラム当たり¥0.55/g。
二種類のガスと激安ストーブの組み合わせで、
- キャプテンスタッグ・18-2ステンレス製M-5512・シェラカップに
- 日清カップヌードル一食の基準水量である300mlの水道水を入れ、
水温が100℃に到達するまでにどのくらいガスを消費したのか
を計ってみましたな。
気温 22℃(実験時室温)。
水温 18.6℃スタート(5回平均値)。
ストーブ火力 バルブを一回転ジャストで統一(結構な火力)。
結果、IP-110ガスでは
消費量5グラム。
300ml / 21.6円
TOHO製CB缶より移し替えたノルマル・ブタンガスでは
消費量5グラム。
300ml / 2.8円
と言う結果となりましたな。
その差18.8円 と言うことは・・・
カップヌードル約138.8杯分でモトが取れるということですな!
いや、別にカップヌードルでなくても構わないのでありますがね・・・
しかし更なる問題もありますな。
私はOD缶を購入する時はほぼハイパワーガス等と呼ばれるプロパン混合ガスを選択します。IP-110もプロパン混合ガスでありますな。
過去ストーブを持ち出したキャンプや登山へ、ノルマル・ブタンオンリー・ガスを持ち出し、夏だというのに火力低下に困ってしまったことが一度ならずあるからであります。
たいていは標高が高く、冷涼な気候で使用していたことが原因でありますな。
突然でありますが、このガス・カートリッジに使用されるガスの種類について特に要請もないのに おさらいしてしまいましょう。
カートリッジ中のガスはLPG(液化石油ガス)であります。
成分はノルマル・ブタン、イソブタン、プロパンの三種。後者ほど低温環境に強く、火力が落ちにくいという性質を持っていますな。
それぞれの沸点の違いによります。
ノルマル・ブタンを使用したノーマルガス・カートリッジは(ええい!ややこしい!)経験上、気温が10度前後以下のフィールドや、比較的長時間となる使用の際カートリッジがガスの気化熱により信じられない程に冷えてしまい火力低下も顕著となり、すぐに使用に耐えなくなった記憶しかないのであります。
安さに惹かれ購入したガスカートリッジで数度そんな経験をしてから、余程のことが無い限りハイパワーガスと呼ばれるプロパン混合のものを選ぶようになったのですな。
IP-2243ではそのハイパワーガスに併せて、別売りヒートパイプ(残念ながらディスコンのようでありますが)を併用することでマイナス10度以下、厳寒の冬キャンプもなんとか乗り切れておりましたな。
ですが今回使おうとしている安売り家庭用カセットガスの中身は、ほぼノルマル・ブタンであります。
沸点はマイナス0.5℃。
ゴールドとかパワーとかエクセレントとかスーパーマッチョとか書いてある、寒冷条件に強いイソブタン(-12℃)やプロパン(-42.09℃)が混合されたものもないわけではありませんが、スーパーなどで安価で手に入るものはほぼノルマル・ブタンでありましょう。
運よく他のガス混合のものを見つけても、
”うはwこれはお得ですよ!”
という値付けにはなっていないことでありましょう。
世の中うまくできたものであります。
と言うことは、わざわざガスの詰め替えをしてまで格安運用を目論んだこのセットでは、フィールドにおいて一抹の不安を覚えてしまうのでありますな。
激安ストーブの形状からして手持ちのヒートパイプも使えそうにありません。
むぅぅ~~・・・;;
仕方ないですな。
CB缶のノルマル・ブタン使用ガスは気温15度前後以上のフィールドへ行くとき限定で使うことといたします。
コスパは悪化するでしょうが物は試し。これも準備することといたしましたな☟
性格的に、やるときだけはヤルOSSANはこれも実験してしまいます。
グラム当たりの値段は¥0.94/g(3本セットを買いました)
前記、同条件にて
消費量 6グラム。
300ml / 5.6円 との結果を得られましたな。
釣りの日の、マンネリズム的既定路線暫定心情昼飯カップ麺摂取事情における、絶対要件であるところの沸騰直後接触即火傷的熱湯の確保に必須であるガスストーブ燃料の使用コスト比較としましては・・・
スーパー特売ガスCB缶<ハイパワー系ガスCB缶<IP-110 OD缶
であるとの結果が得られましたな。
ちょっと当たり前すぎて面白くもなんともないわけでありますが・・・・;;
やってみないと気がすまない質でありまして、これでスッキリいたしましたな。
これらを備忘録として、フィールドへ連れ出すガスを選択していくことといたします。
ご注意事項:
計量に使用したキッチンスケールは実験環境下で±2グラムの誤差が示されているものであります。
沸騰までの正確なタイムは計測せず。どのガスも3分〜4分台で沸騰。水は撹拌しつつ検温。
使用した温度計は99.5℃で激しい沸騰状態となることもあったため、その時点でストーブのバルブを閉じました。これも計器の誤差でありましょう。
作業にかかる時給計算は読んでの通り考慮しておりません。年収数千万超えな方はどんどんOD缶を買わなければなりません。
このガス詰め替えアダプターは何らかの安全基準に準拠した物でもなければ、メジャーメーカーの正規品でもありませんし、当然使用を推奨されている製品でもありません。
相手は可燃性ガスであるということを片時もお忘れなきよう。
おわかりでしょうが、事故等があってもメーカーもワタクシも責任はとれませんな。
このアダプターを利用する際はOSSAN含め、自己責任であります。
コメント
ST-760の成分はブタン70%イソブタン20%プロパン10%だそうです。
http://shikine.net/wp/gas/
通りすがり 様、初めまして。
有用な情報、ありがとうございます!
やはり沸点の低いプロパン混合ガスはお高い・・・ということですね~^^;
私もこれ買いました。
SOTOのパワーガス充填してます。
1月に標高2400m気温-10℃で使用しましたが問題なく使用できましたよ。
Hi様も購入されましたか。
パワーガスを使えばそこまでの環境でも満足できるのですね。情報感謝であります。