どうも、なし崩し的に今シーズンが始まってしまった気がしております。
ここ数年、春の一番良い季節が短くなってきたと感じるのは気のせいでありましょうか?
寒~い冬を脱し、やっと暖かくなってきたなぁ・・と油断しているといきなり25℃を超えるような夏日が続いてしまったり。
ずっと我慢してきたのだから、心地よい桜の季節も最低一ヶ月くらいは続いてくれても良いのになぁ・・・等とつい、考えてしまいます。
前回の養沢釣行で見事に打ちのめされ、何かに蝕まれるまま日々をうっちゃる私的には、次の釣行で何としても今季初のヤマメちゃんに会う必要がありました。
夜勤中も、冷たく震える手触りや、美麗としか言いようのない口元や、あの芸術的パーマークが日光を浴びて輝く光景が現れては消えを繰り返します。
仕事なんか手につかないのであります。
明けて明後日は予想最高気温20℃。近場の桜たちはもう爆発するかの如く一気に満開となっています。
急がねばなりません。
行くにきまってるじゃないですか。この季節に出かけておかないと、きっと後悔するのであります!
・・・と、そのように細君に申しましたらネ、
「そうですか。娘が塾の春期講習で一人頑張っているのに、貴方は呑気に釣りですか。お休みと言うので、お昼ご飯を食べさせてあげてほしいと思っていたのですが。」
・・・・言葉の端々に否定的ニュアンスを感じつつも、明確な答えをいたしませんでしたな。
翌朝必要以上の早起きをし、まだ真っ暗なキッチンに大量のカレーの作り置きとご飯が炊けていることを確認した私は、二人を起こさないようそっと家を出るのでありました。
春休みと言うのに、学校より高度で長時間の勉強に取り組む娘の頑張りも、フルタイム勤務に家事をこなす細君の苦労もわかっております。
しかしワタクシには私の、業務上ストレスと男子中学生の様に不安定で感じやすいウブな精神をコントロールしなければならない苦しさと言うものもあるのであります。
繰り返しますが、数少ない年間休日の範囲内でそれをこなす必要に迫られておるのであります。
そしてその特効薬は、
フライ・フィッシング
であることがわかっておるのであります!
昨年の末、小さな手術を終えている親父殿の体調も良いということで同行願い、ほんの少しの良心の呵責に対しカウンターを当てておくことにしましたな。
そのような、息詰まる家庭内の鍔迫り合いの末向かったのは、うらたんざわ渓流釣り場さんでありました。
来てしまえばもうこっちのものであります。
それ程標高も高くないこの釣り場。この日は思った通り、お気に入りのヒッコリーシャツのみで上着の必要はありませんでしたな。
うらたんの良いところは、高速インターを降りて下道をそこそこの距離走らなければならないためか、人が多すぎないところであります。
この日もルアー、フライ・ミックスエリアには10人ほどでありましたか。数えられるくらいの人出でありました。
上流部は要リリース&フライ専用エリアが設けられ、変化のある流れを楽しめることも魅力でありますな。
ゆっくり、ゆっくりと日の暖かさを楽しみながらタックルセット。
テンカラ・タックルの親父殿のフライボックスをチェックし、「昼頃に戻るから勝手に釣ってね」と車のキーを渡し、高齢者にも拘らずお約束の放置であります。
道中、日陰に残る薄汚れた大量の残雪に身構えてはいましたが、流れに足を踏み入れるとものすごく冷たい!!
長時間手を浸していられないくらいであります。
水量も多めで、初めてこの釣り場で渡渉したときの恐怖感が蘇るようでありましたな。
しかし、ワタクシはあの頃の私ではないのであります!
フライパッチに刺さったままにしておいた#16ディアヘア・カディス。フィールドに立てているという幸福感の中、な~んにも考えないで放った数投目。
どうしましょう。早くも今日の目的を達成してしまいましたな!
・・ですが上流域はこれっきりで終わってしまったのであります。
この後20数㌢の岩魚(写真を撮る前に逃げられましたが;)もキャッチ出来ましたが、いやはや。
実にOSSANらしいと言えばそうなんでありますが、おかしいなあ・・・
見える魚たちは小さく、フライを啄んでもフッキングしないのであります。
辺りを飛ぶ虫たちも、ユスリカのようなミッジサイズのものばかりでありますな。ですが今日はミッジは使わないと決めているのであります。
「ミッジにしたから釣れた」という経験が私には不足しているからでありますな。
であれば、わざわざ使いにくく見えもしないミッジフライを使用する動機は湧いてこないのであります。
これも負のスパイラルと言えそうでありますな・・・
ニンフ類、プロフェッサー等水中系フライで釣り下りましたが、二度ほどバラシがあったのみで上流域は終了でありました。
こういう時の「引き出し」が、もっと欲しいところであります。
魚はそこに居ることが見えていて、フライに興味を示し、寄って来ているのが全て見えているにもかかわらず、あと一歩食わないだけなんであります。
なかなかに悔しいのでありますな。
午後はいつも通りミックスエリアで釣ることにしておりましたが、もう少しだけ魚たちの引きを楽しみたいのあります。
仕方ないですな・・・
昨年の赤久縄さん以来封印していた、マラブー・リーチを解禁することといたしました。
何とも言えないモヤモヤ感に我慢できず、大好きなルースニングに変更であります。
うらたんのレインボー達。個体差はありますが「ハッとする」ような見事なグリーンバックを魅せるものが多いのですな。
閃く魚体は時に水面高く躍り上がり、縦横無尽に走り回り、ラインを伝わるその力は我が身に流れ込んでしぶとくへばり付いている様々を洗い流してくれます。
吹き上げてくる暖かな春の風と、無数の新芽を隠して靄のかかるように見える山々の連なりもそれを後押ししてくれます。
日の陰ってくる16時を過ぎても、ユスリカ以上の大きさの虫たちの飛翔は見られないようでありました。
まだ、あの熱狂を見るには少しだけ季節が早いのですかな?
フィールドに身を置いていても、異なる光景をとめどなく夢想している。そんな釣りは、フライフィッシングの他経験したことがありません。
さてさて。
4本しか持って来なかったビーズヘッド・リーチが底をつきましたな。ストックも足りない事がわかっておりますし、相当数を巻かねばなりません。
帰宅後しばらく細君に口をきいてもらえなかったOSSANは、今を盛りの桜を眺めつつ、次の釣行への想いを馳せ続けておるのであります。
コメント
SHIMAです。いや~小生の父親は既に他界しているので、羨ましい。色々気遣い大変ですね。小生の細君も最初は「いい趣味見つけたね。一生できるね。」と言ってましたが、子供の育児が大変な時期になってくると、「また、釣りですか。この子も一緒に連れてって。」とか、口調や態度も激変していきましたね。でも、同じように奥方もゆっくりできる時間・休養が必要なんですよね。私も当時は、暗がりで明かりを最小限にするなど、後ろめたさを持ちながらそれこそ抜き足差し足の行動で逃げるように出発してたような気がします。でも浅ましいもので釣りしてるときは、頭の中は一切真っ白になれるんですよね。だから、貴殿にとってフライフィッシングが明日への活力源になっていることを理解はしてくれているんじゃないですかね。その気持ち、ある意味小さな葛藤ですが、非常に良くわかります。役には立たないでしょうが。では
こんにちは(^-^)
何処の家でも釣りに行く前の交渉が大変なのは同じですね(^^;
私は昨日、買い物に行く様な感じで(忍野に行って来る)で無事通過出来ましたがいつも同じようには行かないです(^^;
SHIMA様、こんばんわ!
やはり、これは大昔から釣り師について回る普遍的苦悩なのですよね・・・
現在の生活ペースが構築されるまでの紆余曲折、一時釣りをしていない時期には精神的にも追い詰められたりして細君には苦労を掛けました。
フライを始めた当初は、インドアで不健康な趣味に没頭するよりは良いだろうと考えていたようですが、最近は「自分だけ遊びに行ってる」と考えるようになったようで風当たりが気になります;;
「この子も一緒に~」等と言われれば喜んで連れてゆくのですが、肝心の娘は言下に「え~(´・д・`)ヤダ」・・!!
日々出来る限り失点をしないよう気を付けていくしかないのかと、ここでもストレスを感じているこの頃であります・・・
ハルノオガワ様、こんばんわ!
同様の苦悩を抱く同志は多いものと考えてはおりましたが、改めて共感いただける方々にメッセージを頂けると(ほんの少しw)心強い気持ちとなります!
・・・イイですな・・・
①「明日ちょっと~行ってくる」(~県などとは言わない)
②一人の時に荷造り、車への積み込みは済ませておく。
③当日出先からメールで「帰りは~時頃になります」
今度はコレで行ってみましょうかな!
でも、夕ご飯抜き確定路線かな・・・;;
普遍的苦悩ですか。考えてもみませんでしたが、少し勇気を貰えたような。でも、一人で遊びに行くわけですからそうそういい顔はできないのはそうなんでしょうね。それとうちは息子でしたので、事情は少し違うでしょうか。でも、わかってくれているのだとも思います。コメントをみていると皆さんそれぞれに同じような思いをされている。少し気が楽になりました。養沢釣行のご武運を。