3人家族の我が家に5台目の自転車(バラされたロードフレームも一本ある・・)としてBD-1がやってきましたな。
数年間も露天に放置され、アチコチ錆だらけ。
初めて出会ったとき、「オレを助けてくれ!!」と訴える悲痛な叫びがハッキリと聞こえた気がしたのでありました。
いろいろとパーツ類の規格等を調べるうちに超カスタムをしたくなって来てしまったのでありますが、ここはグッと我慢でありますな。
この自転車を迎えることにした一番の理由は、娘と細君のシティサイクル及びMARIN製MTBの経年劣化が目立ってきていたからなのであります。
いわゆるママチャリと呼ばれる車種をイジる趣味はありません。
クロモリ製とは言えジオメトリが優秀なのか、非常に乗りやすい20年前のMTBも、オーバーホールをするには結構な気合が必要な状態であります。
細君のものと同時期に組んだ己のMTBはピカピカ・準臨戦態勢でスタンバっていますが、定期的に手をかけてもらえない自転車はそうなっていってしまうのでありますな。
小径車という事もあって、BD-1なら二人どちらかの代替自転車としてもってこいではないかと考えたのであります。
しかしOSSANもまだ乗ってみたことが無いので、このBD-1という自転車がどういう性格なのかわかりません。
とりあえずにでも走れる状態にして素性を確かめることを第一と考えましたな。
作業初日
色褪せ枯れている後付パーツの数々、ベタつくグリップ、重量級MKSイージーシリーズ・ペダル、クランクについている謎のステン板等を外します。
全体をフィニッシュライン・バイクウォシュやフォーミングクリーナーで無水洗車後、お約束となりつつあるWAKOS・バリアスコート。
ホイールを外し、真っ赤なチェーンをパークツールのチェーンウォッシャーで徹底洗浄しましたな。
ディグリーザを満たして2回、中性洗剤溶液で2回。その後パーツクリーナーを吹いて細かくブラッシング。
それでも完全に錆は落ちないのですが、変速の調子は良さそうなので様子見であります。
仕上げには最近、ロードに使い始めて気に入っているAZ・CKM-001というオイルを注油しておきます。
予めラスペネを注油しておいたVブレーキアームを撤去。台座部分へ移った錆も可能な限り除去、注油。
他の錆びたボルト類の全てにラスペネを吹き、取り外しに備えます。
謎のクランク周りも先ずは5ボルトを外しチェーンリングの清掃、外観からの構造を頭に入れておきます。
二日目
交換予定のフロントサスペンション・ユニットを撤去。真っ赤なフロントフォーク・リンクのボルトをバラし、サビ取り剤と真鍮ブラシで研磨。
内部の樹脂スリーブの清掃、ラスペネ吹き(後日グリス系に入れ替え予定)、動作確認。締め具合は試乗後に微調整することにしましょう。
三日目
社外サス・ユニットが取り付けられていた為欠損していたフロントフォークとフレームを接続するパーツと、新たな前後サスペンション・スプリングを手に入れるため、サイクルハウス・しぶやさんというミニベロ専門店(かな?)へ出向きましたな。
葛飾区のお花茶屋駅という、今回の目的がなければきっと足を踏み入れることはなかったであろうエリアであります。
小径車という、これまでの我が人生に縁薄い自転車たちがズラリ並ぶ店内は興味深くも、自身にとって少々居場所を見つけづらい空間でありました。
しかしそこはソレ。片道1時間もかけて来たからには、我が絶望的コミュニケーション能力を奮い立たせ目的を達成しなければなりません。
BD-1の現状を納めたコンデジのモニターを、忙しく立ち働く店員さんに無理やり見て頂き、必要そうな部品の取り寄せ&配送をお願いしましたな。
当初の目的物のすべてと、20インチ化したBD-1に使用可能なロングアーチタイプのVブレーキも思いがけず手に入れることができました(しかもセール中だったw)。
後で調べましたが、RIDEAのFLV V-Brake Forging Long armというもののようです。アマゾンより安く買えたのでラッキーでありました。
聞けばこちらのショップは持ち込み等で実際に手をかけることを前提としている営業スタンスとのことでありますな。
パーツを購入するとは言え一見客が色々と質問をしてしまい、忙しい最中に面倒な来客であったろうなぁ・・・と申し訳なかったのであります。
でもネ、こんな面白いことは自分でやりたいのです。
四日目
約一週間後に注文していたパーツが到着。F・Rサスペンションユニットのインストールです。
リアはセットアップされた状態でショップから手渡されたので、後ろ三角(BD−1はスイングアームか・・・)から突き出たボルトへ差し込むだけでした。
しかし”Fフォーク・キャッチセット”パーツのバイク本体への取り付けは、インストールマニュアル等一切ないため難儀しましたな。
ネット上で画像を方々検索しつつ、パーツの現物とフレーム本体の構造から推測して組み付けるしかありませんでした(大丈夫かオイ・・)。
油汗をかきつつも何とか形にはすることは出来ましたが、(自分の作業が)信用出来ません。試運転は自身で行おうと固く誓ったのでありました・・・。
五日目
スプロケットの分解清掃であります。しかし想像を絶する苦戦を強いられましたな。ロックリングが固着し、全く緩みません!!
ラスペネを注し一晩置いた後に全体重を動員したり、ロックリング外し工具の柄をハンマーで力まかせにぶっ叩いても、ウンともスンとも言いませんでした。
そうこうするうち、スプロケット・リムーバーと言う工具のチェーン部が壊れてしまいましたな;;
呆然としつつもお決まりのインターネッツ検索をしていると、2つの工具をテコで開くように作業すると固着したロックリングを外すことが出来た・・・と言う例を見つけました。
適当なボルトを探して工具の応急処置をし、やってみたら”ゴリリ・・!”という何とも言えないイヤ〜な手応えと共にようやく外すことができました。
観察してみるとリング・ワッシャーが完全に潰れるほどの力で締め付けられていたことがわかりましたな。
緩めば危険な箇所とは言え、そんな親の仇みたいに馬鹿力で締め付けないでも・・・。
精魂尽きてヘタリ込みつつ、寒さに震えながら暗くなったベランダで自転車のスプロケットを磨いているOSSANの後ろ姿というものは、娘の目にはどう見えていたのでありましょう。
六日目
抵抗感の大きいと感じていたローター・ラチェットのグリスアップをするべく、ホイールのハブキャップを外そうとしましたな。
これも見たことのないタイプ。どうやら2㍉の六角ボルトでキャップを止めている構造のようです。
ロックリングのこともあって嫌な予感はしましたし、慎重に力を入れたのでありますが、”パキッ”という異音と共にネジをナメました・・・万事休すであります;;
これでローターを外すことができなくなってしまいましたな。
「なんの・・思ったほど回転は悪くないではないか!うははkh;;」
素早く現実から目をそらし、問題を先送りしておく能力というものも、もしかしたら長い人生の中で必要な瞬間というものもあるかもしれません。
・・・意味のわからないアルミ・シールを剥がし、リムのヤスリがけをしてそのまま組み付けてしまうのでありました。
七日目
仕事ついでに寄った池袋のショップで取り敢えず・・・の安価なグリップ(と言っても、OSSANの昼弁当4食分に相当します・・・どうでもいいですな。)を購入してきましたな。
Noguchiという埼玉のメーカーのエルゴタイプグリップですが、失敗しました。
いえね、価格の割にモノは良いんですよ。
左右のサイズの異なる、グリップシフト用(多分)を買ってきてしまいました;;
「まぁ、取り敢えずだから良いか・・」と組み付けてしまったので、もう交換はしてくれないでしょう。
普通は買うときに気づきますな・・・。このまましばらく使います。
そしていよいよ大詰め。新調した前後ブレーキの取り付けですな。当然のように問題が発生しました。
もう良いです。
あまりスンナリ事が運ぶとかえって気持ち悪く感じるようになってきましたから。もう放っといてください。
2つ購入してきたブレーキセットのうち、台座へ差し込む穴の経(樹脂スリーブ部)の精度が一本のアームだけ悪くてまともに動かないのであります。
- ブレーキワイヤの長さが比較的短く済む、(ちゃんと測ってないし、BD1の場合それも怪しいが)フロントブレーキとして使用。
- 内部接触面にAZ-CKM002オイルを塗布。(001より少し粘度の高いものであります)
- 台座にセットした状態で、幾度となくコジる力を各方向にかけつつ乱暴に動かし、内部パーツをわざと摩耗させる。
- ブレーキ・スプリングの反力が最強になる台座の穴を選択。(多くの台座は3箇所)
- リムに寄るブレーキ・シューのワッシャーを一枚抜く(コレは良くないよな・・)。
以上のような処置を施してようやく、辛うじてセンターを出すことが出来たのでありますな・・・。
各既存ワイヤーをしばらくそのまま使うこととしてテンション調整、注油。Rディレイラーの微調整を行いました。
ペダルは以前のクロモリロードから外したものを取り敢えず装着。
このように、師走の七日間のうち、貴重な数時間づつをBD-1の整備に費やして来たのでありました。
まだ気にかかっている部分も沢山あるのですが、各ボルト類の最終締め込みと可動部チェックに小一時間もかければ試走くらいは出来るようになりましたな。
しかしそうしようと考えていた本日は、数時間後には雨の予報なのでありました・・・。
おとなしく、娘へのクリスマス・プレゼントを物色しに行くことといたします。
コメント
これはマニアックです。
FFと同じで深みにはまると抜けられないのかも。
もう少しで年末年始休暇ですから、存分にいじれますね。
私はカンツリにのめり込んでしまいました。釣れすぎることなく、難しいからです。
積雪の中もいいもんです。
FFfreak 様、こんばんわ!
試乗をしてまいりましたが、なかなかに癖のある自転車でありました。これについてはまた後日。
年末年始休暇と言っても2連休がやっとです。
大掃除を優先しないと何を言われるかわかったものではありません・・・。
雪見管釣りですか・・寒そうですが、それは趣がありそうですね〜!
お風邪など召さぬよう、ご自愛下さい。
BD-1のメンテをする上でとても参考になります。
フロントフォークのリンクボルトは、どうやって取られました?
いまは3/8インチの六角レンチで外すのかと思い、道具の手配をしています。
ふら様、はじめまして!
Fフォークのリンクボルトは、左右双方8ミリ(3/8インチ)の六角のボルト・ナット構造になっていました。
確か、ネジ止め剤も使われていたと思いますので、初めて外す時にはアーレンキーは二本必要だと思います。
なかなか使わない太さのものですので、しっかりした物を二本揃えるのは無駄になってしまいそうです。
私はたまたまソケットレンチもありましたので何とかなりましたが・・・。
自転車のメンテを自分でするのは楽しいですが、滅多に使わない工具が増えていってしまうのは考えものですネ^^;