OSSANは浮きを使った釣りが好きでありますな。
ずいぶん長いことそれからは遠ざかっておったのでありますがね。ここ数年、シーズンになりますと手長エビ釣りにお誘いいただく機会があり、楽しさを思い出しておるところであります。
OSSANの住むマンションより川沿いを初夏の風に吹かれ、自転車で数十分ほど。
小学生の子供を連れ立っての自転車散歩としても良い感じの距離感のところに比較的危険の少ないと思える川沿い釣りスポットがありますな。
そこで年に数度、季節の風物詩的に手長エビを釣ることが恒例となっております。
手長エビ、釣ったことおありですかな?
なかなかに面白い釣りでありますよ。手応えがまた小気味良いですな。
江戸前、季節の風物詩としてハゼと並び人気のあった釣りというのもなるほどとうなずけます。
子供の頃のザリガニ釣りはほぼサイトフィッシング(?)であったのに対して、こちらは浮きを使用したブラインドフィッシング(??)でありますな。
水面のゆらぎや風の影響等とアタリを間違えないように、結構な集中力でウキを見つめておるんですが、だからといってそればかりに集中しきっておるわけでもないあの時間。
そしてその浮きが思いがけず予測しないタイミングで、
ゆらりゆらり・・・クイックイッ!
とアタリを伝えてくるんですな。コレがたまらなく面白いなあと今更ながらに感じておるのでありますよ。
何やら精神のリフレッシュに役立っている実感がありますな。釣り全般に言えることでありますがね。
皆さんの釣りのルーツは何でしょうかな?
OSSANのそれは幼いころに連れて行かれた奥多摩の管理釣り場のニジマスの強力なファイトと、親父殿の生地である岩手県の里川での雑魚釣り及び農業用水溜池での鮒釣りであると思っております。
東京で生まれ育ったOSSANは、幼かった頃の長い休みのたびに連れて行ってもらう親父殿の田舎がもう好きで好きでたまりませんでした。
むせ返る夏草の匂い。都会では値千金の巨大な甲虫たち。山々にこだまする牛達の咆哮。黄金色の雲母流れる里川。ふしぎな約束事。うまく聞き取れない、それでいて優しさに満ちた言葉。現役のオート三輪の荷台の乗り心地。最寄りの雑貨屋まで歩いて片道一時間強の砂利道。ミシミシと生命力に満ちた夜の闇。天地の感覚の無くなりそうな蛍の乱舞。薪で炊く、いつも熱すぎた薄暗い五右衛門風呂。漆黒の闇から見上げる降り注ぐ銀河・・・!
OSSANにとってそこは
冒険と発見と驚きに満ち満ちたワンダーランドですよ!
そして、そんな夢の世界で仕込まれた「釣り」。(後々わかったことでありますが、この一族、ことごとく男子は無類の釣り好きでありました^^;)
その後「大丈夫か、おまえ?」というほど釣り熱が体中に沸騰し、勉強など一切手につかなくなり、本屋で子供向け釣りの本を読み漁り、「いつかは外国でバスの大物を釣ってみたい!」等と夢見、その頃は探せば未だあった”街の釣り道具屋”で赤虫を手に入れ、公園の池でクチボソ釣りなどに没頭する小学生時代を過ごしたのでありました。
例により大脱線しておりますが、この手長エビ釣り。釣味も良いですが何と言っても道具がシンプルでありますな。
- 3Mくらいの振出竿(万能ナントカってやつ千円くらい)
- 道糸 1〜2号(バス用ライン転用)
- 自動ハリス止め付きヨリモドシ(極小サイズ)
- ハリス付きエビ針
- オモリ(ガン球でも板オモリでも)
- 小さい浮き(玉でも唐辛子でも)
- エサ(赤虫最高。カニカマでも釣れるが針持ち悪し)
釣るだけならこれだけ。バックパックに余裕で収まるんですな。うまく考えればヒップバッグでもいけますな。
獲物を持って帰ってツマミにしようということであれば当然バケツやらブクブクやら保冷剤なんぞが必要になってきますな。
ん〜〜〜・・・フライフィッシングのことばかり考えておったココ最近。このシンプルさには非常に潔いものを感じてしまいます。粋ですなぁ。
しかしここに限らないんでしょうが都市部の下流河川は汚れてますなぁ(泣;)
色んな物が浮いて流れてくるんですな。最近は美しい渓流志向の強いOSSANにとってこれがたまらなく残念であります。
流れの上流から海に向かって下れば下るほど、偶発要因と同様不届きモノも増えるということでありましょうかな。
ペットボトルや漂流木材。スチロール類・・あまりあげつらうと鬱な気分に落ち込むので全ては書きませんがね。
「何でこんなものが!?」と小一時間ほど考えこんでしまうような物までなんだかやたらめったらに流れてきております。「ここで釣ったエビ、食いたくないなあ」と素直に思いましたな。
しばらく綺麗な水とブクブクで活かして泥を吐かせればおいしく頂ける事はわかっては居るんですがね・・・オトナはもうどうでも良いとしても小さな子供に食べさせるのは(うちの子は食いませんけど)考えてしまいますな。何が蓄積されておるかわからんと言う意味で。
ですのでチョイと別の場所で釣ってきたエビちゃんを数尾のみキープしてまいりましたよ。
オトナ(OSSAN)だけが食べてみることにいたしましたな。
はい。うまいです。
釣りをされる方々にそんな不届き者はいらっしゃらないことは重々承知ですからね。
ここに書き込んでも仕方ないのはわかっておるんですが、どんな小さなものであれ水辺にゴミを捨てるのだけはやめていただきたいですなあ。
海でも川でも湖でも、流れの先にはまた誰かがその楽しみを待っておるのでありますからなぁ。
日本の自然風景は本当に襞深く、美しい。自然に寄り添う人の営みがあったことでその魅力が増している部分がきっとあるのでありますよ。
記憶の中だけのことになって欲しくないんでありますなぁ・・・