更新は滞っておりますが、それほど急ぐべき用事もありませんのでこれくらいで良いのでありますな。
本格的に夏を迎えつつありますが、今後ともどうぞごゆるりとお付き合いの程、お願い申し上げます。
イヤ、しかし。
本当は7月中にもう一か所、キャンプ&自然渓流釣行を計画しており、それはもうカッコいい釣行記をUPする予定であったのでありますが、どうも雲行きが怪しくなってまいりましたな。
夏休みを家族の予定に合わせて取得しようとしますと 今はどうも
”釣りに行くんで連休(有給含む)ください!”
・・・等とはなかなか言い出せない雰囲気なのであります。
仕方ありませんな。
夏休み期間が終わるころを見計らい、虎視眈々。改めて計画を立て直すことといたします。
行ってみたいなあ・・と考えている溪は車で片道約3時間。ちょっと日帰りなどでは体力的にも手が出せそうにない場所なのであります。
でもあまりシーズン終盤になってしまうと寒くなりそうなんだよなあ;;
前回湯川釣行から赤久縄を挟んで、様々なものに追い回され、身も心も順調過ぎるほどにボロボロとなってしまったワタクシは通いなれた(もうこう言っても良いですかな?)うらたんざわ渓流釣り場さんへ行ってきましたな。
この日の都心予想最高気温は32℃(!)。
いくら透湿性素材を使用しているとは言え、ウェーダーを着用するのも季節的に限界なのであります。
現地の朝は車の気温計読みで26℃。標高は400mほどでありますので、まあ、こんなところでありましょうか。
あんまり暑ければ、ヤマメクラシックを遡らずにウェーダーも履かず、駐車場前だけでマッタリしよう・・・なんぞとも考えておりましたが、流れを目前にするとやっぱりダメですな。
せり出し続けるお腹にウンウンうなりながらも、当然のように履くのであります。
ぅはははhh・・今日も朝から絶好調!!
と言わんばかりの爆裂的パワーの日射に炙られ、前夜からの蒸し暑さに我慢できず半袖のTシャツ姿で出かけてきてしまったOSSANの柔肌はあっという間に真っ赤に日焼けしてしまいましたな。
雨でブツブツ言い、カンカン照りも辛いゾと・・・
火曜日。
ゆっくりと7時過ぎに到着したうらたんは当然ながらガラガラでありますな。テンカラ、ルアー両刀使いの方が数名。
クラシックを遡った釣客も居ないようであります。数日前にまとまった雨が降ったにしては渇水気味でありましたな。
山々の緑は今まで見て来たうらたんとして最も濃く、川縁とのコントラストが目に痛いくらいなのであります。
手前のミックスエリアには目もくれず、ヤマメ・クラシックへ浸透しましたな。
もう以前のように、デコる恐怖感は感じなくなりつつあります。
「管釣りなんだから当然であろう・・・」と言うところでありますが、当初は本当に必死に釣っていたんですなぁ・・・
ウェーディングするにもおっかなびっくりであったワタクシも、ようやく心に余裕が生まれてきているようであります。
この日は時折、驚くような強風が吹きつけて来るのでありますが、日射があまりに激しいのでそれもまた気持ちの良いことでありました。
夏色山女魚たちも次々反応してくれます。
だ~~れも居ない山の中で、冷たい流れに浸かりその音を聞き、風に吹かれて魚に遊んでもらい、日差しに目を細めつつとめどなく汗を流して。
爽快であります。
OSSANはニヤニヤしています。
ケタケタと笑い声の一つでもたてれば、もう色々とアウトであります。
ここまで連れてきてしまった内心のモヤモヤや、形容しがたく実は泣きたくなるほどの胸の痞えが、夏空へ向かって霧散、揮発していくのをありありと感じているのであります。
不摂生からの自業自得である身体の重みや各関節の痛みすら、溪を遡るたびに軽くなり消えていくのをまざまざと感じることができているのであります。
全身に新鮮な血が音たてて巡り、どこかで見た覚えのある、ひび割れた大地に雨が染む光景を自身の内に感じるのであります。
腹や足腰に力が戻ってくるのを感じています。
これは強烈な快感であります。
自然と鼻歌が出てきますな。昨晩DVDで見たばっかりの『モアナと伝説の海』のなんちゃら・・・であります。
旋律が難しいから、小さな子供たちにはアナ雪みたいな大ヒットにはならないんだろうなぁ・・・良い曲だから惜しいなぁ。サントラ久しぶりに買っちゃおうかなぁ・・・頭の中を同じメロディーが繰り返し繰り返し・・・
全く釣りに集中しておりませんなww
パラダイス・ポイントとの往復で誰一人行き会わず、満足な釣果(10尾ほどでしたか・・・)を得られましたな。
いつものごとく受付まで戻り、強烈な日差しから逃れつつ昼食休憩といたしました。車も人も全く増えておりません。
さすがにこの気温でカップ麺と言うわけにもいかないだろう・・・とコンビニおにぎりとカップみそ汁。
カップ麺より味噌汁の方が塩分摂取量、及びその妥当性に罪悪感を抱かないで済むことは発見でありましたな(きっとそんなことは無いのだろうけれど・・・)。
前回の教訓を活かし、夕方の入れパクタイムまで体力を温存すべくゆっくりと休憩&読書であります。
『地球はグラスのふちを回る』
およそ二十数年。繰り返しめくったページは手垢で黒ずみ、湿気を含んで既にボロボロであります。
もう文字を追って読んでいるのではありません。ページを眺めているだけなのでありますな。
川音と、全身を拭ってくれる心地よい風の音以外には何も聞こえない時間が過ぎていきます。
TVからの雑音も、エンジンの唸りも、人々の嬌声も、関節のきしむ音も、全て聞こえませんな。
涼しい日陰から臨む、熱く照らされて眩しい風景は輝きつつも生命感に乏しいとも感じられます。
釣り人の少なさから安心したのでありましょう。その大きさに似合わない、可愛い鳴き声と共に姿を現した鳶が二羽。
魚を狙い定めて上昇と急降下を繰り返しますが、うまく捕まえられないようであります。15分ほどして揃って飛んで行ってしまいましたな。
その眼差しの凛としつつも残念そうだったこと。
再び輝く廃墟を眺めているような、無音の景色に逆戻りであります。その時のOSSANの視界には竿を振っている人影は入ってこないのでありました。
15時半を廻るころ、「今日はこのくらいにしといてやろう」と言いながら日の力が弱まってきましたな。
眩しい景色を眺め続けて頭の中までお日様に満たされ、阿呆な釣り人はようやく#4ロッドをセッティングすることといたしました。
午前はずっとカディス、各種パラシュート、アント系のドライフライで通してきましたが、試してみたいことがあったのであります。
これですな。
手長エビを釣る仕掛けを作るために購入しておったシモリウキであります。
実はインジケーターも自作してみようと、小さなスチロールの玉や塗料等も相当以前に用意しているのでありますが面倒でまだ手付かず・・・
と言うところで思い出されたのがコレで有ります。
サイズ感、良好な視認性、蛍光色のバリエーション、空気抵抗の少なそうな形状、そしてコスパ。
実用に耐えれば、今まで使用してきた使い捨てシールタイプのインジケーターよりずっと具合がいいのではないかなあ・・・と。
で。
結果、これは想像以上にハマりましたな。フライの投射性能ではシモリウキの圧勝であります。
唯一心配であったのはラインへの固定強度でありました。
しかしインジケーターの縦方向に開いている穴へ同方向へ2度ラインを通し、ウキ下の長さを見計らいつつキュッと締め付けてやればライン(ティペット、リーダー先端部ともに)がスチロールへ食い込んでしっかり固定されるのですな。
キャスティングを繰り返しても、そうそうズレてしまうこともありませんでした。
浮力に関してもシールタイプと同様の傾向。ビーズヘッドを用いた重めのフライでは沈んでしまいますが、沈み切る前には勝負がついておりますな。
ウキ下の長さを調整したい時には食い込んだラインを緩めてやらなければならない手間もありますが、シールタイプでかかる手間とそう変わるものでもありませんでした。
ちゃんと魚たちもバイトしてきます(?)。これは気に入りました。
浮き釣りたるルースニングも大好きなOSSANとしましては、今後はこれで行くことといたしましたな。(スチロール玉どうしよう・・・;)
ソフトハックル・ウェット各種、ニンフたち、プロフェッサー、メルティ・ヤーンマラブー・・・
長い休憩から後、お試しルースニングの釣りを1時間だけ行いました。少々見た目は良くないものの、我が渾身のフライたちは皆よく働いてくれましたな。
OSSANは満足であります。
うらたんのタイムアップは18時。
今の季節、まだまだ明るくフックアイだって見えるのでありますが、再び休憩所に戻ることといたしましたな。
いつもは水面ばかり凝視して日が暮れる釣行の、この夕刻を眺めて過ごしたいと思ったのであります。
今回はここでボーっと過ごすのが気に入ったのでありますな。
たまにはこんな釣りも良いのでありましょう。
明日から再び、様々な好まざるもの達が身の内に流れ込んでくるのでありましょうな。そしてあっという間に飽和してしまうのでしょう。
わかり切ったことであります。
そうしたらまた、すぐに出かけたいものでありますな。