いやはや参りました。
背中にできてしまった粉瘤腫の摘出手術は、大きくとも2~3㌢の傷口と小一時間で終了するものと予想していたのであります。
しかしイザ始まって開けてみると腫瘍が大きく(6センチほど!)、体の奥深くへ達していたことにより2時間を超える大手術となってしまいましたな。
筋膜組織へ癒着した腫瘍を、徐々に電気メスで剥離していく過程の痛みと言ったらそれはもモウ・・・!!
局所麻酔では対応しきれずに、結局点滴での麻酔も投与しつつ、何時終わるとも知れない激痛と2時間の間戦わねばならなくなったのであります。
その苦痛に呻き声を発せずにはいられず、息も切れ切れ。意識は朦朧となり、
「先生、見なかったことにしてそのまま傷を塞いでくれませんか?」
「ゼェハァ・・登山で例えると、今何合目あたりでしょうか!?」
「チョットもう耐えられそうにないので続きはまた来年ということでお願いしたいのですが;;」
「すいません、今すぐワタクシの代わりに一ヶ月ほど有休申請してきていただきたいのですが・・!!」
「いかにこれまでの行いが悪かったとしても、コレはあんまりだ・・!!」
「嗚呼、もうきっと俺はこの手術室から出ることは叶わないのだ・・・こんな事ならあんなことやこんなことをもっとしておくんだった!」
「あ、ダメ!筋肉そんなに引っ張っちゃ駄目。棘下筋まで伸びちゃうよ!」
「うう;うあぅぁld!誰かタスケテ〜〜!!」
・・・概ね以上のような、アラフィフのOSSANが口にして良いとは思えない絶叫に頭の中をすっかり支配されてしまった2時間でありました。
若き外科医師が「がんばりましょうwww!」と言っていたのはこの事だったんですな・・。
痛いなら痛いと前もって言ってくれないと困るじゃないですか。
素敵な看護婦さんに当たったのは良かったのですが、それどころの騒ぎでは無かったのであります。
術後はまともに喋れないほど消耗し、徒歩帰宅ができるようになるまで数十分を要したのでありました。
・・・しかしワタクシも曲りなりにブログを書いている身であります。
摘出された憎き巨大な腫瘍(現在病理検査へ旅立っております)及び、痛々しく長大なる背中の縫合痕の写真を撮ってまいりました!!
・・・・・・・
やっぱりヤメておきましょう。そのようなスプラッターな写真を期待される方も皆無でありましょうからネ・・・;;
サテ、何の話でありましたかな。
そうだ、手術前から予定していた”うらたん釣行”へ行ったことを書こうと思っていたのでありました。
〜以下本文〜
(・・・オイ)
三連休初日となるこの日は、下りの高速渋滞を嫌って朝4時出発なのでありました。
背中をパックリと開けたのでまだ車を運転することは出来ません。順番的には私の番でありましたが友人にお任せでありましたな。
単独であれば中止も考えましたが、珍しく勤め先が勝手に二連休を組んでくれました(そのかわり来週は・・・)ので、出かけないわけにはいかないのであります。
まあ、無理をしなければ大丈夫でありましょう・・・。
小雨のぱらつく早朝から多くの釣り人が準備を始めています。ルアー・フライの区画エリアを少し弄った後、ヤマメクラシックに入りますが先行した人はいませんでした。
人気ないのかな?確かに大釣りは出来ないけど色々な流れがあって面白いんですけどね〜・・。
昨日の降雨によってでありましょう、水量が多く平時と比較すれば30〜50センチは水位が上がっており、どうしても川を横切らなければならない場所ではかなり気を使いましたな。
上半身に力が入らないように気をつけなければなりません。こんな場所で縫ってある傷口がパックリいってしまったら洒落になりませんからネ・・・。
河岸はどこもたっぷりと水分を含み、木々は洗われて新鮮な印象を放ちつつ、ゆく夏を見送っている雰囲気であります。
これより季節が進めば、紅葉のなかで釣りをすることもできるでありましょう。
管理釣り場の一番贅沢な楽しみ方ではないかと勝手に思っているのでありますが。
春からこれまで、ロードバイク走行距離は延べ1500㌔を超え、足腰には力がみなぎっております。
腰に達する程の水深と流れを渡らねばならないとき、大きな落差を超えなければならないとき、職場のストレスが大きいとき、夕食時のビールが悶絶的にうまいとき・・・自転車趣味を復活させて良かったなぁ!と感じます。
釣行やキャンプに行かないとリセット出来なかった何事かが、家の近所で多少でも消化できるようになったことは非常に大きな変化であります。
そのかわり、今まで上手く抑制してきたと自負する物欲は事あるごとに暴走し、体力の充実とは反比例して我が財布は不健康的なダイエットを強いられておるわけでありますが・・・!
それにしても、やはり河川の持つヒーリング能力は素晴らしいと感じますな。
OSSANは水辺の景色のなかで、”無数の岩と小石が生み出す川音に満たされた渓流”というものが一番好きであります。
次点で夕方の山上自然湖でありますな。
海やダム湖や名瀑も、ベランダから眺める夕立や、すっかり足の遠のいたBARなんぞも「水」に関連する景色として好きではありますが、比較的早く飽きてしまうのであります。
当然眺めるだけでなく、そこへ”フライフィッシングというこの上ない遊び”が介在しているからこそ・・・ということはわかっておりますがネ。
車から降りた瞬間に身体中が川の匂いと音に包まれるとき、本当に清々した気分になるのですがコレを他のシチュエーションが代替してくれたことは未だ無いのであります。
つい、「ああ〜気持ちいい・・・」と声にせずにはいられないのであります。
またもブツブツととりとめのない事を書き募っておりますが、肝心の釣果の方は・・・
上りはカディス、パラシュート各種のドライのみで通しました。次々と反応がありますが、それにしてはフライを叩いたり、見切る個体の多いこと・・・。
食いも浅いようでバレてしまう事数知れず。コンディションは悪くなさそうですが、さては上手な人に虐められた後でありましょうかな・・・?
なんとか数尾の虹に遊んでもらい、あっという間にフィッシングビデオという個人的に朝食ポイントと決めている場所まできてしまいました。
ここはとても雰囲気の良いお気に入りの場所ですが普段は水深もあまりなく、ヒットが無かった場所であります。
通常の水位であればいくつもの岩が露出していて少々攻めにくい瀬頭で、良い山女魚を手にすることが出来ました!
使用するのに、もういろんなエネルギーを垂れ流さなくてはならない#18のパラシュート・フライをひったくるように捕食したのは、きっと今後も印象に残るであろう立派な山女魚ちゃんでありました!
今更ながらに思い返してみると、過去なかなか山女魚という魚を手にすることが叶わなかったのでありますな。
今でこそ一日に数尾はお目にかかる事ができるようになってきましたが、やっぱり難しい魚だという印象が変わりません。
環境や道具、天候や水質やタイミング。いろんな要素が満たされた上で、更に何かしらのプラスアルファが働いてくれないと手にできない魚である印象を強く持っているのであります。
狙って釣れる上手な方々はそうでもないのかも知れませんが、魚種混生エリアで山女魚に出会えることは、OSSANにとって未だにそのような思いなのでありますな。
ここからすぐ上流の”パラダイス”も良い思いをしたことのない大場所であります。
今日は何かが起こるかも・・・とも思ったのでありますが、この日は如何せん水が多すぎて渡渉に危険を感じたので諦めましたな。
パターン化しつつありますが、下りはウェット及びニンフフライで釣り下っていきます。
きっとここを釣るアングラーはウェットフライなんか使わないんじゃないかなぁ・・・と勝手に想像しつつ、
「ホラ。見たことのない(食べられそうなナニカ)ですよ〜。美味しそうでしょ?早く食べないと流れていっちゃうよ〜・・・」
とブツブツ言いながら数尾の追加。
区画エリアに戻ってみると更に人は増えておりましたが、クラシックエリアで行き交ったアングラーは結局友人のみでありました。
背中の傷がピリピリしてきましたが丁度お昼時であります。
これまた代わり映えのしない昼食に満足した後は、区画エリアで更にゆっくりペースでリハビリフィッシングに務めるのであります。
二年前の大水により、砂で埋まってノッペリとしてしまった区画エリアはこの日、増水によって複雑な水流が生まれておりソコソコ楽しむことが出来ましたな。
周囲を見回してみると以前に比べてテンカラ・タックルの利用客がふえているようであります。
偶々なのでありましょうが、毛鉤であるという妙な連帯感があるから不思議です。
そう言えば、実験導入品が2つあるのでありましたな。
- マグネティック・ティペットスレッダー
- フライラインのバリアスコーティング結果
結果から言うと両方共に微妙な結果でありました。
ティペットスレッダーは、条件さえ整えてやればきちんと用をなしてくれましたな。
- アイがセメントで塞がっていないか。
手持ちの自作フライの#16、#18のサイズのフライはほぼすべてが埋まっていると思って間違いがないです。
ですのでクリッパー付属のニードルでアイを貫通させた後、スレッダーにセット。ラインを通していくことになります。
- マテリアルはアイに干渉していないか。
ヘッドを作るとき、スレッドをグルグル巻きにしているフライがほとんどであります(どうも不安で・・;;)。
これ以外にもカディス系のオーバーヘアやパラシュート系のハックルファイバーを、指でラインに干渉しないように撫で付けてからスレッダーにセットすることになります。
・・・正直、めんどくさいです。
魚の反応が落ちてきたり、ポイントの雰囲気や裏付けのない勘によってOSSANは頻繁にフライをチェンジしていきますな。
そのたびにこれらの事を行わなくてはならないのではちょっとたまらないなあ・・・と感じ、後半ではほとんど使用しておりませんでした。
焦点のフォーカシングスピードに関しての予想メリットを検証するまでの域にも達しなかったのであります。
目指すメリットを完全に検証していくためには、フライを巻く段階からこのツール使用を想定したタイイングが必要そうであります。
新たな課題が発生してしまった・・・ということでありますな。
フライラインのバリアスコーティングについては、ラインが水をビンビンに弾いて(車のボディが水玉を弾いているイメージ?)防護コートの役目をこなしていることは確認できたといって良いかと思いますな。
しかし、ミューシリンがバッチリ効いているときの状態と比べると、どうも引っかかりを感じ、ラインをフリーキャストしたときの伸びが足りない印象なのであります。
言い換えれば「滑りがイマイチ良くない」感覚ですな。
以前に試したシリコンスプレーよりはラインへの定着性は強いようで、釣りの後半戦でも印象の変化は少なかったのであります。
ですので「コレは使えない!」というほどではありませんが・・・。
本当に微妙ですので、次回釣行も#3ラインへ重ね塗りしてそのまま使用して見る予定であります。
でもこのバリアスコートは高価なスプレーであることもあり、わざわざミューシリンを置き換えるほどの意味があるのか等、そちら方面でも要検証・・・ということでありますな。
さてさて。
そんなことをしているうちに、ドライフライへの反応が良くなって楽しかったイブニングもあっという間に終わってしまいましたな。
まさに「秋の日はつるべ落とし」であります。
思えば朝イチからミッチリと釣り続けてしまいました。
どこがリハビリ・フィッシングだよ!
心の中で自身にツッコミを入れつつ、全身を覆った疲労感と各所の疼痛は手術の影響だけではないなぁ・・・とも。
しかし今年中にやりたかった事をまだまだ残しているのでありますな!
来週には抜糸とやらが待っておりますが・・・;;
コメント
OSSANN 様
SHIMAです。ご無沙汰であります。手術無事終わり良かったです。先週水、木と上野村の解禁終了日までの2日間釣行してきました。水曜日は中ノ沢で活性もよく、大型ヤマメも出てくれましたが、翌日の本谷は貴殿と同行した3番に入りましたが、気温低下と雨で沈黙状態でした。それでも帳尻合わせ程度に出てくれて、今シーズンの上野村は終了しました。最後の3連休は、中日の日曜日にうらたんへ行ってきました。貴殿の行った翌日であります。私のカムパネラ(宇田ロッド)は現在入院中であり、来月、荒雄川セカンドシーズンに持っていく#4ロッドの感触を確かめるべく、うらたんへ行くこととしました。中央道は相当な渋滞であったため、圏央道経由にしましたが、結局ここも大渋滞で下道になりましたが、4時間以上かかりました。下道は、陣馬街道を初めて通りましたが、いやはや宮ケ瀬ルートのヤビツ峠程の道幅に半端ない急こう配で、前方で車が停止してしまうと、長蛇の列になってしまうような道でした。とても夜など走行はできません。ということで途中諦めかけたのですが、この道の終点が道志みちの「日蓮入り口」になっており、何とか昼過ぎに到着できた次第です。貴殿が前日に行っていたとは、打ち合わせ無しに何時か何処かでばったりお会いする日も近いかもしれませんね。呉々もご自愛ください。では
SHIMA 様、こんにちわ!
良いですね〜上野村・・・実はギリギリで今年中に行こうと画策していたのですが、手術のせいで見送らざるを得ませんでした。
そしてうらたんのニアミスとはw
今回は珍しく、区画エリアに大物が放たれていないようでした。
毎年なのですが、どうも不完全燃焼気味であります。
本日抜糸が済んだ後、次回に向けロードバイクで調子を整えておこうと思います。