何度か言及しておりますが、自転車趣味に復帰したのはストレスの解消、足腰の衰えの回復、ダイエットなどが目的であります。
今までのところ、それらの目論見はまあまあうまくいっているようであります。
約一年半の間、近所のサイクリングロードをゼーゼー言いつつも、徐々にライド距離を伸ばしてまいりましたな。
なのでココらで一丁、ロングライド・イベントへ参加することにしたのであります。
去る5月26日。
アルプス安曇野センチュリーライド2019(緑のAACR)を走ってまいりましたな。
しかしセンチュリーライドとは言っても、160キロ等と言う未経験の距離を完走できる自信はありませんでしたし、
信州・長野といえば山ですよ?
100キロ程度を平地オンリーで走ってヘロヘロになっているOSSANが、信州北アルプスの山間を160㌔に渡り颯爽と駆け抜ける絵面というのは・・・どう考えても無理がありますなw
サックリと120キロコースにエントリーしたのであります(これを人呼んで日和ると言うのです・・・)。
長野県の国営アルプス安曇野公園をスタートし、それはそれは美しい木崎湖、中綱湖、青木湖(仁科三湖)の脇を走り抜け、白馬村まで行って帰ってくるというルートでありますな。
大会受付が前日に必要であり、ご近所さんでない限り何処かへ宿泊する必要があることは、参加するのに少々ハードルができてしまっているなぁ・・・と感じました。
しかしそこは転んでもタダでは起きないと心に誓うワタクシであります。
車には抜かり無く、フライフィッシング・タックル一式も積み込んでしまうのであります!
前日の宿はスタート地点から車で十分ほどの、オーナーがフライフィッシャーでもあるという、”ログペンション・さかい”さんへ宿泊いたしました。
せっかく安曇野まで来るのだから、近辺の渓流情報などを教えてもらいたい・・・というスケベ根性からであります。
オーナーとのお話は、様々なヒントをいただきましたが、同時に少々の憂いを含むものでもありましたな。
具体的なことはここで触れませんが、もっとゆっくりお話を聞きたかったのであります。
こじんまりとしたペンションであります。インテリアのそこここに、フライフィッシングに対する想いが溢れておりました。
おいしい食事や心づくしになんの不満もありませんが、旅慣れない方が多くを求めて満足できる宿ではないとおもいますな。
そして釣り客(特にフライフィッシングを愛好する方)にとっては寝不足必至ですので、利用されるならばお覚悟を・・・。
仕事でないときのOSSANは寝起きが良いです。4時前に目覚めてしまいましたな。
ゆっくりと準備を終えて、スタート地の公園へ向かいます。
・・・て、スゴイ人数!!
数千人がこの一日で出走するというのですから無理もありません。
しかもここは二つあるスタート地点の一つなんですから、このライド・イベントの人気度がわかるというものであります。
基本的に常時一人でライドをこなし、今回も単独で参加しているワタクシには少々気後れする光景なのであります。
しかも揃いのジャージでキメているグループや、アニメのキャラクター(?)がプリントされたジャージを着こんでいる若者の集団などが目につき、どうやらソロで出走するOSSANのような参加者は少数派のようなのです。
と言うより、
見当たりませんがw
「120キロの距離を、走力の異なる複数人で走るというのはどういうモンなんだろう?確かに数人で走れば空気抵抗を軽減できたり、普通より頑張れるということがあるのは知っているけど、長距離となると一人のほうが気楽だよな・・・」
などと孤独な思考を巡らせるうちに、5:20スタートとなりました。
17:00までにここへ帰ってくればいいので、相当ゆっくり走っても足切り時間の心配はありません。
単純に計算して、だいたい時速11キロで走り続ければ(そんな人いないだろうけど)完走できるのであります。
スタートまで車列に並ぶうちは肌寒くもあり、ウィンドブレーカーを着ておりましたが、走り始めてすぐに後悔しましたな。
受付の土曜日もそうでしたが、日が昇り始めると急激に気温が上昇し始め、あっという間に汗びっしょりになってしまいました。
それにしても、噂に違わぬ気分の良さでありますな。
普段走っているサイクリングロードも見晴らしは良いのですが、ソレはまぁ単調なのであります。
しかし今時期の安曇野は、田植えを終えたばかりの水田が朝日に輝き、身体に感じる風はどこか森の気配を含んでいます。
視線を上げれば北アルプスの山並みも近く見え、夜が明けたばかりの濃厚な空気の中を車列が静かに進んでいきます。
つい、「ああ~気持ちいい!」と声に出してしまいますな。もちろん前後の間隔が空いたタイミングを見計らってでありますが・・・。
20キロほど走り、「さあ、これから少しペースアップするかな!」というタイミングであずみの公園大町エイドに到着してしまいました。
普段は足が回り始めるのは15キロ程走った後だったりするので、パスしても良かったのであります。
しかし今回はワークアウトでもありませんし、一つ決めていたテーマもあるのであります。
それは、
出されたものはぜんぶ食う
であります。
自転車イベントの目的としてチョットどうかとも思いますが、いつもカツカツなエネルギー配分で走っておりますので、イベントの本番くらいはダイエットのことは考えない事にいたしましたw
そう言えば、出発が早すぎて朝食も食べていないのでありましたな。
普段は朝食を摂らない生活をしておりますが、ライドの日は何か食べておかないとすぐに空腹で死にそうになります。
100㌔の距離を走るのに私の場合4Kキロcalほどが必要なので、このままだとコース折返しの頃にはハンガーノックであります。
主に腹回りに蓄積されたエネルギー(脂肪分)は、そんなに都合よく燃えてはくれないのでありますな・・・。
そんなことを考えつつ、これ幸いなタイミングとばかりに
「伝説のねぎ味噌おにぎり」
を3個ほど平らげてしまいました。
どの辺が伝説であるのかOSSANには判然としませんが、ほぼ炊き立てと思われる少し柔らかめに握られた銀シャリと相まって確かにうまい・・・!
様々用意された漬物やサラダなどを、路端にしゃがみ込み黙々と摂取し続ける無言のOSSANの姿というものも、どうもあまり美しい姿には見えないよなぁ・・・。
だからといって、
「ほら、兄ちゃんコレすっごい美味いよ。遠慮せず3つくらい持っていきなよ!コッチの胡瓜も食ってみな。一寸都会では味わえないと思うよ!まぁ、買うとしたら¥500は下らないね!え?タッパー持ってきてないのかぃ、そりゃあ迂闊にすぎるってもんだよネェちゃん!」
等と不要なおせっかいとフレンドリーさを他人様に押し付けてみても、「変なオジサン」以外の何者にもなり得ませんしね・・・。
不都合な客観視から目を背け、寅さんのバナナ叩き売り口上が頭の中でリング・ワンデリングを始めた頃、すっかり満足した腹を抱えて再スタートいたします。
初めてのライド・イベント参加ということは、初めての集団(的)走行になるということでありますな。
うろ覚えかつ曖昧な覚え方をしてしまっているハンドサインを、乗り込んでいそうなライダーさんを観察して復習。時に先頭になってしまったときには積極的に使用していきます。
これだけの人数が一挙に走るとなると人間観察にも厚みが増します。
ここ最近(?)のロードバイクブームもあってなのか、自転車そのものや服装等からはキャリアの長短を見極められないですな。
これは自身を含めてでありますが、あまり乗り慣れていない方の直後に着いてしまうと、急ブレーキなど危険なこともあったりするので気を付けなければなりません。
OSSANは前を走る人のライディングフォームや脹脛の様子、上体の使い方やお尻の引き締まり具合などを見て、空ける距離の調整をするようにしています。
どこがどう・・・と説明を始めるとまた長くなりますし、もう次の大町・木崎湖エイドに着いてしまいました。
おにぎりエイドからまだ十数キロしか走っていませんので、満腹感はそのままであります。
しかし出されたからには食べねばなりません。
やっぱりうまいw
エネルギーは少ないでしょうが、急上昇する気温もあって冷たいそうめんに体が喜んでいるのがわかります。
併せてイザという時のためにポケットに忍ばせてある”スポーツ羊羹”に対し、少々の背徳感を覚えつつ水ようかんもパクパク・・・。
満腹感が追い打ちをかけるように増してきましたが、ここから次の白馬エイドまでは30キロ弱はありそうなので、まぁ消化できるでしょう。
普段はスタートから帰ってくるまで、ほとんど固形物を口にせず走っておりますので補給食摂取ののペース配分がわかりません。
でもエイドがあって、都度食べ物がふるまわれるのですから食べておけば間違いないのでしょう(やっぱり雑だなオイ・・・)。
で、
さっきの話の続きですが、集団走行でのデメリットのハナシをもう一つ。
このライドでは普段走ったことのない、ワタクシにとっては結構な勾配をクリアしていかなければならないであろう・・・という予想をしていたのであります。
峠道などに挑んで日々研鑽を続けておられる方々に比べ、とにかく平地しか走っておりません。
そのような懸案をクリアするにあたり、作戦を立てていたのでありますな。
- 登りに差し掛かったらなるべくダンシングせず、体力を温存する。
- 面倒がらずにフロント・インナーをちゃんと使う。
- 下りでは出来る限りブレーキをかけず惰性で距離を稼ぐ。
- 坂の途中で力尽きたら写真を撮るふりをして休憩する。
というようなものでありました。
今思うとこれらはしっかりと効果を発揮し、何とかゴールへはたどり着けたのであります。
しかし作戦③がうまく機能しなかったのでありますな。
皆さんブレーキのあて効きを多用されるのか、足を止めていても前走者との距離が詰まってしまい、こちらも減速するしかないという場面が多々ありました。
苦しい思いをして位置エネルギーをせっかく稼いだというのに、それを開放する段で皆さんと自身との安全マージンに差があったということでありましょうかな?
過剰なくらいの安全運転だと思っていたのでありますが・・・今後の課題といたします。
要所要所、景色の良い場所で撮影停車を繰り返すうち、折り返しの白馬エイドへ到着であります。
周囲をスキー場に囲まれたこのエイドでは、赤米のおにぎりと豚汁、おいしい系ミネラルウォーターが出てきました。
約600mlのボトルが丁度カラになりかけておりましたので、絶妙なタイミングでハイポトニック・ウォーターを作ることができましたな。
またもや脱線いたしますが、ライド時の水分補給。これ、単なる水とかお茶類ではダメですな。
初期はやってみたんですよ。安上りだろうと、ボトルに麦茶とかを移し替えて。
のどの渇きが全く収まりません。
少し走るとすぐに次が飲みたくなって、結局お腹がガボガボになるだけで身体全体の渇きも満たしてくれません。
そのうち真夏となって、連日35度の気温が普通になったころ身の危険を感じるようになり、この粉末ドリンクに落ち着いた経緯があるのですな。
吸収効率を謳うハイポトニック飲料や、ナンタラという成分が入っている機能性ドリンクでないと、スポーツレベルの走行では失われる水分に対し吸収は追い付かないということであります(当たり前なのか・・)。
かといって自販機で売っている、ポカリとかアクエリとかも甘くてお腹にたまるようでダメでしたな。近頃は緊急の場合しか手を出さなくなりました。
休憩時に冷たい炭酸飲料を少し飲む・・・とかはリフレッシュ感があって、それは良いのですがネ。
こないだ安売りしていた時にまとめ買いしましたな。期限が切れても気にせず飲むつもりでおりますww
出汁が効いていなくて、ちょっと残念な味わいであった豚汁で塩分摂取。
さすがにおにぎりまで吸収するおなかの余裕はなく、ジャージのポケットにしまい込みます。
ここまでで約55キロ。普段の2時間半ほどのルーチン・ワーク一本分の距離でありますな。
まだ余裕綽々であったのであります。
しかし!
良い具合にアラフィフOSSANの体力が目減りしてきたあたりで、このコースの最高標高へのヒルクライムが待っていたのでありますな。しかも2連続であります・・・;;
ライドデータを見直してみましたが、斜度3~8%の登りが3~4キロは続いたようであります。
本格的なヒルクライムに比べればその距離も短く、大したことのないものであったのかもしれません。
ですが今のOSSANの胃袋にはコレでもかと補給食が詰め込まれている状態なのであります。
どう考えても体が重いです。そしてそのようなトレーニングはしてきていないのであります。
ここでどのくらい力を使って良いのか、走っている最中に判断がつかないというのも精神的に結構キツイものがありますな。
そしてきついならキツイと先に言っておいてもらわなければ、心の準備ができないじゃないですか。
走り終えたこれまでの距離しか判断材料がないのであります。もう少し真面目にコースプロフィールを頭に入れておくべきでありました・・・。
さすがにきつい登りをクリアした後、前記の作戦④を発動してしまいましたな;;
すでに気温は30度超。
風には湿度が少ないので何とか耐えられますが、速乾性ヘッドビーニーを突破した大量の汗が顔へフリーフォール状態です。
ライドを通し、幾度絞ったか覚えていないくらいであります。
心拍は180を超え、息はゼエゼエ。全身ヘロヘロのビショビショのグズグズであります。
「信州の爽快なロングライド」と言われて受けるであろう、澄み切ったイメージとはだいぶ異なってまいりましたw
厳しい坂を登りきり、大町中山高原エイドへ到着した時にはほぼ、バテバテとなっておりましたな。
そしてそれを見透かしたかのような、こだわり豆腐の冷奴&行者ニンニクトッピングの攻撃!
息も絶え絶えなことを周囲に悟られないために、また個人的テーマ完遂のためにも、正直イヤイヤながら口に運びます。
ぅ・・・うめえええぇぇ!!
いやもう、腹がいっぱいとか言っていられないウマさであります!
なんだったらココでビールの二~三本も出してくれて、実はテントの裏にぬるめの温泉なんかがあったりして、気持ちよくサッパリしたところで日陰付きハンモックなんかも用意してくれて、気温が下がり始めた頃に起こしてくれて、足裏マッサージオプションなんかも頼むことができて、あとのルートは全部下り&追い風5メートルくらいにしてくれ・・・
・・はしないと思いましたので、しばらく休憩したのち走り始めます。
ちょっとゆっくりしすぎたのでダウンヒルを利用して踏み込み、時間を稼ぎましたな。
走り飽きている川沿いや交通量の少ない街中、住宅地などを30キロほど通り過ぎます。
途中で160キロコースに参加中であるという栃木の方とタンデムとなり、向かい風もきつかったことから少しだけご一緒しましたな。
聞けばグランフォンド・軽井沢(でしたっけ?)等も参加している健脚の御仁とのこと。
相当走りこんでおられる様子でありましたが、今調べてみればその大会は走行距離115キロ、獲得標高2400メートル・・・
OSSANより年上とお見受けいたしましたが、どう考えても変態(失礼!)です。
いやはや・・・;;
ようやく残すところ10キロほどへ迫り、最終の安曇野エイドへヘタリ込みました。
昼を過ぎ、どう考えても気温は35度手前。街中のライドとなって日差しを遮ってくれる木立もなくなりひたすら暑いです。
日焼け対策と思い、安物長袖タイプのアンダーウェアを着込んでおりましたが正解でありましたな。
腕がむき出しの状態であれば、もっと体力を消耗しフラフラになっていたと思われます。
シャーベット状になったリンゴジュースの美味さが体に染み渡りましたな。
お替りを申し込みましたが、おひとり様一つですと・・・;;
ここからゴールの国営公園までは10キロ程でありました。
余裕ですな。
そう、
登り坂でなければ。
最後の最後に、3%前後の登りが10キロず~~~と続くのです。その後の公園への入り口は6%以上です。
足が終わりかけの状態で、これは試練です。
ゴール会場からの「おかえりなさ~い!」というマイク音声が聞こえてこなかったら、危うく最後の坂を素通りしてペンションに帰ろうかと思いましたな。
最後の力を振り絞ってペダルに体重を乗せ、
ぁうぁぁ~・・ぉおぅ~・・・;;
という言葉にならない呻き声をあげながらゴールゲートをくぐったのち、またしてもしばらくその辺にヘタリ込むOSSANなのでありました。
このようにOSSANの初・ロングライドイベントは終了いたしました。総じてこのイベントは距離、難易度共に丁度よい印象でありましたな。
これ以上勾配がキツくても押し歩きしてしまいそうですし、距離が長くても飽きてしまいそうです。
自転車を漕いでいる時は、当然走行しているので写真が撮れません。
路端に「あ、チョット良いかも・・・」という風景や単発の被写体等を見つけても、そうそう停車してばかりもいられないのであります。
まして峠のように苦しんでいる最中はそのように考える余裕すらありません。
ゴール時刻は予想どおりとなりましたが、せっかく素晴らしい環境を走っているのだから、もっと積極的に道草を食うべきだったのかも知れない・・・と今では考えております。
ライド記録をブログでどのように伝えたら良いか悩んで、結局エイド補給食の紹介のようになってしまいましたが、走行自体もしっかり楽しめました。
コース中に坂が現れると、自分が考えていた以上に体力を削られるということも解りましたし、その他にも沢山の気付きがありました。
とりあえず、
多少の勾配を含む一般道でも(なんとか)100㌔以上走れた。
という結果が私にとって重要なのであります。
いよいよ次は自転車趣味に復帰すると決めた時、どうしても走りたかったイベントへ参加しますな。
9月に行われる、
ツール・ド・東北2019 気仙沼発・ワンウェイ・フォンド
に参加するのであります。
今回のイベント参加も何かの役に立つはずであると思っておりますし、ご報告の際は食べ物の写真ばかりにならないよう、気をつけたいと思いますw
さて、グダグダの緑のAACR2019の記録はここまでですな。
翌日のお楽しみ、”千曲川水系・フライフィッシング”へ向かうため、数時間の移動をこなさなければなりません!