桧枝岐釣行の二日目は、まったく釣りをできずに帰ってきたこと。

初日の釣りを早めに切り上げることとし、林道へ這いあがりましたな。

車へ戻るのにも「うわぁ、こんなに登ってたのか。そりゃぁ疲れるよな・・・」と実感する、相当な距離を歩くことになりました。

車に辿り着いたときは思わずほっとしてしまいましたな。

前日に電話を入れておいたキャンプ場へ向かいます。

移動の時間を考慮しても、テントの設置後に川の様子を見に行くくらいの時間は取れるはずでありました。

到着後受付をする際にオーナーのおやっさんと話をしていると、なんと世代は違えど同郷であることがわかりました。

互いの出身校のことや近頃の街の様子を、互いに手短に話した後おやっさんがポツリ。

「おれぁこんなトコまで流れてきちゃったけどなぁ・・・」

ん~む・・・おやっさんなりに色々とあって、このお仕事をされてるんでしょうナ。

素面でそのような事柄を聞きだすような趣味もありませんので、そのセリフは聞こえなかったことにしたのでありました。

まあまあですな。

去年購入してそのままになっていた、BUNDOK ソロドーム・ウルトラライトと言うテントを持ち込みましたな。

バックパッキングでテント泊に行きたい場所があり、少しでも軽量で安価なものを・・と手に入れましたが、未だに果たせずにおります。

手持ちのシェラデザインズは2.5人用。重量約3.3㌔。一方こちらは完全ソロ用で1.6㌔。ちょうど半分であります。

イヤ、しかし失敗しました。

手持ちのテントと大した違いもなかろう・・・とタカを括っておりましたが、

張り方がわかりませんww

ポールを全て継いで(と、言っても2本)それをアアしてコウして、テントフックの位置や構造を観察しつつ、ああでもあろうかコウでもあろうか・・・

結局20分ほども時間をロスしてしまいました。

早く川の様子を見に行きたい気持ちがあったので、大変に焦ってしまいましたな。

しかもテントを張り終えてから、収納袋の中に説明書が縫い付けられていることを発見するという・・・

こんなところまで来て、またも己の愚かさに身悶えするワタクシでありました。

微妙にBB川とも雰囲気が異なります。

大汗をかいてテントを張り終え、目の前の川を見に行きます。

あわよくば夕方のライズでも発見できれば・・と考えていたのですが、このブログでそんなうまい話があったためしはございませんw

キャンプ場から見渡せる範囲のみを釣り歩いてみますが、当然のように無反応でありました。

まあ、そうだよね・・・という感じです。

街道から見ればアプローチがわかりやすい場所でもあり、大きな駐車場に数台の車が止まっているのも見えておりました。

降ってきた二名のフライ・アングラーと情報交換しましたが、釣果はあまり芳しくないようでしたな。

平日ではありますが、プレッシャーもかかっているのでありましょう。

この川とワタクシの勝負は明日なので、さっさとサイトへ戻ります。

待ちわびた逢魔時w

上半身の内部にダメージを与え続けてくれた重いタックルと、早朝は肌寒く思い切れずに履いてやっぱり後悔したウェーダーから、ようやく解放されます。

キャンプ場の水場で頭・顔から首筋までをザバザバと洗ってしまい、汗を吸ったウェアを着替えてサッパリします。

檜枝岐には温泉も沢山ありますな。きっと次回には立ち寄りたいと思います。

しかし今回は川のリサーチと、山中の夕暮れをボ〜ッと眺め過ごすために時間を使いたいと考えておりました。

この上なくココロ穏やかになれる瞬間。

折り畳みのミニ・テーブルに、今宵の友人たちをセットします。

チョットだけ贅沢したビールと、思い切りチープなSOAVE。

前日に地元スーパーで買っておいた枝豆、キューブチーズ・アソート、鶏の大葉包み揚げ、高野豆腐と野菜の煮物・・・。

出来合いの惣菜を並べるだけのキャンプ飯は味気ないようでいて、労力と時間の節約をするのに大変有効なことを知ってしまいましたな。

フライフィッシングが目的のキャンプでは、今後このスタイルで参るつもりであります。

大きな保冷剤を投入していたクーラーバッグは、辛うじてビールの冷たさを保ってくれておりました。

恭しくプルタブを開け、ヒヤリと手に伝わる感触ですら無駄にしないよう慎重に、最初の一口を喉へ流し込みます。

・・・グぅはぁあァぁ〜・・・

この瞬間はどうしても、声を出さずにおられません。

当日分の体力をほぼ使い果たしている渋い身体の手足末端まで、粟立つような快感が駆け巡ります。

水分をケチりながら飲んでいたことも同時に思い出し、本能の矢継ぎ早の求めに応じて二撃、三撃。

街中とは別の、フィールドへ身を置いている時にしか働いていないと思われる何らかのテンションが、急速に緩んでいくのを感じます。

あっという間の一本目が空になり、次の缶に手を伸ばす頃には全身に安堵感が満ち、人心地つくのでありますな。

そうすると、周囲の景色が違って見えてきます。

もう一つの目と耳が開き始めます。

遠くに鳴くカジカガエルは、先の川筋で見かけたそれと違うのか。カップの縁をセカセカと這う羽虫は、似せたフライを巻いてみる価値はあるのであろうか。

いま森に満ちている気配は、日中のそれとどう違っているのか。

こうして飲みながらあてどなく、山々から染み出してくる闇を待っている時間がたまらなく好きであります。

今日の釣りの反省点を思い出そうとしますが、幸福感で満たされてしまってどうもうまくいきません。

これからが本番だったりしますw

ランプと焚き火の炎に照らされる範囲しか目が効かなくなり、川音が知覚内で存在感を増しています。

2本目以降は惜しむようなペースで啜っていたビールも飲み切ってしまいました。

安物のワインに切り替えます。

早起きの必要のあるキャンプでウィスキーを啜るのもヤメにしました。フィールドでの一人飲みはつい飲みすぎて、翌日に影響してしまうからですな。

あらかた酒肴も平らげて、喉を潤しつつ削っていく安物の白ワインを楽しんでいると、弱い雨が降り始めました。

雨の中での釣りとなる明日は、出発する前から覚悟していた事であります。

火勢が雨に負けないよう、車へ積みっぱなしとなっていた太い薪を焚べます。

橙、紫、白、青・・・それぞれ複雑な光のグラデーションが踊る贅沢な焔と、生成された煙の匂いを肴代わりに、尚もカップを傾けます。

ベロベロです。

ボトルが3分の一を切る頃には体内のアルコールはとうに沸騰しており、思惟の連鎖はコントロール不能となります。

スマートフォンに保存してある懐かしい洋楽を小さく流し、河原や森へ低いままに延びていく煙を目で追い続けます。

圧倒的な上に気まぐれな気流に煽られ、無数の葉の一枚一枚の間を走ってすり抜け、極限まで薄められたその粒の一つは何処へたどり着くだろうか。

落ち葉の上へ落ちるだろう。川面に落ちて流れていくだろう。うまく風に乗って数千mの山頂へも届くかもしれない。

何時までも漂い、決して沈まないのかも知れない。

「そうか。あれは俺だ。」

唐突に湧き上がったよく分からない投影を、分析・反証する冷静さはもう残っていません。

あの煙は俺自身なのだ。

走れ。 行け。 飛べ。 

高く! 広く!

本能のままに上へ、上流へ。

耳を立てろ。目を開け。バンバン燃やして回転を上げろ。

巻かれず沈まず漂い続け、遍く一瞥していこう。

釣り竿を片手に。

それしか出来ることもなさそうなのだから。

小さな木片一つも灰になるまで、世話を続けなければイケマセン。

山深い野営地の片隅で、そうして孤独に焚き火の煙を応援していると、すっかり記憶がなくなりましたな。

ワインの酔い口は嫌いではありません。

激しい雨の音で目覚めました。すでにテント内は明るく、時計は6時過ぎ。

釣りのことを考えれば完全に出遅れですが、雨の音がパタパタと心地よく、しばらくウトウトします。

脳と身体のアチコチに残った鈍痛に耐えつつ意を決して這い出してみると、すっかりと言うか、キッパリと言うか、残念なことにと言うか・・・

土砂降りでありました;;

川にも濁りが入り、増水しつつあるようです。

水流の強い場所での渡渉で怖い思いをした記憶が蘇ります。

「こりゃイカンですナ・・・」

車のバックドアを跳ね上げ、雨を避けつつ朝食を取ります。

出るゴミが大きいけど、コレうまいなぁw

雨中での行動を覚悟はしておりましたが、このような土砂降りは範囲外であります。

しかしせっかくここまで来たのだから・・・と、しばらく様子を見ることに致しましたな。

びしょ濡れになったテントを、ウンザリした気分で車へ押し込みます。

こんな天気になるならテントを張らずに車中泊とし、屋外生活はタープの下で行うのだったな・・・と、この時点で悔やみました。

テント内のマットやシュラフを片付ける手間も省けますし、帰ってから乾かすのもタープ一枚であれば、相当に楽ができます。

テントを張るメリットは、完全に横になって眠れることのみのような気がしてきましたな。

今後は一泊のみの日程や、車の乗り入れが出来ないキャンプ場以外では、タープ&車中泊を基本にしようと思います。

定期的に雨が強まり、もう何処もかしこもビショビショであります・・・;;

何杯ものコーヒーを飲み、文庫本を読みつつ昼頃までそうして待っていましたが、雨が弱まる気配はありませんでしたな。

パッと止む瞬間もあるものの、次に降り出すと更に雨脚が強くなっている・・・ということを繰り返す1日となるようです。

仕方ありません。

まさに「後ろ髪引かれる思い」でありますが、撤退する勇気を発動することに致しました。

無理をして怪我をしても敵いませんからな。

名前の分からなかった沢。フライはやりにくそうです。

行きがけの駄賃と、目につく渓を偵察しながら帰路につきました。

会津は釣りに良さそうな、魅力ある多くの流れに恵まれた地なのでありますな。

なのでこの埋め合わせは、別の会津の川に担ってもらうことに決めました。

さて。

そのための準備に取り掛かることに致しましょうか。

今日の東京も降ったり止んだりの、梅雨本番であります。

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コメント

  1. SHIMA より:

    SHIMAです。草地で雰囲気の良さそうな野営地ですね。2日目が雨で残念でしたが、ブログの内容から想像するに、この宴の幕は閉じられたものの、次の宴へ向けて意気揚々とした意欲がじわじわと出てますね。それなりに楽しみ、有意義なキャンプ釣行になったのではないですか。でも、これだけ続けて釣行されると羨ましくも、悔しくもなりますね。場所の相乗効果も効いていそうですね。1泊ならばタープと車中泊、出来合いの食事は良いチョイスですね。タープ&コットもありかな。参考にさせていただきます。小生は、雨のキャンプも味わいがあり、嫌いではないのですが、さすがに撤収時の憂鬱さがね。では

  2. OSSAN より:

    SHIMA様こんにちわ。
    フリーサイトで当日は利用客も少なく、なかなか良いキャンプ場でした。
    昨今の高規格に慣れている方には辛いでしょうが^^;
    水はけは良くない様子でしたので、テントを張るには場所をよく見ないといけないようです。
    次回釣行予定が迫っていますが、身体の疲労が抜けなくて凹んでいます。
    久しぶりにドリンク剤に手を出してみようかな・・・;;