ケータイを持つ男の手は、明らかに梅雨明け前の我慢できないような湿度のせいだけではなく汗ばんでいるようだった。
「今更何と言って許してもらえばいいというのだ・・・」
思い出がコールの間中、とめどなく脳裏にあふれ出てくる。
フォークを弄ぶ細い指。低く鼻で笑う癖。傲然としつつ縋るようなあの瞳。
出会いはこの春先に仕事の合間に立ち寄った、駅からそれほど離れていないあの店だった。
彼女は周囲の楽し気な雰囲気と明らかに一線を画した存在感でそこに居たのだ。
あまりに鮮やかなその”黒”
見とれるワタクシに気が付いた彼女は少し困ったような謎めいた微笑を残し、遠ざかっていった。
うまく言い表せない、ザワつく気持ちと感覚を凝視するしかなかった。
瞬後、何だか全てに疲れ果てていたしがないサラリーマン主人公OSSAN(仮名)44歳の錆びついた内燃機関は再び10代後半の熱情をもって鳴動し始めたのだった。
・・・あれほどまでに夢中になった相手を自ら裏切ってしまった。
何故、出会いというものは重なってしまうのであろう。そう、あの日もそうだった・・・
ハイ、時系列もかなりおかしいですが、もういいですね。
スイマセン。
過日、
OSSAN「かっ彼女の袋、あ・あ・開けてみても良いですかなっ!?」
店「え?・・あぁ、ハックルですね。どうぞ・・・(ヤバイ客キタ・・)」
結局仲直りをして菜の花と同居してもらうことになってしまいましたな・・・
マズいですよ。ハックルケープを収めるために用意したA4ケースはすでに満員御礼の状況となりつつあるのであります。
正直、ここまでこのマテリアルに入れ込むことになろうとは夢にも思っておりませんでしたな。
どうカッコつけて言ってみてもこれは”鶏の羽”デスゾ・・・・いやいや、しかしこのつややかさ、艶めかしさ、靭やかな手触り・・・あぁ・・シアワセ・・・
いかんですぞ!!
ここらでやめないと・・・!
踏みとどまらないと・・・!
男の子だろう、我慢しなさい!
そうはいっても次に欲しいカラーがもう決まっているという・・・・!!
・・・嗚呼・・・・・
もうね、どこかで読んだ(どこかは忘れましたな)「ハックルは手に入れたときは高価と感じても、結局コスパ計算をするとそれほどでもない」という伝を信じるしかない状況になってしまいましたな・・・
このような取り組みも試してみましたが、これにかかる時間や労力、ベースのRED-X・ブラウン・ハックルが惜しく感じてきてしまった事もあり、思い切って購入してしまいましたな。
まあ、この染料も無駄にはなりませんのでね。出来上がったダークブラウンはロイヤル・コーチマン等で利用することといたします。
やっぱり純然たるブラックで巻くアントは締まって見えますな。
そして試してみたかったのがコレ☟
エルクヘア・カディスまっくろくろすけバージョンであります
何もつけないとキャスト後どこを流れておるのかもわからない状態となってしまうので、インジケーターを付けたもので用意しておくことにしましたな。
しかしこの黒にダイドされたエルクヘアがですね、かなり太目。
なんだか質感も良くない上に切れやすく指に色移りする・・・気に入らないです。
しかしこれも勉強代と思うことといたしますな。
コレほどまでにOSSANを魅了してくれるハックル達・・・いつか生産現場なんぞ見学してみたいものであります。
コロラド・・・でありましたっけ?さぞ壮観なんでありましょうなあ(遠い目)
本日もOSSANの妄想は止めどなく、本格的な夏の夜になだれ込んでゆくのでありました・・・