いよいよ、ウェット・フライの巻き貯めに突入していかねばなりません。
使用するのは大好きなウェット・フライなのでありますが、タイイングにおける苦手意識は強烈なものがあります。
それは以前のエントリー、CDCに対するそれとは比較になりませんな。
理由は言わずもがな・・・
愛おしくも憎らしい、
ウィング問題
なのであります。
三寒四温を繰り返し、少しずつ春めく日が多くなってきた気がいたします。
「いい加減、どこかへ釣りに行きたいですなぁ・・・」と言うタイミングで、計ったように大概につまらん日常のアレコレが忙しくなってきてしまっているのでありますな。
もうぜ~んぶブン投げてソロキャンプ&フライフィッシングに突入していってしまいたい!
との思いを、オトナなりの分別をもってして辛うじて抑えているOSSANであります。
仕方ありませんな。
今日もバイスに向かいましょう。いよいよ巻き貯めも佳境に突入なのであります。
ウェット・フライ。
前シーズンは、クイル・ウィングスタイルのウェットフライとしては主にシルバー・サルタンが活躍(言うほどではないですが・・・)してくれましたな。
しかしこのクイル・ウィングを巻くのは、なかなか精神的に厳しいものがあるのであります。
綺麗に巻けないのでありますよ。
慎重に慎重を期してマテリアルの切り出し、設置などをこなしておるにもかかわらず、最後の最後にスレッドを引き締める段になって、必ずと言っていいほどヘナチョコな様子へと変身してしまうのであります。
体感的には十中八九・・・でありますな・・・
ボロボロになりつつある精神状況で、この難しいにも程があるタイイングに臨むのは今のOSSANには到底無理であります。
一日の残り少ない、貴重な時間をつぎ込み向かうバイス。
目の前には少しづつ買い集めたマテリアルが使用されるのを、キラキラと待ちわびているようであります。
愛でるように、惜しむようにつまみ上げたそれらをフックに巻き付けていき、
「ああ。ボディ・フロスのバランスも、スロートハックルの角度もいい具合に決まった。残すはウィングのみだな・・・」
高鳴る動悸をこらえつつ、そっとスレッドを引き締め、指の間から現れるクイル・ウィングは
もう、絶望的にカッコ悪い・・・
羽根先は全く揃っておらず、角度、長さ、バランスも全てがおかしいです。
もっと酷いとパッカリ割れてしまっていたりして・・・
「おかしいおかしい・・・こんなはずはないのだ!曲がりなりにも一年間、タイイングに精を出してきたのだ。技術だって最初期に比べれば相当に向上しているはずなのだ・・・!」
落ち着け。落ち着くんだ、OSSAN!
ここであきらめるんじゃない! できる。お前ならできる!
翌日の起床時間を併せ考えますと、次の一本がタイムリミットであります。
前に増して細心の注意を払い巻き上げたボディに、ウィングを添わせる指が震えます。
スレッドを回す回数、その角度、引き絞る強さ、羽根を保持した指の微妙な脱力加減・・・
「ふぅ・・・完璧だ・・・」
そう思えた、一つ一つの芸術的手順と集中力の結果は、
やっぱりまるでダメ (# ゚Д゚)!!
ホルダーもシザースも纏めてデスクに叩き付け、近年とみに心細くなってきた頭部をさらに掻き毟りながらも、裸足のまま飛び出したベランダからOSSANの言葉とならない慟哭の叫びが寝静まる春まだ浅い住宅街にこだましてゆく・・・!!
これはいけませんな。
通報案件であります。
フェザー・ウィング スタイルから巻くことにしましょう;;
昨年、すこ〜しだけ手ごたえを感じたプロフェッサー、グリズリー・キングに加えて、「ボックスに青色が欲しい」という理由だけでブルー・プロフェッサー。
この三種を#8、#10、#12で 3サイズ×3本ずつ。
27本を巻いてしまうのであります。
久しぶりに取り出したブラウンのインドコックは、コレはコレで「有り」でありますな。
ファイバー密度は当然のごとくスカスカでありますが、なかなかの色艶であります。
ウェットフライのスロート部分に使用するにはもってこい。ところどころハゲて来ましたが、それでも愛おしい奴であります。
しかし今更でありますが、よくこれでドライを巻いていたものだと・・・
グレイ・マラードのこのフワフワ部分。
ウェッブと言うのでありましょうかな? 捨てるには惜しいであります。
何か良い使用法があればよいのですが・・・
大体にして、ここまでは比較的安定して巻けるのでありますよ。
スロートの出来具合は毎回異なりますがね・・・
そしていざ出来上がってみれば、やはりこの体たらくであります(# ゚Д゚)!
しかし、徐々にわかってきましたぞ。
このグレー・マラードの質が悪いのだと・・・
その証拠に以前に購入しておったブラウン・マラードの出来上がりと比較すると・・・
ほら・・・!
・・・あんまり変わらないですな(号泣)
もう、細かい毛先の揃い方などはあまり気にしないことといたします。
どうせ濡れるのです。
一番小さい#12のみゴールドのオーバル・ティンセルでリビングしましたな。手持ちのフラット・ティンセルでは太くてバランスが良くないようであります。
あまりマラードフランクをケチって使用すると良い結果とならない・・・ということも解ってまいりましたな。
クルンとした丸みのついてしまっている羽根をヤカンの蒸気などに当て、その癖を取り除いておく・・・という下準備の重要性も解ってきました。
次はそうしようと思います。
途中でコック・ロビンを追加し、総数37本の増産であります。
辛い・・・
やはりウィングを整える処理の面倒さもCDCの比ではありません。
これほど苦労してこさえたウェットフライでありますのでね。きっと今年は良い思いをさせてくれると信じ込むことといたしますな。
遠いですな・・・
フェザー・ウィングパターンへ逃避したとしても。
ウェット・フライ タイイングの星
はOSSANにとって、あまりにも遠い・・・!
見上げる早春の星々に、いつか完璧な出来上がりを誓いつつ。
それらはやはり滲み、霞んで見えなくなっていくのでありました・・・
コメント
お疲れさまです。
OSSANさまのお気持ち、痛いほどよくわかります。
シンパシー感じまくりです。
私もフライ歴はいたずらに長く30年にもなりますけれど、まぁ、ウエットフライタイイングのウイングの取付け時の心労は、やはり並大抵なものではございません。
私にも、OSSANさまが見事に表現されているような心理的葛藤が、マジに起こっておるのです。
おっしゃる通り、なんやかやと忙しい時期でもあり、タイイングする時間がとれませんが、自分も頑張って巻かねば!とあらためて思いました。
すぺっくるど様、こんにちは!
そうですか・・・
30年のキャリアをもってしてもウェットフライのウィングは一筋縄ではいかない・・・ということなのですね。
ですがそれをお聞きし、逆に気持ちが楽になりました。
で、あれば私ごときがそうそう美しく巻けるものでもないという事ではないですかw
次のクイルウィング編も、どうぞ大いに笑ってやって下さいませ^ー^b