驚きますな。
4月半ばにしてもう最高気温25℃以上。 夏日だそうであります。
こんな調子では真夏は一体どうなってしまうのでありましょうか?
そんな陽気に誘われて今年初の養沢さんへ行ってまいりましたな。
こちらもスゴイですよ。
養沢さんのHPを確認しますと先週末の入場者数はなんと75人!だそうであります。
いかにエリアが広いとは言え、OSSANにはそのような人口密度の中勝負を挑んでいく根性は逆さまにしてムチを打っても到底発揮されないのであります。
明らかに私より上手な人々に囲まれ、無様な態を晒してしまいペースを崩し、再び丸坊主を食らうのは目に見えていますな・・・
ですので、そのプレッシャーも冷め切らぬであろう月曜日釣行でございます。
今回は昨年釣行で未踏破である下養沢橋〜海入道橋の区間をゆっくりと釣り上がる予定でありますな。
距離としてはかなり短い区間となりますので、一つ一つのポイントをかなりしつこくネチッこく攻めていってしまう・・・という、どうにもヒヒ爺的作戦なのであります。
いえネ。
実は出発後、途中のサービスエリアで気がついたのでありますが滅多にかからない風邪なんぞをひいてしまったようでありました。
春爛漫の清々しいフィールドでおかしな咳が止まらず、
ゲホゲホゲホ・・・ゥウェッ・・・!
汚らしいやら、情けないやら・・・
ですのでチョイと体力的に楽をすることとしたのでありますな。
事務所下を覗き込むと遥か先に若人一人。
アラ、もったいない。
と言うことで、ココから釣り上がってしまうことと致します。
この日天気は下り坂の予報でありますが、朝9時前のスタート時には日差しもあり暖かであります。
そして何処を見ても満開の桜。花見と釣りが同時に楽しめてしまう贅沢な季節でありますな。
水面を見ると散発的な、あまりやる気を感じないライズリングがぽつりぽつり。
水に手を浸してみると無茶苦茶冷たいです。水温計も持ってきておりますが、車に忘れてくるあたりがOSSANです。
飛ぶ虫も極小のユスリカのようなものだけでありましたな。
水温が上昇するまでは様子見であります。
用意したのみでずっとボックスの肥やしとなっていた#20グリフィス・ナットを結んでチャチャッと釣り上がってしまいます。
あ・・・
あれ?
あれ・・・
アレレレ・・・??
どうしたことでありましょう、
絶好調なんですがw
先週末のプレッシャーと9時前のスタート時刻などから、最初の一尾を手にするまで相当悶絶するのではないかという心配は、杞憂と終わるかに思えましたな。
下養沢橋到着までに山女魚×3・虹×2をキャッチ。
ですが山女魚の内一匹は尾鰭近くにスレ掛かりしていたこともあり、非常にセンシティブになっていることは疑いがありませんでしたな。
その証拠にというか、なんともはや・・・・
その後はドライに出ても乗らない、バラシ・・・ウェット、ニンフ類には全く反応なしで夕方までに虹と山女魚を一尾ずつ追加するのみ。
完全にフライを疑われ、見切られております。
ス~っと鼻先10㌢以内まで寄って来て、”それ、食えっ”と見ていると見事な踵返し。
こんなに頭に血が上る釣行も久しぶりでありますな。
いけませんよ。
血圧要注意、 Study to be quiet であります。
こんなところでもこの時期の釣行は奏効しておりますな。カッカしてきたら視線を上げ、桜を愛でるにかぎります。
美しい春の風景の中であくまでもクールに、そして内心とても人様には見せられない態の悶絶が続きます。
このカーブの先はどんな景色だろう。
この岩を超えたらよいポイントがあるのでは・・・
遡るたび、歩を進めるたび期待とワクワクが止まりません。息は切れますが楽しいですねぇ、養沢さん。
しかし当初の目的であった海入道橋まで、全くもって良い事なく踏破終了。
仕方ないので、更に血圧に悪い昼食を早淵駐車場でゆっくりと・・・
しかし旨し。
少々呆然としつつも午後は事務所脇に車を置きなおし、海入道橋から天王岩と呼ばれるポイントまでヨタヨタと遡りましたが、やっぱりダメ。
もう、何をやってもダメ。
小場所の魚たちはものすごい勢いで走り、大場所ではフライに見向きもしてくれませんでしたな・・・;
言い訳でありますが、挨拶を交わした二人の方も非常に厳しいとおっしゃってました。釣果は聞きませんでしたがね。
聞かれたくありませんのでOrz;;
午後、気温はぐんぐん上昇。
ネルシャツの袖をまくれば肌寒く、伸ばすと暑い。おかしなコンディションであります。
額から流れる元物質としてはビールの汗がとめどなく、ほぼ新品のホワイティング・トラッカーキャップを突破して視界の邪魔をします。
次回以降はバンダナをハチマキにしようと思いましたな。
風邪と久しぶりの運動で節々に痛みを覚え、失意のどん底で16時過ぎに引き返すこととし、最後のあがきを駐車場近辺で試みることといたしました。
ですがここで本日のハイライトを迎えることができました。
日が陰ってきた事務所下は、気分が更にのめり込みそうな雰囲気だったのでパス。
ですが下養沢橋上から覗き込んだ下弁天と呼ばれる区画は、朝方竿を出していた時と打って変わって生命感に満ち溢れておりました。
特定できる知識もありませんが#16くらいのカゲロウとユスリカの類と思われる夥しい羽虫たちを捉えようと、小さめながら魚たちが飛び上がっています!
時合ですな。
ローライト状況ではOSSAN謹製、可愛いフライ達も見切られないでありましょう。
1時間弱であったでありましょうか、その中々フッキングしないライズに翻弄され続けましたな。
ハラハラと飛翔する羽虫を観察し、ココゾと投入した新作パラシュート各種、CDC・ダンは見事に無視されました。
サイズも、シルエットも目にしている羽虫とマッチしているように感じます。
でもダメなんですよ。フライのすぐ脇で本物の羽虫へアタックしています。目が良いのも大概にしてほしいものでありますな。
心細いことこの上ない、経験則の引き出しをひっかきまわします。
ありましたゾ・・・
縦巻きハックル。
大好きな割にはその取り回しとティペットへの負荷からなかなか結ばれないスタンダード・フライ達でありますが、これでないとダメだったということが過去あったのであります。
いま使わずに、いつ使うのだ!
慌てて開いたボックスから、そう聞こえた気がしましたな。
クイル・ゴードン
憧憬の記憶に彩られ妄想を暴走させて巻かれたこのフライは、今まで縦巻きハックルフライとして万能と思っていたライト・ケイヒルが空振りに終わるなか、堂々とした結果を残してくれました。
#16に巻かれたクイルゴードンは、キャッチできた数としては3尾に留まりましたが、必ずと言ってよい頻度で魚たちからの反応を得られました。
不思議なものであります。
見たこともない魚たちの狂喜乱舞に夕闇の迫る中、あれこれ試してみたいOSSANは目まぐるしいフライローテーションを行いました。
その中にあって、このクイル・ゴードンだけが別格の反応の良さであったのであります。
ボディに巻かれたピーコック・クイルの繊細さにその理由が隠されておるように推測するのでありますが、こればかりは魚たちに聞いてみないことには本当のところはわからずじまいでありますな。
でない。
跳んだ。
ゲホゲホ・・・
出た。
すっぽ抜け。
食った。
ゲホゲホゲホ・・・
乗った。
バレた。
捕った!
歓喜のフィーバータイムは18時前には終了してしまいました。
とうとう雨もパラついてきて、フックアイもティペットも見えなくなってしまいましたな。
神様お願いであります。
釣りの日だけ、時間の進みをゆっくりにしてください。
ジャンピング・ライズの主たちは昼間あれほど無気力であった山女魚たちのようでありました。
今回もヘロヘロになるまでロッドを振り続け、ヨタヨタながらも歩き続けましたな。これを書いている現在も身体の痛みと疲労が残り、風邪の症状と闘っております。
しかし花々や魚、風、陽光に遊んでもらったOSSANはまた少しのあいだ、元気で過ごせそうでありますよ。
全くもって不思議なのであります。
フライ・フィッシングは不思議に満ち溢れておりますな。
不思議を知りたい。
驚きたい。
早く次の釣りに行きたいのであります。
コメント
養沢釣行自分の時と重なって何度も読んで楽しみましたいつもありがとうございます
語彙図さまこんにちは!
いつも”Twitter 良いね”ありがとうございます。
養沢は素晴らしいフィールドなんですが、タイミングがハマってしまうと厳しい時もありますよね^^;
どの場所にも言える事だとは思いますが・・・
幾度も読み砕いていただいて、だんだん味が出てくる・・・そんなスルメのようなブログを目指してまいりますw
今後ともよろしくお願いいたします<(_ _)>