” 平成最後の○○○ ”
何やら流行っているらしいので、このキーワードを使ってみたかっただけでありますな。
結構ミーハーな所もあるのだなぁ・・・と、この歳にして自分が信じられなくなってしまいます。
まぁ、そんなことはどうでも良くてですネ。ようやく今季の初釣りに出かけることが出来たのですな。
世間様は前代未聞という10連休も後半となっておりますな。
しかしワタクシ。働き始めてからこれまでと言うもの、暦通りの休日を満喫した記憶はございませんな。
そのような仕事ばかりに縁があったと言う結果でありますが、果たしてこのご時世に世の中の就労人口の何%が、デメリットもなしに休めるのでありましょうね?(細君は休んでるorz;;)
娘の受験終了⇒桜の季節もあっという間に終了⇒もうそろそろ釣りに行かないとストレスで死ぬ⇒でもゴールデンウィーク中なんかに釣りしたくない⇒GW後は魚もスレ切ってしまい相手してもらえない⇒連休直前に行くしかあるまい!
端折って書けばこんな感じでありますが、キッチリ心理描写に挑むとなれば、それこそ筆舌に尽くしがたい数万ページに及ぶであろう慟哭や呻吟、呪詛や怨嗟、苦悶と悶絶に満ちた日々を経てからの・・・
グレイテストタイミング・エスケープ
なのであります!!
晩春の、梅雨前の、暑くもなく寒くもない素晴らしいこの季節の、しかも平日にフライフィッシングができる。
ようやく迎えた、平成最後のこの機会は、
徹頭徹尾、完璧な一日
とならなければならない筈でしたな!
雨が降ってるのです;;
そうですな。
思えばワタクシにとっての「平成」は、決して平穏な時代ではございませんでした。一息つけるようになったのは、つい最近のことなのであります。
これまでは、朝起きて雨が降っている日は釣行をキャンセルすることにしていましたな。
しかしあまり贅沢を言っていると、ドンドンその機会が失われていってしまう事に気がついたこのオフシーズン。
その心情変化なんぞを逐一書き出すと、厠の落書き的長大なページが出来てしまうので自重いたしますが、今後は小雨程度であれば釣行を決行することにしたのであります。
実は今年の初釣りは、これまでに訪れたことの無いエリアへ行くつもりでありました。
しかし一週間前からチェックを始めた天気予報は刻々と、本日の空模様が悪化していく様を見せておりましたな。
どんな足場であるかもわからない場所へ、雨降りの日に行きたくはなかったのであります。
出発する寸前までどこへ行くか迷って、養沢さんへ来たのでありますな。
特大連休の直前とあって、「もしかしたら貸切状態かも♡」などと考えていましたがどうしてどうして。
到着が10時を過ぎていたこともあってか、駐車スペースも概ね半分は埋まり、受付番号は18番でありましたな。
降る勢いは強くないものの、木々も下生えも雨に濡れて輝いています。周囲の山々には厚い靄がまとわりつき、文字通りの「森閑」とした様子であります。
里川のこんな風景が、大好きなのでありますな。
平日午前の養沢は川音と雨音のみに満たされています。唐突にカジカ蛙の声が聞こえてくると一寸びっくりしてしまうほどの静かさでありました。
意識して視野を広げて見ると薄黄色、茶褐色、尾の長いの、小さくて赤っぽいの。群舞とは行かないまでも、沢山の種の蜉蝣たちも飛んでいきます。
その情景が、どれほど愛おしいでしょうか!
昨日までは非常に暖かく、汗をかいても快適な自転車用ジャージ&メッシュアンダーで来ようと思っていたのでありますな。
しかし眠りから覚めて寒さに驚き、急遽保温アンダー上下&(ティーンズの頃に買った)ウールのシャツに切り替えてきたのであります。
これは正解でした。現地の気温は10℃前後であり、雨が降っていなくてもレインウェアを羽織っておきたいほどでありましたから。
いつもは昼食休憩のポイントとしている早淵で身支度を整え、遡っていきます。
急に気温が下がってしまってどうかな?と疑いつつ結んだライトケイヒルカラーのCDCダン。
珍しくも、程なく今季初の釣果を得ることができました。
随分と久しぶりに味わう溪魚の全身発光爆発的躍動は、我が身にこびり付く好ましからざる垢を、一瞬にして身体から引き剥がしてくれるようです。
快感であります!
生き物相手の傲慢と、フードから絶えず滴る雨にもかかわらず。
今日1日の良き釣りが約束される予感に包まれて、OSSANはこの時点ですでにニヤニヤしてしまっておりましたな。
ならば・・・と結んだパラシュートフライたちは、ハックルのツンツン具合が嫌われているのか、#18までサイズを落としても目前でUターンされまくりましたが・・・。
時間が無いので、あまり一か所に粘らずポンポンと釣りあがっていきます。
どうしたことか、この日は早淵~遠藤商店(開いてるとこ見たことないですな・・)前というポイントへ到着するまでに沢山の釣果に恵まれたのでありました。
普段であればスタート時間が遅いと、昼食の時間を惜しんでズルズルと釣り続けるところでありますが、この日はここまでで全く満足してしまいましたな。
4時間程で15尾以上は釣れたでしょうか。私の養沢釣行としてはこれまでで最高のペースです。
ですが、14時前になると我慢できなくなってきてしまいました。
いえネ。お腹が空いたというだけではありません。
どうもこの日は煙草を忘れてきてしまい、今までずっとガムを噛んで誤魔化してきたのでありますが、やっぱり我慢できず一時の戦線離脱。
一番近いコンビニまで、車を戻さなくてはなりませんでしたな・・・。
ココで大休止ついでなので、もう3つほど。
今回初投入となるモンベル・チェストパックでありますが、なかなかの使い勝手でありました。
このくらい気温が低いと、ベストタイプのアタッチメントによる暑さの心配をすることもありません。
これまでのコットン製のパックのように、バランスの取りにくさみたいな部分もなくてピッタリと身体にフィットし、非常に機能的であると感じましたな。
今期はこればかりを使っていくつもりでありますので、そのうち気になる部分も出てくるものと思いますが、それは又改めての事といたします。
併せて、
「付属のムートン製フライパッチを使わない選択による、パッチの適当な取り付け場所が見当たらないんだけど」
問題。
これをクリアするために導入したのがコレで有ります↓
マグネットを使用したフライパッチでありますな。
ピンでキャップなどに取り付けて使いますが、汗かきなOSSANはしょっちゅうキャップの着脱をするので相性はあまり良くないようです。
むき出しのフックが気になって仕方ありませんな。街中で被ることも多いので、これもペンディング案件であります。
そしてまさにこの日のようなローライトコンディションでその機能を求めた、
POC&TAREX・ラスターオレンジ偏光グラス。
コレが素晴らしかったのであります!
自転車でのロードワークでは路面や景色のギラ付きが抑制され、身体の疲れ方まで軽減していることを感じつつあったのであります。
そしてフライフィッシングにいざ持ち出してみると、水面の見え方は思いがけず自然で、流れのヨレ等も手に取るよう。水底の岩などは丸裸(これは誇張w)。
且つ視界が暗くなりすぎることもなく、今までは見失いがちであった#18程の、短くトリミングしたCDCポスト等もかなりの遠距離から視認が可能なのであります(その代わり、近くの物は更に見えにくくなっておりますが;;)。
曇天、更に夕方となり辺りが暗くなってきても、このレンズカラーがそうさせるのか、コントラストのクッキリした明るい視界を確保し続けてくれます。
悩みに悩んで手に入れたこの釣り&ロードバイク兼用アイウェアは、「大事に使えば今後長きにわたってその力を発揮してくれるもの」である。
そう確信できるものでありましたな。大枚を叩いて手に入れた甲斐がありました!
タイムアップを気にしなければならない時間となる前に、ほぼほぼ満足してしまえるような釣果に恵まれる機会は(OSSANとしては)あまりないですな。
その後も営業終了となる17時まで、たくさんの魚達に遊んでもらうことができました。
いつもの養沢さん的気難しい魚もいなかったわけではなく、ずいぶんとカッカもさせらられたのであります。
しかし同じフライに騙されてくれる、ウブな魚も沢山いたという事なのでありましょうか。
蛇足ですが、実はもう一つ。
思うともなく考え続けてきた、チョットした蟠りがございました。
昨年の11月。当年最後の釣行として、リヴァースポット早戸さんへ行っていたのでありますな。
しかしブログを書きませんでした。
沢山釣れはしましたが、なぜかモヤモヤしてしまい、心も手も動かなかったのでありますな。
この日、この養沢釣行の間ず~っと考えていて答えがわかりました。
どうもワタクシ、多少なりと入り組んだ、複雑な流れを持つ川でフライを流すことが好きなようであります。
もちろんゆったりとした深みから、突如浮上してくる潜水艦のような溪魚の姿に興奮しないわけではありません。
底の見透かせないポンドタイプエリアで、大物への期待にワクワクしないわけでもありません。
しかしこの養沢やうらたんのヤマメクラシック、赤久縄のストリームエリアのような、自然渓流然としたフィールドが好きなのでありますな。
それは時に、キャストしたフライが岩の向こうの流れに乗って、視界から消えてしまうような流れであります。
時にキャストをするスタンスまでたどり着くのに、魚たちの視野を避けるためには・・・と少々考え込んでしまうような場所であります。
時に自分の技量では、キャスト自体を諦めなくてはならないポイントかも知れません。
さらに。
足音や息までを殺しつつ、不平を漏らすヨタヨタの足腰に無理強いし、這いつくばってにじり寄る足元や視線の先に、カディスや蜉蝣たちがいて欲しいのです。
他の水生昆虫や、トンボや蝶でも良いです。五万歩譲って百足やザトウムシでも我慢します。カワウや熊、スズメバチとかは勘弁ですが・・・。
沢山釣れることだけが楽しく、嬉しいのではないのですな。
季節的要因とも思いますが、今思い出してみればあの日のリヴァースポットにはどれもがありませんでした。
モノクロ化の進む景色と造成の行き届いた川と、沢山のフィッシャーと放たれた魚たちだけの世界に感じてしまったのでありますな。
決して釣り場評価云々をしようと言うのではありません。
今さらながらに、OSSANは魚だけに遊んでもらっているわけではないことに気が付いてしまったのでありました。
ようやく各地のフィールドは約束の季節を迎えて、小さな歓声に満たされつつあるのでしょうな。
もしかしたら、見えるか見えないかの、微かな光を発するものもいるかも知れませんよ?
その時は、文字通りの瞬間なのであります。
よくよく目を凝らして、注意深く耳を欹てなければなりません。
出来る限り近くに寄らねば見逃して、聞き逃してしまいます。
微かな羽音や着水音が、水面を割る音にかき消される様を目撃し、その後の余韻を聞きとらねばなりません。
騒がしいばかりの都会で、つまらん仕事をしている場合じゃないんだけどなぁ・・・。
いやはや。
どうもシーズン初めの養沢さんへ出かけると、おかしな心理に入り込んでしまいますな。
今年はどれだけの機会をモノにできるでしょうか?
一度づつの釣行を大事に、大事に釣っていこうと思い詰めている晩春の夜更けなのでございます。
コメント
ossan 様
ご無沙汰しております。SHIMAです。GW前養沢行ってたんですね。今年のブログ更新では、釣行がなかったので、仕事が忙しく行けないのかなと想像してました。私も養沢は3月に行きましたが、水がなく、あまり良くなかったですね。今年は、標識も出なかったです。GW前に鬼怒川本流へ行きましたが、気温急降下の状態でライズは2回のみ。竿は1回振っただけ。やはり本流は難しいと実感しました。それにしても貴殿は相変わらず、タックルの研究など枚挙にいとまが無いですね。でも今が一番楽しい時期と思いますよ。3月に上野村の道の駅下の特設に行きましたが、ここも水が少なかったです。関東は全般で、東北でも水が少ないようです。今週上野村へ行こうと思ってます。では
SHIMA様、こんにちわ!
娘の中学校生活がスタートし、ようやく先々のスケジュールが見えてきたところです。
休日に体力と財力が不足するのは相変わらずでありますがw
水不足心配です。梅雨にちょうど良い降り方をしてくれると良いのですが・・・。
詳細未定ですが、5月末に安曇野の自転車のライドイベントに併せて釣りをする予定でおります。
上野村も良いですね。羨ましい!8月に入る前までに、何とか一度行けないものかと画策しているところです。