すっかり寒くなってまいりましたな。
気がつけば今年も残り僅か。
「真夏の個人的禁漁」から明けて後、方々へ赴いて悶絶してきた記録をダイジェストしてしまいますな。
トラウトパーク軽井沢
シーズンも押し迫った9月後半には、再びトラウトパーク軽井沢へ向かいました。
季節を変えて赴けば、あるいは良い思いも出来るのでは・・・などと甘い期待を持っておりましたが、見事に返り討ちでありました。
夕方まで粘りましたが、年初からの「一日釣って一尾病」は継続中なのでありました;;
しかしこのフィールドはとても気分が良いです。
チョットだけタイミングを変えて、来年も伺おうと思っておりますな。
赤久縄
各地禁漁を迎えた10月初旬。今年初めての赤久縄へ参りました。
釣行を避けることにしている週末でありますが、季節の進行が早い気がして押して出かけたのですな。
案の定多くの人で賑わっており、過去訪れた時のような秘境感を味わうのはもう不可能でありました。
一番に入った渓流エリアで追い越され(声くらい掛けてくれても良いのにネ・・)貧果に終わった後、下流ポンドエリアでスカジットキャストの練習をして終了しましたな。
釣れはしましたが、昨年のような豊穣は感じられず、コンディションも今ひとつな魚ばかりでモヤモヤして帰ることになってしまいました。
やっぱり管理釣り場へは、週末は行かないことにしますな。
おじか・きぬ漁協C&R
そのモヤモヤを抱えたまま数日の後、以前より訪れたいと思っていたおじか・きぬ漁協C&Rエリア(通称川治温泉C&Rもしくはかわじいw)へ向かいました。
ここは会津へ向かう際に幾度も通った、121号線沿いの男鹿川に設けられたエリアです。
C&Rエリアを示す幟旗が道沿いに立っていて、運転しながらも川が気になって危なかったのですな。
いい歳こいたossanが、鰭ピン&大型の虹鱒が選別放流されているというフィールドを夢想し、前夜は楽しみで寝つけませんでした。
そして見事な完封負けを喰らいました・・・
今思えばもっと広くフィールドを探索すべきでしたが、朝イチに当て込んでいた駐車場をうまく見つけられなかったことと、「どう考えてもココに居るだろう」というポイントにこだわってしまいました。
自分としては珍しく、真っ暗になるまで手を替え品を替えして粘りましたが、川爺は見た目ほど甘くはないようであります;;
この経験はかなりコタエましたな。
おじか・きぬ漁協C&R その2
なので10日後にリベンジに参ることにしましたな!
折しも当日、箒川から転戦してくるという隊長氏、このエリアをホームの一つとするdekkachan氏、ジタバタしつつも外さないうまじい氏、かわじいの番人・ドライフライ豚土偶氏、山梨からの刺客ガチ氏・・・
Twitterでお世話になっている各氏が、一堂に会する賑やかな1日となりました。
生憎の雨に降り込められる中、数々の対策を練ってきたワタクシはリベンジが叶ったのか!?
そんなカッコイイ展開が、このブログにあるわけないじゃないですかww
全身びしょ濡れ、ガタガタヨタヨタ、悶絶の末に漸く掛けた一尾は・・
SAGE#5 剛竿の、ティップさえ曲げることなく飛んできたのでありました。
「ゼロよりは良い。ゼロとイチでは雲泥の差があるのだ!」
そう自分に言い聞かせますが、翌日の出勤では身体が重いこと重いこと・・・
うらたん
これはイケマセン・・・魚とのファイトを忘れてしまいそうであります。
体力と財力の回復と仕事を含む雑用消化を行いつつ、10月の後半には今年二度目のうらたんへ行って参りました。
新ロッドの試運転だからと己を言い含めつつ、たくさんの魚を釣りましたな。
穏やかな天候にも恵まれて、沢山の手応えを身体に染み込ませることができました。
魚とのやり取りの感覚が薄くなってくると大事な場面でリキんでしまい、合わせ切れやバラシに繋がってしまうと考えるのは私だけでありましょうか?
そんな言い訳めいたことを呟きつつ、この日は魚の写真を一枚も撮りませんでしたな。
「撮りたい」と思わなかったからであります。
少し前から、ワタクシの中で何かが変化してきております。
塩原漁協C&R
11月に入っても相変わらずフライフィッシングとフィールドのことばかり考えており、どうもこのままでは良い年越しはできそうにありませんw
勢いを駆ってもう1箇所、気になっていた箒川C&Rエリアへ行くことにしましたな。
こちらは那須塩原温泉郷を流れる箒川に設けられた、塩原漁協の管轄するエリアであります。
川治にしても塩原にしても我が家からは3時間弱の距離であり、1日釣りをした後は近場の温泉宿へ投宿でもできれば良いのですがネ・・・
そのような優雅なスケジューリングは、一年に何度も許されないところが辛い所であります。
何としても初フィールドで結果を出す!
鼻の穴を拡大させつつ降り立った塩原温泉郷には寒風が吹き荒んでおりました。
初めて訪れる川で釣果を得るのは難しいなと感じます。
フィールドの様々な要素を観察分析して、経験や知識の引き出しから使えそうなものを漁って攻略法を捻り出さなくてはなりません。
引き出し自体が不足しているのですから、それらがスンナリと導かれることは殆どないのでありますがw
大抵は当てずっぽうな戦いを挑んで悶絶する事になるのであります・・・
でも実はそれが楽しくもあり、かと言って全く釣れなければ苦行ともなり。
それでもその「初フィールド」ということに、どうも拘ってしまうのでありますな。
一つところに通い込むことで気付くことや、新たな発見もあるでしょう。様々な仮説もしくは作戦を試して検証していくこともできます。
自ずと打率も向上していくでしょうし、そのように生まれてきた土地毎の鉄板パターンが存在することも事実でありましょう。
しかしだからこそ、OSSANはこの「初めて」をとても大事にしているのであります。
初めて訪れるフィールドへ再び訪れたら「2回目」です。
その2回目以降には、初めて訪れた時の特別な感覚や驚きはないのであります。
そんな場所でうまくハマった時は、例えようの無い高揚が得られるのでありますな。
この箒川C&Rエリア釣行は、まさにそのような経験となりました。
流れの波立ちや強さ深さ、釣り人の数や辺りを取り巻く生命感の密度・・・ドライフライを早々に諦め、水中での勝負に徹する事にしたのでしたのでありました。
午後遅くになって風が止んだのが良かったのか、コンビニで買うおにぎりをマヨネーズ系から日高昆布にしてみたのが良かったのか。
ファーストフィッシュを手にするのに、朝イチから15時過ぎまで費やしました。
刻々と目減りしていく時間と残エネルギーへ対する焦燥感。
遠く見える釣り人達が次々とヒットを手にする様子が齎していた内心の嫉妬、妄執が一瞬で消し飛びましたな!
久しぶりに味わう、胸の透くヒットでありました。
夕日に照らされる流れの中で、うねりギラつき飛沫をあげる虹鱒特有のトルクが脳幹を痺れさせました。
この時久しく忘れていた「何か」が自身の中で身震いし、再燃したことを感じたのであります。
佐久漁協 千曲川冬季ニジマス釣り場
繰り返しますが、それらは滅多に味わう事のできない貴重な経験なのであります。
いい気になって訪れた千曲川冬季ニジマス釣り場では、ケチョンケチョンにされましたw
広大な中流域のフリーストーン・エリア(足腰にコタエるので苦手デス;;)を右往左往しましたが、いまいち魚の気配を察知できません。
ルースニング及びウェットのドロッパーリグで臨んでおりましたが、ピクリとも当たらないのでありますな。
ご一緒した隊長さんは朝イチに目の前で。うまじい(改め「上手じい」)さんに至っては、ライズを二度も仕留めているのです!
ワタクシが釣れないだけなのは明らかなのですよ・・・どうです? なかなかキマる状況でしょう?
信州のご意見番、凄腕の神さんが見つけてくれた、緩やかな流れに定位するグッドサイズ(自分からは見えませんでしたが)に挑むも
ゴボンっ・・・
図太い胴体に薄紅を掃いた大物は水面でのターン一発。渾身の我がアプローチから、いとも簡単に逃れていきました。
後には穏やかな流れに波紋が消えていくのみであります。
これが今年最後の釣行と覚悟を決めていた身としては
グヤジイィイ〜〜〜〜っ!!
(訳:悔しい)
辺り憚らず、悶絶と慟哭の叫びを上げるしかないのでありました・・・(うるさくてスイマセンね;;)
日が短いですな。
時間が本当に少なすぎるのです。
組み立てた作戦を微調整することは可能でしょうが、この季節の太陽のめぐりは速すぎます。
すでに体力も使い果たしておりましたな。
岩へ腰掛け諸氏と様々を話し、晩秋の澄んだ大気の彼方に連なる冠雪した山々を眺めておりました。
フタバコカゲロウのスピナーたちが、信州の盆地を渡ってくる微風の中で輝きながら昇降する様子に見惚れておりました。
もうひと月も経つと、この空から雪が落ちてくることもあるのでしょうな。
見上げながら、今日は単独行動でなくて良かったなとも考えておりました。
意識が揮発してしまい、取り戻せなくなってしまいそうな感覚がチョットだけありましたな。
気温も下がり始め、そのままタイムアップを迎えました。
千曲川は今年も微笑んでくれませんでしたが、しつこさには自信のあるワタクシであります。
また来年も伺うことにいたしますな。
皆んなして「さ〜て帰ろう」と歩き始めたその時、
ゴポ・・ン・・
それまで待ち続けていたライズが起こりました。 チラッと見えた魚体はかなりのグッドサイズであります。
が、フライを投じようとする者はおりませんでしたな。
今日の釣りはもう終わったのであります。
そしてあれは、来年にOSSANが釣る魚なのでありますな。
蛇足。
フライフィッシングを始めて数年。
不肖ワタクシも生意気に、釣れる魚の数やサイズのみを追い求めるマインドからは卒業しつつあるようであります。
コンディションの良くない魚を手にしても、日常で溜め込まれる心の澱は雪がれ難くなってきたことを感じた今シーズンでありました。
淡い日に透ける山女魚の尖った鰭に息を殺すように眼を瞠り、個性的な岩魚たちとフィールドのリズムで共振できる瞬間を夢見ております。
同様にC&Rエリアの虹鱒たちには、豪放なトルクを生み出す魚体の張りや圧倒的な重量感等で戦慄させてほしい。
そんなふうに願っている、霜月も終わりであります。