ヤマメクラシックⅡの山女魚ちゃんたちに全くもって相手にされず、失意のうちに昼食のカップ麺を流し込むOSSAN。
未だ満足な釣果は得られておりません。
午後は気持ち新たに、ミックスエリアを釣り下り、ヤマメクラシックⅠへ向かいましたな。
正直、参りましたな。
いくら今回は数が目的ではないと言っても、このままではあまりにも寂しい結果といえます。
朝一からまだ数匹しか釣れていないのです;;
このままでは終われん!!
カップ麺をすすりながら周りの釣り客の様子を観察いたします。
いつもであれば昼食は流しこむ。胃袋に詰め込むだけが目的でありますが、今回ばかりはちょいと体を休めることを考えなければなりませんでしたのでね。
「ん〜む・・・予想はしていたがどうもこれは厳しすぎる。OSSANとこの釣場って相性が悪いのかな・・・?」
「しかも今回休憩用のキャンプチェア忘れてきたなあ。どうりで家を出るとき軽快だと思ったんだ。当たり前だOSSAN、このばかちんが!」
「そうかそうか、青年たちはルアーなのだなあ。最近のロッドは随分様変わりしておるなあ。どことなくガンダムチック・・・そう言えばOSSANのabu トラウティンマーキスは何処へしまいこんでしまったのだろう?」
「おおぉ、なんと4人組の釣りガールとな!?しかもなかなかに格好もキメておる・・・時代は変わったのお。ここは一つお声掛けしてお友達に!」(してない)
「うは、、、このタイミングで放流かい!?今からコーヒーで一服と思っておったのに!」
とまあ、なし崩し的にお昼休憩を終える(←コレが良くないと思いますな。学習しなさいよ・・・)まで、竿を曲げている釣り客を見ることはなかったのでありますな。
この間約30分程だと記憶。視界に入っている釣り客約20人ほど。
やはり釣れないんですな。(たまたまだと思いますがネ)
暗澹たるきもちになりつつ、キャストだけは繰り返しミックスエリアを釣り下ってまいりました。
このように気持ちに焦りや乱れがあり、上流側からの風を計算に入れるのを忘れておるとどうしてもライントラブルに見舞われてしまいますな。
風に煽られ、ラインの軌跡はおかしな事になり、背中を釣り、修復不能な糸の絡まり方をしてしまい、、、何度もティペットを結び直す羽目になってしまっております。
どんどん良くないスパイラルに落ち込んでゆくような気分になり、更に焦ってしまいますな。
これは・・・釣りというものはメンタルの強さも要求されておるのですなあ・・・フライに限ったことではないと思いますが、なんという難しくも面白い趣味でありましょうかな・・・
いや、ちょっと待て。逆に考えればですな?
ここで爆釣パターンをつかんでしまえばですよ?
並み居る上手そうなアングラーたちに一目置かれ、羨望の眼差しを集め、ジリジリと距離を詰められ、ジリジリと逃げ回りつつも一躍子どもたちのヒーローとなり、釣りガール達からはキャーキャー言われ、サインと記念写真と握手をねだられ、管理の親父さんに詰め寄られ、フライボックスを隅から隅まで調べられ、望遠レンズの列が並び、激しいシャッター音とフラッシュを浴びせられ、それらからやっとのことで逃れたと思ってもヘリコプターが上空を旋回している・・・
というようなことになっていってしまうのではないか?
いや、それはそれで貴重なプライベートの時間を割いてゆったりとした休日を楽しむためにはるばるやって来ておるわけでもあり、非常に困ったことであるなあ・・いやはや、まいったことであるなあ・・・
などと起こりもしないことを連々と妄想しつつ、ミックスエリアを最下流まで釣り下ってきてしまいました。
はい。釣れません。
正確に言うと飽き始めた頃にポツポツとは釣れるのですが、釣れ方に納得が行かないんであります。
アタリが有っても乗らない。下顎にかかってる。バラシも連発。サイズもイマイチ・・・・
イカン。これはイカンですよ;
こういう時は流れをガラッと変えてみることにしております。
吹っ切れました。
バス釣りであれば、今までノーシンカーでスローな釣りをしていたのをいきなりビッグクランクベイトを引き倒す。ラバージグのリフトフォールをしていたのであればバズベイトで水面を引っ搔き回してみる!
まあ、大抵の場合うまくいかないんですがね・・・
ミックスエリアとヤマメクラシックⅠを隔てているのは自然石で造成された大きな堰堤ですな。
その上から景色を見下ろし、決心しました。もう此処から先は#16以下の小さなフライは使わないと決めましたな。
ティペットを0.8号まで上げ、先には先日巻ためたグリズリー・パラシュートを結びます。
苦労して作ったミッジフライの出番は今シーズンもうここ迄。性に合わないようですよ。
大きな橋がかかっておりましたが、ところどころ朽ちており、どうも信用ならない感じですな。手すりもない、高度も高い、足はヨロヨロ。
OSSANはこういうシチュエーション、嫌いですw
その橋の下を渡渉し、先行者2名が居りましたので魚の養魚プールがある広場を右手に見つつ大きく迂回。二名は対岸の大きな岩盤の下のエグレを狙っているようです。そのすぐ下流へ入りましたな。
養魚施設からの排水の流れ込みがあり、水温は高そうですが綺麗な感じはしないですな。
ここは一度も来たことのないこの管釣りの謎の受付直下になるようですな。なんだか怖そうな大型の番犬が数頭居りました。OSSANは犬は怖がる方ではないですが、吠えられるといい気分はしませんな^^;ご注意。
バックが取れない(キャストがしにくい)為、いくらかフライを木に取られつつ、ヤマメクラシックⅠの最下流まで一気に来てしまいました。ここは流程150Mしかなかったんでありますな;
しかし、今回のOSSANにとってのパラダイスはここにありました。此処から先は人工堰堤。ヤマメクラシックⅠのどん詰まりです。
湾曲した広めのプールとなっている場所でありました。木々からの木漏れ日がいい感じ。
春の鳥の声も喧しく、楽しげであります。
濁りのせいもあるのか、深さ、光線の具合も関係しているのでしょう。水底は伺えません。魚の姿も確認出来ないのですが、
気配がします。
それもかなりの大きさの魚の気配がします。これは確信です。
「捕りたい」
未だ見てもいない魚を本気で釣りたい。手に入れたい。と思いましたな。
何やら体中がザワザワと動物的な本能と力で満たされていくのを感じます。
血が流れています。
とても久しぶりの感覚です。
「ああ、こんな気分になるのは久しぶりだなあ・・・これが有っただけでももしかしたら今回ここへ来た甲斐があると言うものかもしれないなあ。」
おかしなものです。腰の痛みが引いていくのを感じながら頭のなかでそんなことを考えて居りました。
一発で決めなければ。
一番でかい奴がエサを取りやすく、安全な場所へすぐに逃げ込める場所に陣取っている。このプールならあそこの小さな落ち込みだ。
水の中だけにある落ち込み。白泡も立っていない。
岩が分けた上流からの流れが3つ合わさって、そのほんの少しだけ先で偏光グラスがなければ確認できないだろう岩盤からのテーブルドロップになっている。
あの構造なら川底もえぐれて深みになっているはずです。
手前のポイントから順にフライを打ち込みたい気持ちを抑えて、自分のキャスト限界能力と強くなってきた風の向き、バックスペースを考え流れを渡ることにしました。
手前のポイントは全滅でしょう。
でも良いのです。
あそこだけで勝負するのです。
姿勢を限界まで低くし、ポイントを凝視します。
風を待ち、魚の視線を遮ってくれるであろう水面が波立つタイミングを計りながら少しずつ歩を進めます。
風が吹く、一歩。また吹く、また一歩。
水底の砂泥を巻き上げて警戒されないよう。他の釣り人がこのタイミングで来ないことを祈りつつ・・・ゆっくりと、更にゆっくりと・・
目指す場所へたどり着き、フライを付け替えます。
数少ないそれらから一番まともそうなバランスの#14 グリズリー・パラシュートを選び、指先以外は微動だにせず細心の注意を払って結びます。
水中で立膝を付き、息を殺し、下半身全てで水温を感じています。
こんな姿勢は、長くは持ちません・・・
今度は風が止むのを待って、最低限のフォルスキャストでフライを届けなければ。
ラインを目測で引き出します。8Mか、9Mか・・・
止んだ。
一回、二回、三回、届いた、もう良い。レイダウン。
着水。狙いの箇所から2M上流。頼む。出ろ・・・出てくれ・・・
水面が静かに盛り上がりました。大きな魚特有の出方・・・!
焦るな。1・2・3・体に染みたスウィープフッキング・・・・
乗ったっ!
#3ロッドが満月にしなります。
!
!!
!!!
細身の身体からは想像できない、なんという力強さであったでしょう。
何度も、何度もジャンプし、エラ洗いかと見紛う抵抗を見せ、身を激しくくねらせ、プールを縦横無尽に走り回ったそのレインボーは35cm。
もしかしたら感じた気配の主では無いかもしれません。
いや、きっと違うでしょう。
でも全身で戦ってくれました。OSSANもまた・・・
結局今回の目的の一つ、山女魚ちゃんには会えませんでした。
でも良いのです。OSSANは満足です。
これで明日から少しの間だけ元気で居られそうです。
ありがとう。山女魚クラシックのレインボー。
ああ、もう良いですな。
これで、今日はおしまいです。
追記 :
この日帰宅する途中、その後、腰が痛いこと痛いこと;;
写真を撮ることも忘れダラダラと集中の両極端な釣行となってしまいましたな。フリー素材だらけの記事お詫び申し上げます(今更ですな^^;)
コメント
ヤマメ、出なくて残念でした(>_<)
だけれど、最後に見事なパワフルレインボー!
最後まで諦めない気持ちが素晴らしいですね。(見習わねば)
次回釣行では、ヤマメに出会えますよう祈念いたしております(^^)/
すぺっくるど様
ありがとうございます。気持ちはとっくに諦めておりましたが、フィールドに力をもらってるのですね。
これからもまだ見ぬ景色を求めて、ヨタヨタと突っ込んでまいります^^b