フライ・タイイングのキャリアの長い方々のデスクまわりの画像をWEBで拝見しておりますと、やはり皆さんボビンホルダーは複数個使用しておられるようでありますな。
中には20本近く使用されている方も・・・
かく言うOSSANはこれまでの約一年間、TMC製セラミック・ボビンホルダー 一本で勝負してまいりました。
正直、それで全く困っておりませんでしたな。
しかしある日、やはり「スレッドの入れ替えがめんどくさいなあ・・・」と考えはじめたOSSANも一本追加してみたのであります。
値段と見た目の愛らしさがなんとなく気に入って追加購入したボビンホルダーはコレ☟
OSSANの使用するスレッドは主に#6及び#8(数字が大きくなるほど細い)でありますな。これ以下の細いものも使用しますが、メインはこの2つの太さ。
ですが、TMCのセラミックチューブ使用のホルダーと比較して、このホルダーはものすご~く気を遣わなければならないということが分かってしまいましたな。
このホルダーの金属性のチューブはスレッドとの角度がきつくなると、それはもう気持ちいいくらいプチプチとスレッドが切れます。
バイスに固定したフックにぐるぐるとスレッドを回していく際、あらかじめ手で少々スレッドを引き出し、それを微妙なテンションを与えつつ、「今切れるか、今切れるか・・・」とヒヤヒヤしながら行わなければなりませんでしたな。
タイイングの作業効率向上、およびストレス軽減につながるであろうと期待を一身に受けていた後輩ボビン・ホルダーは数本のフライをやっとのことで送り出したのち、あっと思う間に「使えないヤツ」とレッテルを貼られてしまい、窓際へ追いやられてしまったのであります・・・
その後、コパー・ワイヤ及びフロス巻き専用ホルダーとして運用開始したのでありますが、その銅ワイヤーでさえ切れました;;
残念ながらお蔵入り決定。まさに安物買いの銭失いを地で行くこととなってしまいましたな・・・
これらの経験もあって、しばらくはボビンホルダー方向へ意識は向かわなかったのでありますが、ある日TMC製ホルダーの持ち手のゴム部品が外れてしまい難儀した末、瞬間接着剤を垂らしながら考えましたな。
やはり一本のボビン・ホルダーでこの冬を越すのは無理かもしれない(そろそろビジュアル的にも飽きてきた)。
ミッジ的な小さいフライを作成する時には現行ホルダーでも何度かスレッド切れを経験している(おかしな角度で引っ張りすぎなんだろソレ・・)。
何よりホルダーが二つ以上あるというアドバンテージを捨てきれない(どこがどう改善されるのかわかってないくせに)。
今冬のフライ大増産計画には新たなボビンホルダーが必須である!(単に日常のストレスが発散できてないだけだろ)
との結論に至り、C&F製高級ホルダーを購入してしまいましたな
結果を先に。
そのあまりの使い勝手の良さに驚きましたな。
購入したのは2サイズあるうちのミッジサイズ対応の方でありますが、#8、#10のスレッドも無理をしなければ切れる気がしません。
かゆいところに手が届くがごときその作り込みと精度。心地よいホールド感。
特筆すべきはスレッドの入り口にフォームらしきものが埋め込まれており、その隙間からスレッドを通すようになっておる構造でありますな。
これがあるおかげで意図しないチューブからのスレッド抜けを防いでおります。
これ、皆さんもご経験があるかと察しますが、良いペースで巻いている時に限って起こるんですな・・・
フィニッシュの際、テンションを保ったままスレッドを”ピンっ”と切った時や、ホルダーから手を放し、他の作業を終えて再びそれを手にするといつの間にかスレッドがチューブから抜けてしまっている・・・
ムキー(# ゚Д゚)!
こういう小さなイライラが我慢できない質であります・・・
それが見事なまでに解決されてしまいましたな!
もうベントアームタイプのボビン・ホルダーに慣れてしまっておりましたので「ああ、このホルダーにベントタイプが欲しいなあ・・・」と割と本気で考えてしまいます。
比較的先端部の重量を感じるバランスとなっておりますが、巻き始めてみるとそれもかえって心地よく、固定されたフックからぶら下げ、手を離した時の安定感もしっくりきます。(これはタイイングされない方には説明がちょっと難しいですな・・・)
ボビンを挟むアームの力具合も絶妙ですな。なんとテフロンコーティングが施されておるとのこと。
#8以上のスレッドであれば指でいちいち引き出さずともスムーズに回転して糸を吐き出してくれます。
スレッドを最初にチューブ内へ導入するボビンスレッダーもしっかりと付属されており、少し前にバラの格安品を購入してしまっていたOSSANは少々微妙な心境でもあります。
TMC製も相当気に入っており、”これ以上は必要ないなぁ”なんぞと考えておりましたが、これはもう圧倒的な差を感じてしまいましたな。
その分お値段もTMC製の約2倍と張るのではありますが、この作り込みであれば納得できるのであります。
TMCさんも最近¥6K以上するような超高級ボビンホルダーを発売したようでありますが、このホルダーより素晴らしいのでありましょうか?激しく気になってまいりました・・・
今までタイイングツールではCFT-70 3-in-1 ダビングブラシという製品でC&Fさんにはお世話になっており、「なるほどよくできておるなぁ」と思っておりましたがこれはさらに素晴らしい製品なのでありますな。
もし、これからフライ・タイイングに臨まれる方で、「この程度の金額は惜しくもない。」とおっしゃられるブルジョワな方であれば、是が非でもセラミックチューブ使用製品をチョイスするべきであるとおもいますな。
さらに、ボビンホルダーの本数をそれほど増やさない予定であると言うOSSANのようなタイプの方にも、所有する満足度や作業効率のずば抜けた優位性をもってして、比較的初期のうちにこのC&Fのようなボビンホルダーを手にすることは無駄な投資をしないためにもおすすめであるといえると考えます。
う~~む・・・
これほどまでにタイイング製品へのこだわりをもって設計されておられるメーカーさんなのでありますな。
それではその行為の核心、中心ともいえるタイイング・バイス・・・どれほど素晴らしいものなのでありましょうか?
素晴らしいんでありましょうな。お値段もまたやはり素晴らしいのでありますが。
サンタさん、来てくれないかなあ・・・
今宵もフライを巻き続けるOSSANであります。