遅ればせながら、「ハックル・ゲージ」なるものを手に入れてみましたな。
これまで、作成中のフライ・フックへ適当なサイズのハックルを一本を選び出すのは、そのケープごと持ち上げて数本の合いそうなストークをフックにあてて試してみるという方法で選別しておりました。
ひどい場合、まったくのカンで引き抜くことも・・・
いくら雑な性格であると言えど、いつまでもこれでは少々マズイ気がしてまいりましたな。
更にこの冬。
ある程度の”まとまった本数を一気にタイイングしてしまう”という、明るい家族(フライ)大増産計画の基本方針を打ち出したOSSAN。
これらのフライ作成におけるハックルストーク選定の際の非効率性を改善し、完成品の出来の品質向上および標準化に臨まなくてはならない必要性に直面しておるのでありました。
そこで導入するのがコレですな☟
後に知ることとなりましたが、各社製造を中止しておるようであります。さびしいネ・・・
TMCのこれは光沢のある素材からしてちょいとハックル・ファイバーの視認性が良くないんではないかなあ~と思っておったのであります。
しかし無いもんは仕方ないですな。
利点としての、ケープを平置きしたままどこの箇所も制約なく測ることができるということをもってしてバーターであるということといたします。
早速使用してみたのでありますよ。
そうしましたらね・・・
やっぱりファイバーが見えません・・・(号泣)
ゲージのカラーのせいでもあるのでしょう。
しかしながら、コントラストがきついはずのブラックのハックルをあててみても、やっぱり#18以下を指し示す目盛りも含め、よく見えないんであります!
・・・この期に及んでゲージのせいにするのは男として許されませんな。
ハイ。
またも近所のスーパー併設100均ショップへ出かけてまいりましたよ。
販売されているのを横目でチラチラと確認しつつ、しかし自身にはまだ必要ではないのだと頑として手に取らなかったそのブツ。
レジのおばちゃんの顔を直視しないよう、目深にキャップを被り直し、いかにも怪しい様子の客であったでありましょう。
嗚呼、なんということでありましょうか・・・
見えますな;(再号泣)
ゲージにあてたハックルどころか、バイスに固定した#20フックですら、今までのように手さぐり状態ではなく巻けそうに思えるくらいハッキリと見えます・・・
クイルボディの重なり具合やハーフヒッチした結び目まで見えますな。
フィールドでは仕方なく導入することとしたシニアグラスでありますが、それ以前の有効性に気付かされることとなってしまいました。
一年かかりましたな。
この心境へ至るまで、一年かかりました。もう金輪際、己の老いに背を向けるような潔くない言動はするまいと心に決めました・・・
カメラのマクロフィルター同様にピントの合う範囲は極狭く、不便は不便なのであります。
しかしその距離感さえつかんでしまえば今までの苦労は何であったのかというほどに快適にフライを巻くことができます。
そう、快適であります・・・
同時に、
なにやら背筋にうすら寒い感覚を覚えることもまた事実でありまして。
ラジオから流れ始めたクリスマスソングを聞くともなしに聞きながら、更に無口となりつつ。
暮れゆく休日をベランダから見送るのでありました・・・