CDC(Cul de Canard・カモのお尻の羽)フライ・・・釣れますよね。
それを否定するつもりは全くないのでありますが、実は苦手であります。
何が苦手って、タイイングする際のふわふわ具合が何とも・・・
それが良いんじゃないか!
ハイ。
解っております。
ですが、一つ一つの羽が大きさも、生えている細かい毛の様子もみんな一本一本異なっており、その調整に思いのほか手数をとられて作業効率が上がりにくいんですな。
リズム・効率よく巻くためには前もってこれらをサイズごとに分けて整理しておく必要が生じます。
ええ。
ズボラなOSSANはそんなことしませんとも。
初めから揃えて売られている高級品もありますが、手が出ませんな。
なので、いざ「ここでCDCを使うぞっ」という段になって、小袋から必要なサイズ及び数量を一々つまみだすと言う工程を、フライ制作一本ごとに行っております。
ドバっとトレーなどに出して作業をしておると、ふと油断したクシャミなどで、それはもう軽やかに、しかも思いのほか遠くまで飛んで行ったりしてしまうのであります。
指で毟って形を整える機会も多く、その細かくなった繊維が小学生を抱える我が家のリビングにフワフワと飛翔していく様には当て所ない怒りさえこみ上げるほどであります。
CDCを手にするときに水で濡らしてしまえば扱いやすくなると言うことも理解はできるのでありますが、これもせっかくのフワフワですので抵抗感があるのでありますな。
そんな心境でありますので、我がフライ・ボックスにはCDCを使用したフライのストックは非常に少ない状況ですし、通常のフライ・ローテーションの中には含まれておりません。
たまたま他のフライを見切った魚や、明らかにハックルのツンツン具合を嫌ってる様子が見て取れてしまった場合、そしてゆったりした流れや淵のポイントがあれば、
一撃必殺の使命を帯びて起用される
のであります。
CDCフライは一度水中に沈んでしまうと浮力の回復やその理想的な姿勢の回復は非常に難しくなってしまいますな。(対策が無いことは無いということですが、今後の検討課題であります。)
期待される性能を発揮する時間は他のフライと比較すると恐ろしく短いと感じます。
これらCDCフライの、労力も含めたコストパフォーマンスや使い勝手の悪さ、納得のいかなさが苦手意識を助長しているのであります。
惜しむように、恭しくつまみ出されたCDCフライ。
グッと唇と気を引き締め、歯を食いしばるようにして過剰とも言える気迫と共に送り出されるのであります。
それでもし結果が伴わなかったりした日には、その心の中はちょっと人様に言えないような悪態をつく文言で埋め尽くされていってしまうのであります。
風景の中でOSSANはいよいよ眉間にしわを寄せ、邪念と妄念の塊と化し、冷静さを失っていってしまうのでありますな。
これではいけませんな。
ただでさえ高血圧気味だというのに。
いいトシこいたOSSANが川縁で無様に倒れているわけにもいきませんのでね。
ここは一つ、CDCに対する苦手意識の克服、及びフライ・ボックス内在庫不足状況を一気に改善してしまうことといたしましたな。
苦手なフライでも、嫌というほど巻き続ければ新たな発見もあろうというものであります。
やるときはやるのであります。
計画上はCDCダンを2サイズ×5本×2カラー程巻いておくつもりでありましたが、途中で面白くなってきてしまって、海外のタイヤーさんが紹介しているパターンも交えて巻きつづけましたな。
CDCダンとCDCソラックスダン
upright wing ダン
CDCフローティング・ピューパらしきものを数本。
#16、#18の2サイズで46本の生産となりました。
ちょっと試したいパターンも出て来てしまったのでありますが、ここはグッとこらえてなるべく計画通りに進めてまいります。
しかし、やっぱりペースが上がりにくいです。
CDCは何だかタイイングのペースを乱す意思を持った特殊マテリアルなのではないかと考えるようになってまいりました。
集中力の維持も難しいでありますな・・・
楽しくはありますが、苦手意識を克服するには至っていないようであります。
マ、これだけあればあまり使おうと思わないCDCフライのこと、一年間の必要量は十分に賄える予定でありますな。
さ、次行ってみよ~!