メンドクサイを楽しみたい。シルクラインに手を出してみますな。

フライフィッシングは言うまでもなく

超絶メンドクサイ釣り

でありますな。

恐らく異論のある方は少ないのではないでしょうか。

その難解でメンドクサそうな細部を更に凝視してみると、「いやぁ、コレは大変なことになるゾ・・・」とすぐに予感してしまう、茫々とした広がりが待ち受けておるのであります。

ソレがどうしようもなくオモシロイのではありますがネ・・・

なぜかOSSANは今シーズン、

フライフィッシングをもっとメンドクサくしてみよう♡

などと考えてしまったのでありますな。

フライラインであります。大変高価な糸でありますな。

それは通常イメージされる釣り糸とは異なる、” 軽いもの(フライ)を遠くまで運ぶ ”という重要な役割を担っている糸だからであります。

引用はTIEMCOさんから。ちと小さいですな・・・。

現代のフライラインは、ダクロンやナイロンのコア(芯)にPVCコーティング等をされたものが一般的であると言うことです。

各メーカーさん毎に独自の表面処理等も施され、樹脂中に空気やウェイトを練り込んだり・・・

その手間のかかりようは他の釣り糸の比ではないのでありましょうな。

しかも釣り用のラインとしては比較的長持ちし、日本ではフライ・アングラー人口も少ない・・・

それらのことが理解できるまでは、ショップでその値札を見るたびに眩暈すら感じ、極限まで鍛え抜かれ絞り込まれた己の財布を恨んでおったのであります。

未だに少し名の知れたメーカーのラインは、偶々ワゴンセール等になっていないと決して手を出せないのではありますが・・・

そんなワタクシが今季より、まさに後方宙返り4回転半捻り飛び込み並の離れ業をカマしてしまうのであります。

なぜか唐突にシルクラインに手を出してしまうのでありますな!

ひとつの繭から糸を丁寧に取り出すと、その長さは800〜1200㍍にもなるそうです。〜GLadyによるPixabay画像〜

実は以前から気になっておりました。

現代ならこういった糸も作れるだろう・・・じゃあ昔はどうしてたの?と。

この辺も書いていくと大変なことになってしまうので端折りますが(ご存じですネ^^;)、どうやら直近と言いますか、近代と言いますか、フライラインにはシルクも使用されていたそうなのであります。

言うまでもなく蚕の繭から作られる天然動物繊維でありますな。日本での生産は1900年頃をピークとして、徐々に衰退していったそうであります。

そういえば親父殿の実家にはその昔、養蚕のための建屋が一棟ありましたっけ・・・。

そのシルクを使用したフライラインは未だ、細々とではありますが愛好するアングラー諸氏の間で支持され続けているらしいのでありますな。

一寸興味本位で調べ始めましたら、これが素晴らしくメンドクサイ代物。

細やかなメンテナンスが欠かせないというのであります。

  • 品のラインは数日をかけてグリスUPと乾燥を繰り返すべし。
  • 使用前にはエイジングしておくべし。
  • 使用中にラインの浮力が低下してきたらグリスUPすべし。
  • 釣行後にはすぐさまリールから引き出して良く乾燥させ、グリスUPすべし。
  • オフシーズンにもリールから引き出して保管すべし

シルク製フライラインの性能を維持し享受したいのならば、内角を狙いエグリこむように打つべし打つべし・・・!(古いですネw)

どうにも手間がかかるようなのでありますな。(フライラインへのグリスUPは「グリーシング」と言うようです。以下そのように。)

現在使用しているラインですら、メンテナンスを少しでも楽にできないか・・・などと常々考えているOSSANなのであります。

そんなダラシナイ者が扱える物なのでしょうか?

試してみなければわかりませんナ。

リーダーも二種、大人買いであります。

という事で、今年のハンドクラフト展で手に入れてまいりました。

矢野シルクラインさんのDT #3でありますな。

実はもう一つ気になるメーカーもあったのでありますが、今回はメイドインジャパンに拘ることにしたのであります。

編み目が見えますな。指でシゴくと、「ああ、ハンドメイド品なんだなぁ・・・」という事がビンビン伝わって来るのであります。

数本ずつの束となった糸が更に撚られているように見えます。もうココから普通のフライラインではありませんな。

テンカラのブレイデッド・テーパードラインにも似ていますが、もっとガチガチに編んでコーティングされている様子であります。

此奴に付属のグリスを指で塗り込んでいくのでありますな。

このグリスにも様々なものが用いられるそうで、その配合などもきっと企業秘密なのでありましょう。

新品状態のままでは張りが強すぎますな。愛を注いで手籠めにしていくのであります。

禁漁期~低気温~雨&残雪及び雪代~新ウィルスの蔓延~薄くなってゆく財布・・・。

出かけるタイミングの掴みづらいこの時期に、「うふふふ・・」などとほくそ笑みつつグリーシングを繰り返す日々はもう二ヶ月を超えました・・・

娘の視線が気になるものの、まぁ之はコレで幸せな時間なのかもしれないなぁ・・・と思うことにいたしましたな。

そろそろ次の段階に進んでも良いでありましょう。

エイジングであります。

製品にはその方法の説明が記された紙片と、練習用のシルクラインの切れ端が添えられており、どうも慎重に行わなければならない雰囲気なのでありますな。

しかしこれまで散々シゴいてきたラインであります。

その太さや編み込みの強度の変化、ところによる柔軟性が異なる様子等も、グリスとともに指先へ沁み込みました。

このエイジングの必要性すら、指先で理解できた気になっているのであります。

いきなり本番でありますな。

相手物に何らかのコーティングがされていると、高確率で痛める可能性があるので注意しましょう。

ハンドクラフト展ではロッドガイド等で行う事を丁寧に説明いただきましたが、ライン表面の凹凸のようすを思うと他の物を代わりにした方が良い気がしました。

ガイドの寿命を縮めてしまうのではと、小心者のOSSANは恐れるのでありますw

さて。

もう何度これらの工程を繰り返したのか、わからなくなってしまいましたな。

こうまでして、何故シルクラインと言うものを使ってみたいと考るのか?

現代のフライラインは圧倒的にシンセティック・ラインが主流なのですな。

しかしシルクラインは完全には淘汰されず沈潜し、一部では熱狂的に(?)支持されておるようなのであります。

そうであれば、使ってみなければわからないシルクラインならではのメリットと言うものがきっとあるはず・・・!

そう考えるのが普通だと思うのであります。

干してますw

それは何でしょう?

もしかしたら、シンセティックラインに対して抱いている不満を解決してくれたりして?

シンセティック・ラインにシェアを奪われていった理由とはいったい・・?

む~~~っ!

気になって仕方ないのであります。

何としても、ニワカ・アングラーなりに確かめねばなりません。

着々と準備は整いつつありますが、特別なフライラインのシェイクダウンは特別のフィールドでなければなりませんな。

先の見通せない昨今でありますので、少し先のこととなりそうであります。

フライフィッシングやシルクラインもメンドクサイのでしょうが、

自分の性格が一番メンドクサイ

のだと気がついてしまった穀雨の休日であります。

コメント

  1. FFfreak より:

    おはようございます。

    うわっ シルクラインそれもYanoラインですか!!
    まずはチャイナの方から・・ではなくフランスでもなく国産唯一じゃないですか。

    この場合の国産はスーペリアの意味ですからね。(ワダチノ世代は舶来品崇拝だったわ。ー幼少時においては米国製品がスーペリアでした。)

     昔お金持ちそうなFFマンが巻いていたのをみて、ワイヤのように見えてしまいました。エイジングが効いていたのでしょう。
     戦後には日本製芸者印フライラインがあったとも聞き及びますが、軽い番手はなかったでしょう。

     こうなると次はバンブーロッドになるのでしょうか??
    クラッシックタイプのリールも? 地獄の淵が水平線より間近になりますねー。

  2. OSSAN より:

    FFfreak様、こんばんわ!
    これまでラインに関してケチっておりましたが、とうとう我慢できなくなってしまいました^^;
    丁寧に扱えばかなり長持ちする・・という伝を信じて、可愛がっていこうと思っております。
    実はこのラインと合わせるロッドとリールも準備完了しているのですが、記事にするのが追い付いていないので;;
    バンブーロッドやアンティークリールも気になってしまいますが、さすがにそれは生意気に過ぎるというものです。
    もっと釣りに出かけることへ、予算もエネルギーも集中させるべきと反省しているところであります。

  3. fffreak より:

     シルクラインには10数年前に食指を動かされたことがありましたが、ハ ーダニングをしつづける自信がありません。
     高田バンブー(中古)とサラシオーネSCA(20年前清水舞台飛び降り)を眠らせたままです。
     水が飲めるような源流志向なので使うときがありません。もっぱらテンリュウ6ピースとマリエットMR7でシーズンに30~40日くらい精勤します。

     30分で行ける田舎なので思い立ったが吉日、雨が降ったら即出動でございます。年金暮らしは自由ですが、経済は不自由です。

    • OSSAN より:

      fffreak様おはようございます。
      30分で着けるフィールドとは羨ましい限り。
      そしてお宝と言える二品、頑張って来られた証しですね!
      手持ちのラインもですが、良い塩梅のラインストッカーが見つけられず困ってもおります。
      少し前にはショップに並んでいた記憶があるのですが。もう自作するしかないかなぁ・・・

  4. SHIMA より:

    SHIMAです。大変ご無沙汰していました。ブログは時々拝見してました。とうとうシルクラインに手を出してしまいましたか。小生も矢野ライン使用から5年以上経ちましたが、結構良いです。MOリーダーも購入したんですね。矢野さんが試作していた段階から注目していたリーダーで、私の感想を言えば、ソフトタイプは濡れるとロッドに絡みやすくなり、イライラすることがあります。MOは、少し固めで水への馴染みはソフトより落ちますが、使い易いです。グリスは色々試した結果、「リバイタライザー」が一番フィットとすると思います。シルク談義ができる方がひとり増えたので、楽しみですね。では

  5. OSSAN より:

    SHIMA様、お久しぶりです!
    はい。SHIMA様のみならず、信州でお世話になっている隊長@chikumagawa_riv様もシルクラインを使用してらっしゃり、そのラインループが目に焼き付いて離れなかったのであります^^;
    いきなり使いこなせるとも思っておりませんが、ダメにしないようには気を付けていかないと・・・と思っております。
    リーダー二種も手触りと言いますか、様子がまったく違っていますね。使うのが楽しみで仕方ありません。
    「リバイタライザー」ですね。情報有難うございます!
    ライン一本、リーダー一本、ロッド一本・・・見果てぬ広がりを嫌が応にも見せつけられるフライフィッシングは本当にメンドクサく、こんなにも楽しく奥深い。
    良い釣りに出会ったと、今更に何者かに感謝しております。
    先の見えぬ不安が世の中を覆っている昨今ですが、今期もできる限りフィールドへ向かいたいと決意しております!

  6. SHIMA より:

    SHIMAです。今は叶いませんが、何時か落ち着いた時に、また何処かでご一緒しましょう。それまでお互い元気でいましょう。当然ながらシルクラインの談義も。少なくとも、相応に使いこなした者でもありますので、実力は別にして、その時は多少は尊敬の念を持って接して頂ければ小生も気持ち良く釣りできると思いますよ。冗談です。では

  7. OSSAN より:

    SHIMA様、おはようございます。
    各々おかれた状況のなかで、なんとか踏ん張っていくしかないですね。
    また何処かで、経験や知見を(一方的にw)吸収させていただく機会を楽しみにしております!

  8. sasurai より:

    こんばんは。
    随分前の記事ですが、興味深い内容でしたのでコメントさせて頂きます。
    自分もシルクラインは持っているのですが、現場でトラブったらどうしようという事で、一度も使っていません。釣り場は源流部が多く、後戻り出来ないので。。。。
    シルクラインについて、一旦自分の中でも整理しておきたい意味も込めまして、書かせて頂きます。さて、物体が水に浮く条件を考えてみたいのですが、一つは水より重いかどうか(比重)、水と馴染む(親水性)かどうかだと思います。まず、比重ですが、シルクは1.3ですので、そのままですと沈んでしまいます。それと、親水性については、アミノ酸の集合体ですので、どうしても水分子と結合してしまいます。この点を補うためにミューシュリンをコートしているのだと思いますが、ミューシュリンの成分は調べても出てきませんね。確か、動物性油脂と鉱物油の混合物だったと思いますが、鉱物油の方は動物性油脂を延ばす、或いはラインの編目に浸透させる役割だと思います。良くラインを育てるという事を聞きますが、少しずつですが動物性油脂を編目の中に蓄積させているのではないかと考ええています。そして、フィールドで使っている内に、油脂が剥がれ、シルク(アミノ酸の集合体であるタンパク質)の一部が露出することで、水分子と結合し、沈むのだと思います。シルクラインが短時間でも浮いていられるのは、油脂が水を弾くこと、油脂の比重が水より僅かに軽いからだと思います。
    一方、シンセティックラインは、OSSANさんが記事で書かれている通り、PVCがコーティングされていますが、これはシルクよりも重い、比重1.4になります。シルクに対してハンデがあるのですが、これもこの記事に書かれている様に空気を含むマイクロカプセルを含んでおり、かさ密度(見かけの密度)を水よりも軽くする事で浮力を得ています。
    PVCはPEラインに比べますと水に馴染易いですが、シルクの比では無いですね。
    使ったことが無いので推測ですが、巻癖が付きにくい、空気抵抗が少ないというのが、シンセティックに対するアドバンテージでしょうか? サイエンティフィックアングラーズの最上位モデルになりますと、浮力やしなやかさは非常に良いものがありますが、巻癖は使用回数に伴って出る様になってきます。最上位モデルとなりますと、2本でシルクラインと同等の値段になりますが、自分は安価なライン半分と繋いで使っており、劣化したら先端半分だけ交換するので、実質半額になっています。
    シルクラインの空気抵抗が少ないのも少し気になっています。障害物が多い源流部で、ループをナローにしてシュート出来たら、気持ち良いのでは??? と妄想する事もあります。
    未だ興味はありますので、OSSANさんの記事を引き続きウォッチして行きたいと思います。
    長文、失礼しました。

  9. OSSAN より:

    sasurai 様、こんにちわ!
    シルクラインを使用して、2シーズンが過ぎたところです。
    釣行回数があまりに少ないので、使用感などは来シーズン終了後あたりに纏めてみようかなと考えております。
    このシルクラインが呼び水となってか、フライラインに対する興味も強くなってしまって、困っております^^;
    材質や製法などに関してはメーカーへ聞いてみないと分からないでしょうし、企業秘密もたくさんあることでしょう。
    制作現場を見学してみたい(ロッドとかもw)ものと考えたりしますが、素人の冷やかしに付き合ってくれる酔狂なメーカーさんがあるとも思えませんw
    其々想像に留めておくのも、凡人の楽しみのうちかなとも思っております。
    こんな調子ですので、インプレページではがっかりさせてしまうかもしれませんネ;;
    来季はライン回りのセッティングを変更してみようかと考えております。
    懲りずにお付き合いいただければ幸いであります!