春のうらたんざわ渓流釣り場を楽しんできましたな

解禁を迎える河川が増え、Twitter上は羨ましい釣果の写真で賑わっておりますな。

関東平野部では桜の満開まで秒読みであり、もう雪の心配はなさそうであります。

そろそろ鈍った感覚を呼び起こさなくてはなりません。

オフシーズンにイメージしていたことを試したり、準備したフライやタックルのテストをしておくのにも、勝手知ったる管理釣り場は大変便利なのであります。

うらたんざわ渓流釣り場へ行くことにいたしましたな。

例年は養沢でシーズンの始まりを迎えておりましたが、どうも大変な人出で賑わっているとのこと。

気難しい養沢の魚と人的プレッシャーを同時に相手にするのでは、かなりの高確率で返り討ちにあうことは想定に難くありません。

実際に昨年はケチョンケチョンにされましたのでな・・・;

あちこち被害を受けた国道も復旧が進んでおりました。

平日10時前の到着となりましたが、うらたんも多くの釣り人を迎えておりました。

だだっ広いエリアに数えるほどの人がロッドを振っていたかつての印象からは、隔世の感とさえ思えます。

それは経営的に大変喜ばしいことなのでありますな。

しかし密かに想いを寄せていた近所の娘が、いつの間にかファッション雑誌の表紙を飾っていた・・・かのような複雑な気持ちも湧いてくるものであります。

新生うらたんはトイレがリニューアルされたり、綺麗な休憩所も喫煙・非喫煙で2箇所建てられたりと精力的に環境整備を進めているようであります。

垢抜けてきたのは良いですが、デート代も値上がりしておりますな。

あまり遠い存在になられても困るのですがw

手が切れるように感じる冷たい川の中で、当然に魚たちはスローでありました。

底べったりに定位し、流下物を捕食している様子は見えません。

大雨による被害もあってのことでありましょう。魅力的な淵と岩盤、瀬がなくなってしまったことはとても残念であります。

流れを渡渉する他ないヤマメクラシックの入り口から、朝靄の中を遠く見透かす浅瀬で起こるライズを見るのが好きでありました。

魚が身を潜めるのに好都合な、大きな土管の沈む複雑な水流の淵で、あの大物とのリベンジマッチを夢見ておりましたな。

いくつもの土管は引き上げられ、あの藪の中に並んでいます。

フタバかタニガワでしょうか、尾のやたら長い蜉蝣がフワフワと舞っております。

ボ〜ッと眺めていると、沢山の「!」の字が飛び交っているように見えます。

暖かな日の光と川音に包まれて、蜉蝣たちの翅の輝きを眺めるのはとても良いものですな。

それはまるで夢見心地・・と言えば大げさでありましょうか?

実は彼らの姿の写真をコレクションしたいと考えており、適当な捕虫網を探そうと思い続けておりますが、未だ適当なものが見つからないのですな。

手で捕まえようとすれば意外にも難しく、かといって帽子等をぞんざいに振り回すのでは華奢な脚や翅にダメージを与えてしまいそうです。

ただでさえ沢山の釣りの道具を身につけて行動する必要もあり、現実的でないでしょうかな?

さて、釣りです。

今回確かめたかったモノやコトは、

  1. 特価入手・SAスープラLDL#3ラインとLDLリーダーと自身の相性。
  2. ミッジフライって本当に必要?
  3. ID884・#3 軟調ロッドの感覚再確認。
  4. 新導入ティペットのテスト。
  5. NEWウェーダーの試運転。

等でありました。

全部ここに書こうとすると又エラいことになりますので、3〜5については別の機会にするとして・・・

昨年出かけた様々なフィールドでは、よほど入り組んだ場所でない限り、できるだけリーダー&ティペットを長くした方が有利だなと感じておりました。

それは一にも二にも、狙った場所に落ちたフライがラインに引っ張られ、ポイントから外れてしまうまでの時間を稼ぎたかったからであります。

魚が出る場所というのは実は結構なピンポイントで、そこにフライが存在しないと出なかったり、出ても食い損なったりすることが多いのではないかと感じるようになったのですな。

良いポイントにフライが長く留まるほど、魚が出る確率が高まる気もしています。

これらは以前より、情報としては認知していたのであります。

ようやくその事が身体でわかり始めた・・ということでありますな。

どうでも良いですが、後付けのフックキーパーは今後使わないことにしましたな。麗らかな天候でありました。

頭上が木々に覆われているような場所を除き、基本的にはロッド2本分〜+α(多くの場合16〜18ft)くらいになるようにしていたことが多かったですな。

ロッド長にもよるでしょうが、この長さはロングリーダー&ティペット・フィッシングの入り口となる長さであるようです。

仕留めたいと思う魚が見えていない限り、自身にとって現状このくらいがフィールドでストレスなく扱える限界であります。

知覚できていないチャンスをモノにするために、今後はコレをもう少し伸ばしたいと考えたのでありますな。

かと言ってトラブル頻度が上がってしまって、そのリカバリーに時間を費やしてばかりでは血圧に良くありません。

現行のシステムをその釣法に向いていそうな道具立てに変更してみて、技術の不足を補うことが出来れば・・・と考えたのです。

まぁ安直に、道具に頼りたいということなのでありますな。

で、どうだったのかと言いますと

よくわかんないwww

これまでメインとして使用していたDT#3ライン+VARIVAS オールパーパス・リーダーの組み合わせと比較すると、ターン力は気持ち弱い気がしますな。

同等の長さにセッティングした場合、ティペットのスラックは入りやすいようであります。

ただ、それを狙ったポイントへ自在に繰り出せることは別のハナシであります・・・

ライントラブルの発生頻度は変わりませんし、(動画で拝見した)見よう見マネの舟形ループというものを作り出そうとすると、ライン先端が水面を叩いてしまう失敗をしやすくなるようでもあります。

この辺の感覚は一朝一夕には修正できなさそうな予感がしましたな。

練習あるのみであります。

「浮力を維持しつつライン径は細めにしてある」とのことですが、確かにそのように感じますし、ロッドへの荷重も捉えやすい印象を持ちましたな。

慣れていないせいと断言しておきますが、ラインのコントロール力は落ちましたw(風も強かったしネ・・)

久しぶりのID883ロッドと初導入ティペットとの組み合わせなこともあり、元より何事かを判別できるわけもないのでありましたな。

では魚が釣れないのかと言えばそんなことは全くないのでありまして。

頼むから、もっと大きいフライを食ってくれよ・・;;

13時を過ぎた頃、ようやくフィッシングビデオ・ポイントでライズを仕留めることができましたな。

ユスリカが食われていることを理解するまで、#18までのパラシュートダン、CDCガガンボ、スペント等を各色取っ替え引っ替えしましたがダメでした。

明らかなヤマメのライズであり、ココぞと二つ目の検証を行ったのであります。

7Xティペットを2ftほど継ぎ足し、イヤイヤながら結んだ#22グリフィスナット。

実はこの一週間ほど前に箱根の早川で解禁をもくろみ、同様の渋いライズを見つけて尺オーバーの虹鱒をかけたは良いが、フックを伸ばされるという経験をしたフライであります。

一日かけて虹鱒一尾・・・早川での獲物もGナットによるものでありました。

ラインを切られたのではないのであの時の懸念は当たらず済みましたが、なんとも後味の悪い負け方でありました。

初めてのフィールドを右往左往したものの、結局その日は二十数センチの虹を一尾キャッチしたのみ。

見事に解禁に失敗してしまったのでありますな・・・

線径の太いフックを選べばそんなこともなかったのでしょうが、この経験は

「出来ればミッジを使いたくない。ほとんど見えねーし!」

という気持ちが強化されるには十分な記憶となって、心に蟠ったままとなっていたのであります。

しかし困ったことに、このグリフィスナットは実績豊富だったりするのですな。

そして今回も様々なフライで挑んだライズを、アッサリとフッキングに持ち込んでしまいました・・・

やっぱりミッジは必要?

春先にはやはり必要なのでしょうな。

線径の太いフックも準備して巻いておきますか?

今あるフライを使い切らないうちはイヤですw

気温の上昇につれ、虫たちのハッチも増えましたな。砂礫で随分と埋まってしまったパラダイスでは、通常サイズのドライフライの釣りも堪能できました。

活性が上がったのではと魚の見えたポイントを探りつつ降りましたが、軽装なテンカラの人と数人すれ違ったこともあって無反応でしたな。

午後の区画エリアでもユスリカと蜉蝣の飛翔が多く、派手なライズが起こっておりました。

今後向かうであろう自然渓流で心を折られないため、今のうちとばかりワンキャストワンフィッシュ(誇張ですが)の釣りを楽しみましたな。

ロッドへの入力の仕方でラインの伸び方はどう変わるのか。流れによってリーダーから先がどう動かされ、フライはどう影響されるのか。

そして何故魚たちはフライへ食いつくのか。

考え続け釣り続けるうちに昼飯を食い忘れていることに気が付きましたが、面倒になってダイエットすることにいたしました・・

そうして#16のCDCカディスを流していると、デカイ顔がヌッと水面に飛び出しましたな。

無意識に合わせをくれるとバッチリとフッキングが決まり、、久しぶりに味わうトルクのある重量感が伝わってきます。

軟調ロッドを折れんばかりに絞りこみ、#4#5リールのドラグを軽々と突破します。

自然渓流や数年前の自分なら

よっしゃキタ〜!バレるなよコラァ!絶対獲るからなぁ!!

などと大騒ぎするところであります。

しかし何故か腕の痛みに耐える長いファイトの間中、そのアドレナリン放出や熱狂は随分と控えめなものでありました。

この数年で1番の大物でありました。#16のフライもコイツにとってはミッジなのでありましょうな。

広い区画を自在に走り浮沈を繰り返すその巨体に、手持ちのランディングネットは全く役に立たちませんでしたな。

かなりの時間をかけ水中に立ちこんでようやく横たえたその虹鱒は、どうやらドナルドソン種のようでありました。

約50㌢の立派な肉付きの虹鱒でしたが、惜しいかな胸鰭の欠損が目立ちましたな。

ありがとうナ

かなり弱らせてしまったはずの後ろ姿が深みに駆け込んでいく様子を見送り、またもしばらく考え込んでおりました。

飯も食わずに釣り続け、ヘトヘトになるまで楽しみました。

薄暮のエリアから一台また一台と車がエンジン音を響かせ去って行きます。

フラシを下げた若者が獲物を捌くため、丸太橋を行き交います。

きっと大漁だったのでしょうな。

いつかアイツも再び釣り上げられ、リミットの中に加えられるのでしょう。

そういえば、初めてうらたんに訪れた日と今日のOSSANに共通することは、人生で初めて手にしたフライ・ロッドのみでした。

グリップはだいぶ汚れましたがネ。

リベンジマッチは、これで終了ということにして良いのかもしれませんな。

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コメント

  1. Toru より:

    解禁おめでとうございます。私のフィールド、会津、山形は解禁はせまってきましたが、どうせまだいい釣りにはならないなということを思ってヤサグレています。東北ではおおらかな釣りができるからミッジはいらないと言う人もいますが、自分的には必需品です。とは言っても20番くらいまでです。ロングリーダー、私も挑戦中で6ft半のロッド三本分といっても19ftくらいのシステムでキャス練してました。ただ現場で使える代物かはわかりません。たぶんダメなんだろうな。
    それにしてもすごいニジマスで、最高の幕開けですね。うらやましい。

  2. OSSAN より:

    Toru様 こんばんわ。
    6フィート半ロッドで3本分は凄いです。私にはとても扱えません・・・
    ロングリーダー&ティペットでなくても釣れることは釣れるんですよね。
    ただ、これを自在に扱えるようになれば、もっとセレクティブな魚との出会いが増えるのかなぁと妄想しているところです。
    実はイマイチ解禁できた気になれません。やはり管理釣り場でない川で、ピンピンの魚を釣りたいです。
    雪が消えるのを待って、今年も会津へ行きたいと考えております。
    また雨に祟られないと良いのですが^^;

  3. Toru より:

    前年から自作リーダーの沼にはまっています。あれやこれや試行錯誤の末にこの長さでもターンできるものができたという感じです。OSSANさんが使っているバリバスやLDLのものだったら自分もターンできるか、わかりません・・。セレクティブな魚、乗らなかった魚、出る前に影だけ見えてドラッグで潜ってしまった魚、脳裏に焼き付いた釣りそこねた奴らを釣り上げてやりたいですね笑。同じ思いだと思います^^ただそこにチューンしていくことが楽しい釣りにつながるか、テンポ感はどうなのか、とか考えると意外と乗らない!バレた!も楽しいのかもしれません。(←達観?)
    会津は今年は雪が多かった分、いいシーズンになると思います。東北全体がそうなる予感がしています。ツールド東北の記事からも東北愛感じておりました^^。お越しになるときいい時期だといいですね^^

  4. OSSAN より:

    Toru様 こんばんわ。
    ファールドリーダー・・と言うやつでしょうか。モノフィラでノッテッドリーダーという方法もありますね。
    この釣りは細部に目を凝らしていくと本当に果てしなくて、やはりもっと早くスタートできれていれば・・・と痛惜の思いです。
    東北は雪深い故の厳しさもあるのでしょうが、それらが自然の瑞々しさにも繋がっているものと思っています。
    近頃は時の経つのがとても早く、あっという間にシーズンが過ぎてしまいそうです。
    タイミングを逃さないよう、今年も驚きを探しに行こうと思います!