‘23年 初春の釣りは2勝2敗ですな。

さて、始まりますぞ!

心待ちにしていた桜の季節は、随分とそっけなく過ぎ去ってしまったようなのです。気がつけば4月になってしまっておりますな。

3月には親族の不幸と、新たな職場で迎える年度末が重なることとなってしまい、ようやく落ち着いてきたのは最近だったりします。

とは言え、待ち侘びていたシーズンの開幕ですからな。冬の間に計画していた釣行をムリクリこなしておったところであります。

それぞれを単独ページに仕立てる余裕がありませんので、なんと乱暴にも、4釣行分を一つにまとめてしまうのであります!

一敗目・中津川C&R

今年の開幕は、私的初フィールドとなる神奈川県の相模川水系、中津川C&Rへ参りましたな。(相模川漁協HP・遊漁券はコンビニ等で買えます)

宮ヶ瀬ダムの下流部を、3月1日〜10月14日までC&R区間として指定したエリアです。

ポイントがもう少しバラけると(魚たちが瀬につく頃)、楽しくなりそうなエリアであります。 しかし標高の無い里川ですので、良い季節は短そうでもあります。

エリアをスタートさせた昨年は期間も区間も短かったようですが、今年からは大幅に規模と期間を拡大したようであります。

早朝に身支度をしている時に会った漁協のじっちゃんは、「今季は定期的にたくさん放流するから、楽しみにしてまた来てよ!」と話しておりましたので期待しておったのですがネ・・・

エリア規模が広い&様々なポイントも豊富ですな。全部歩いたので言えますが、魚の密度は薄いようであります。

虫が飛んでいない。ライズも起こらない。何をどう投げてもウンともスンとも言わない・・・これはアカンと早々に諦めモードに突入しましたな;;

少々意地になって上から下まで、エリアの全てを歩いてフィールドを把握したのみとなってしまいました。

周囲の景色から、梅雨時くらいが狙い目かもと思いましたな。

堤防の上を歩きながら遠い流れを凝視していると、メーター級かと思われる魚影を発見して驚いたりもしましたが、どう考えてもアレは鯉でしょうな・・・

片道2時間ほどと比較的近場ということもあり、期待が持てると思われるポイントを前に、珍しく夕方までライズ待ちをしてみました。

すると読みが当たり、薄暗くなりつつある水面へ山女魚の顔がヌッと現れましたな!

「もらった・・・!!」

極限の集中力をもって、全く見えないミッジフライのローテーションを繰り出しましたが、渾身のラブコールは見事にフラれてしまいました;;

すぐにライズは止んでしまい、‘23年初釣行の完全敗北が決定されたのでありましたな・・・

一勝目・養沢毛鉤専用釣り場

桜にはまだ早く、梅がほぼ満開。日差しが暖かな日でありました。

慌ただしく義父を見送った翌日、毎年恒例となっている養沢へと向かいました。

いつも大抵そうなので改める必要も無いのですが、なぜかこの日だけは一人で釣りに行かねばならないと決めておりましたな。

先行者のなかった早淵から入り、早々に良い山女魚を釣ることができました。

タン色のCDCダン#16にて。早淵の上流も区画されました。

しばらくまとまった雨の無かった養沢は渇水で、川床はどこも茶色のヌルにビッシリと覆われておりましたな。

頭の中ではアレコレと釣り以外のことを考え続けており、時折ヒットする魚たちが現実に引き戻してくれるような釣りでありました。

それが殺気を減じたのか、沢山の釣果を得られた1日でしたな。

早淵まで戻って昼メシですな。

この釣行でスタンプが(やっとw)満タンになりました。2016年に初めて訪れてから、なんと7年が経過しておったのですな。

様々なモノやコトが変わって当然なのであります。次に養沢へ来るときは、憧れだったゲスト釣行でありますな。

二敗目・鮎沢川C&R

SNSなどで見かけるようになった「鬼アマゴ」を釣ってみたいと、少し前から気になっておったのですな。

遊漁券はオンライン購入が可能なので便利ですし、エリアは御殿場方面でそれほど距離もない・・・ほとんど思いつきのように出かけて参ったのでありましたな。

そしてそれは大きな間違いでありました。

2箇所のポイントを広く歩いてはみたんですけどね・・;;

今思えばリサーチが足りていなかっただけなのだと思います。あまり無理なスケジュールを強行するものではありませんな。

初フィールドを目指すのであれば、少なくとも入渓点くらいはいくつもピックアップしておくべきでありましょう。

目指したポイントは川縁へ降りるルートが見つからなかったり、降りられても小規模なエリアに触れられる程度の場所でした。全く反応を得られず、魚影を確認することもできませんでしたな。

困ったなぁ・・と呟きつつ時間を費やし移動してみましたが、見るからに「釣れなさそう」な公園に到着してしまい、完全にテンションを失ってしまいました。

朝方こそ小雨もパラついていましたが、徐々に天候は回復し、気温も上昇しておりましたな。日頃の寝不足もあって、強烈な眠気に襲われてしまいました。

随分と高い昼寝になったけど、気持ちよかったなぁ・・・

日当たりの良い公園の駐車場で一眠りのつもりが、なんと3時間半も惰眠を貪ってしまいましたな。

スッキリした気分で目覚めると、浅い春の太陽はすっかり傾いており、釣りのための時間はもうそれほど残っておりませんでした。

ココは東京から見れば西方であり、高速は否応なしで渋滞必至の東名高速道を使うしかないのであります。

あまり悠長にしていると、帰宅が夜中になって翌日の仕事に響いてしまいますな。

この場所よりは良いだろうと、朝イチに入ったポイントへ急いで引き返し、薄暗くなってきた山間の流れへ再び降りていったのでありました。

あっちの方ね・・・

ほとんど諦めの心境で流れを見遣ると小さな蝙蝠が一頭、ハタハタと舞っておりました。

アイツがフライに飛び付いたりしたら嫌だなぁ・・などと考えておりましたな。

脱渓ルートを探しつつ尚もロッドを振っていると、不意に声をかけられてしまいました。

「ねぇ釣れるぅ〜?(原文ママ)」

そのフレンドリーな呼びかけは、ハリや艶を感じさせる、30代中盤ほどの女性の声に聞こえました。

今思い出しても、良いオンナの声に違いありませんでしたな。

「いえ・・・(まったく釣れなかったです )」

振り返って答えかけた言葉は、自分でも驚くようなドラマ臭い素振りで飲み込むことになりました。

そこは人が立っているはずのない、切り立った山間なのであります。

アレ??と思って辺りを見回してみましたが、人が身を隠せるような場所は視界中にありませんでした。

何よりその声の、すぐ傍で発せられた感触が残っています。

直後、それまで暖かだったと言うのに、身のすくむような冷たい風が下流から吹き上げてきました。全身が総毛立ち、震えがきます。

同時に悲しくて泣きたくなるような、何とも言えない気持ちが突き上げてきたのですな。

・・・いやいやいや・・・;;

シーズンが始まったばかりで、こういうのはイケマセン!

出来るだけ何も考えないよう、マインドセットをして急いで渓から這い上がり、逃げるように帰路に着いたのでありました。

鮎沢川漁協のシステム上、年券を購入するしかなかったのでありますが、この川へ再び訪れることはもう(少なくとも単独では)無いかもしれませんな。

二勝目・鬼怒川水系D谷

「やっぱりワシは北だよなぁ・・」

釣果的にも体験的にも散々な目にあったと思えて、勝手知ったるフィールドへ向かうことにしました。

早朝の峠越え。新調したオールシーズンタイヤは、コシが足りないようですな。

このような早期の、比較的標高の高いフィールドはまだ経験がないという動機もありましたな。

昨年以来の峠越えを快調に楽しんで、フィールドへ到着したのはAM9時頃。未だ冬季閉鎖中の林道入り口には、誰の車もありませんでしたな。

練習を始めたばかりと思える鶯の声を聞きながら流れに手を浸してみると、数秒で痛みを感じ始めるほどの冷たさであります。

水面に生命感は感じられず、ニンフのルースニングで釣り上がることにしましたな。

未だ渓は覚めやらず・・に見えますが、中々の好反応でありました。

道中では桜の盛りを追いかけ、季節を巻き戻しているように感じておりました。しかし標高を稼いだためか、いつの間にかそのラインを追い越してしまったようですな。

周囲の木々はまだ冬の装いであり、下生えの様子も昨年のままであるように見えます。

やっぱりまだ早かったかなぁ・・と思いつつもトレースを続けていると、マーカーが勢いよく吸い込まれました!

嬉しいなぁ。かわいいなぁ・・

随分久しぶりと感じる、小気味良い手応えを楽しませてくれたのは、今年初のイワナでありました。

20センチあるかないかの、この小魚の愛おしさ。

綺麗なオレンジ色のお腹。

見つめるほどにその表情に個性を感じ、色彩の奥行きに見惚れずには居れません!

サビを脱ぎ捨てつつある山女魚たちにもたくさん遊んでもらいましたが、一向にサイズが上がらないので罪悪感を感じ始めてしまいましたな。

サビの残る小山女魚も。

冬の間に萎えてしまった足腰のコンディションに不安があったことと、サイズUPを狙う為のポイントにアテがあったことから、早めに引き返すことにしました。

近頃は幸運のジンクスとなりつつある「昆布おにぎり」で昼メシを済ませ、大きく移動であります。

集落を過ぎつつ下流へくると、川には様々なものが流れ込んでいるようでありました。あまり清冽な感じの流れではなくなってしまうのは残念であります。

日当たりの良い場所であることと、ある程度水深のあるポイントもあることを知っておりましたので、午後には大物たちが動くであろうことを期待していたのでありますな。

そのトリガーとなるのは、やはりカゲロウたちのハッチでありましょう。

そしてそれは、午後用のタックルをセットしているうちに始まってしまいましたな。

いざ、勝負勝負!

浅瀬の水溜まりへ踏み込むと、夥しい数のニンフたちが逃げ惑う様子が見てとれました。

空中を乱舞しているカゲロウと、このニンフたちの関係性はイマイチ分かりませんが(本買ったんだから勉強しろよ・・・)、あちこちの水面でライズが起こっているのは確かなのであります!

認識できるカゲロウのサイズとカラーに一番似ていると思われた、バジャーハックルを用いた#16のパラシュート・ダンを投じます。

山中での釣りであった午前とは打って変わり、18ft前後のシステムを伸び伸びとキャストできることの悦びを感じつつ、数尾のライズを取ることが出来ましたな。

そして。

記憶に残るだろう、顔つきのカッコ良さ・・・

やはり「今日イチ」の魚は、ココで出てくれたのでありました!

精悍な顔つきや良好そうな魚体のコンディション。生き延びることができれば、この栄養に満ちたフィールドで、更に大きく育つことができるでありましょう。

もっと近くに、こんなフィールドがあったらなぁ・・・

当日初めて使用したネットから測るに25センチほどの岩魚は、悠々と流れの中へ戻っていきました。

この渓の、また異なった季節の表情を知ることができましたな。

次に訪れた時、あの岩魚は30センチ以上に育って、再びOSSANのフライを咥えてくれることでありましょう。

その次はきっと40センチオーバーでありますw

楽しみでありますな・・・!

と、いうことで。

いきなりおかしな体験もしてしまいましたが、今シーズンも許される限り、あちこちへ出掛けていきたいと考えておるところであります。

そしてできれば、完全丸坊主だけは避けたい・・・そのように願っておる、清明も過ぎでありますな。

コメント

  1. sasuraiflyfisher より:

    貴重な体験?と最後はグッドサイズで締め括られ、非常に羨ましい限りです。
    当方、シーズン初の岩魚狙いはカワイイサイズのみで、嫌な幕開けとなりました。

    • OSSAN より:

      sasuraiflyfisher 様こんにちわ。
      冬の間に鈍った身体がなかなか言うことを聞いてくれず、毎度ヒーヒー言いながらフィールドを彷徨っております;;
      魚のサイズは小さかったとしても、当年初の釣果は格別なものがあります(私はノーフィッシュでしたがw)。
      シーズンは始まったばかりです。今期も安全第一で参りましょう!

  2. しげ より:

    OSSAN様、こんばんは。
    精力的に行かれてますね!
    私は明日行こうと思っていましたが、天気が悪く中止しました(泣)

    鮎沢川、ヤバいですね・・・
    私の釣り仲間が良い思いをしていたので、行ってみようと考えていましたが、絶対に行けません(怖)
    足があり、半透明でなければお姉様にお会いしたいところですが…
    こういうことがあるので、私はイブニングはできません…
    ご無事でなによりです。

  3. OSSAN より:

    しげ様、こんにちわ。
    この釣りは季節を追いかける釣りでもあるのですね。時間が過ぎるのが毎年早まるようで、焦ってしまいます。
    鮎沢川は悪い川ではないですよw 上記の体験はピンポイントでの話です。交通量も多く人里離れたシチュエーションでもないので、それほど怖い場所ではなかったと思います。(ワタシはしばらく行きませんが・・)
    話は変わりますが、貴ブログはコメント欄閉じられていたのですね。自転車ページにもコメントさせて頂きたいと思うこともあり、少々寂しくもあります^^;

    • しげ より:

      OSSAN様、こんばんは。
      一年ほど前に人事異動があって、慣れない仕事にアタフタしていまして・・・
      いただけたコメントに、しっかりと返信できない状態でした。
      それでコメント欄は閉じていました。
      すいませんm(_ _)m

      自転車もご助言いただければ助かりますので、そろそろコメントできるよう変更しようと思います^^
      今日は、FIRE MOUNTAINにドロッパーシートポストをインストールしてみました。
      とっても便利になりました。