新調したパタゴニア ベストフロント スリングパックのインプレッションですな。
FF用初めてのパックがパタゴニアの Vest Front Sling となりましたな。
店でいじくっておって気に入った点として
- 生地が薄くて軽い、水濡れに強そう。その割に丈夫そうでもある。(撥水スプレーと相性が良さそう)
- バックパック内に防水パックが装備されている(パック自体も思ったより大容量)
- 前面にあるポケットは二重構造で思ったより容量もある。
- 余分なストラップをまとめられる工夫がされている。
- 何だか良く分からない造作だが物が色々ぶら下げられそう。
- 小さめのポケットも(探せば)結構ある。
- 何だか良く分からないけどカッコいい。
等など。
結構全体の造りは良いもんだなと感じました。ほぼ躊躇すること無く購入して参りましたな。
で、早速管理釣り場でシェイクダウン。
OSSANの持っている道具を全て収納しますと、結構スカスカでありました。
始めこそしっかりしたフィット感、前部ポケットの使い勝手の良さなどもあって「ん~やっぱり快適ですな~w」等と上機嫌で釣りに没頭しておったのです。
お昼ご飯20分ほどを除いて、ぶっ通しで11時間ほど釣っておりました。
そうすると、徐々にこのパックとOSSANの相性の悪さが露呈してきたのであります。
これからネガティブなことばかり記しますが、実際このパックはよくできていますな。
あくまでOssanの身体的特質と使用方法には合わなかった・・・というだけであります。
① これ、右肩に掛けること前提ですかな?
OSSANはビジネス用ブリーフケースから33Lカメラバッグ、愛用の頭陀袋も含め、全て左肩に掛けますな。
たすき掛けで、バッグは背中側に来るようにするのが一番しっくりきます。
何故か?
OSSANは右利きだからですな。
利き腕が自由になっておらんとイヤなんです。釣りの時は右投げ、左巻きを貫いています。
正確に力強くロッドを操作できます。とっさのリーリングでも、竿を持ち替えることなく対応できるからですな。
ロッドを操作する重要な仕事を右腕(右肩)に任せている以上、それ以外の仕事は左腕(左肩)に担ってもらいたいのですな。
でもこのパックはそのように作られていないのです。
敢えて左肩に掛けてみましたが、見事に機能性が損なわれましたなw
前部、後部のファスナーすべてが斜め下向きになります。無理して開ければ中の物を取り落としそうになりますな。
バックパックにアクセスしようと全体をグリンと回す(スリングする)と、ファスナーは真下に位置することとなりますデス。
こりゃアカン;;
右肩専用でありますね。 アイ・アンダスタン・・・・
② 上記の「グリン」動作で常に不安を覚える
まあ、バックパックにアクセスする頻度の高いものを収納しなければ良いハナシなのでしょうけどネ・・・
どちらからスリングさせるにしても、肩の上を通過するフロントポケットのベルクロの保持力が持ちこたえてくれるか、中身が飛び出してしまわないかと、その都度に不安になってしまいます。
色々なツール(フォーセップやフロータント類)もぶら下がっており、それらが各ホルダーから外れてしまうこともありました。
ショックコード等でアンカーしているとはいえ、あまり頻繁にこういうことをする使い方には向いていないと思いますな。
ランディングネットをマグネットリリーサーで保持するのであれば、回す勢いによっては吹っ飛びますw
③ 肩のベルト部分の生地、少々薄くないですかな?
人間の体と言うものは足二本・腕二本など、神様は概ね左右対称にこさえてくれたようですな。
そこへ「片方の肩へ重量のあるものをひっかけて保持する」というスリングパックの特徴が作用してくるわけであります。
パックが右肩専用の造りであったならば、「ちょっと疲れたから反対の肩へ」ということはできなくなりますな。
いくら軽量に作られているものでも、長時間の使用ではとても大きなストレスとなってのしかかってくるようです。
体力溢れる年代であれば苦にもならなかったでしょうが、OSSANにとってそれははるか遠い昔の事なのでありまして・・・・
重心はほぼ体の中央へ来ていると思えるのに、ダメでした。
一日の釣行が終わる頃、肩にはヒドイ疲労感が蓄積されておりましたな。
クッションのほぼ無い薄いショルダーベルトでは、長時間の使用には向いていないように思えます。
④ 前ポケットはもう少し下部へ位置して頂きたい。
フライパッチの装着位置が、右鎖骨下辺あたりの位置に来ます。
交換したフライをパッチに固定しようとしたときに、目線がどうにも窮屈でありますな。
眉間にシワを寄せて覗き込むような形となり、口がひん曲がってしまいます。
これをクリアしようとすると上記のショルダーベルトを長くするか、パッチ及びポケットフラップの取り付け位置の始まりを、かなり下にしないとイケナイことになりそうです。
日本人より大柄な体格であることの多いアングロサクソン系の方々はこのサイズで平気なのでしょうか?謎です。
もしかして初心者OSSANのように一々目視などせず、手探りだけでフライをパッチに刺しているのですかな?
同様にフロントポケット位置は、おヘソ辺りがよかったなと思えるのです。パッチも含め、もう少し全体に下方へ設計していただきたかった・・・
バックパックに重量のかさむものを入れれば当然、「ヤジロベー」のように更に後ろに引っ張られる事になります。
更にポケット位置がズリ上がってきてしまいます。(これはサポートベルトを外している場合です。移動等で両方のバックルを接続すればこの欠点は多少和らぎますな。)
なのでせっかくの容量があっても、それをフルに活かそうとは考えられないんですな。
あとですね、バックパック内の防水パックにOSSANの長財布は入りません;
結論としましては、短時間勝負の釣行ではフィット感も良く軽快で良いかもしれない。
が、長時間や荷物の多い釣行では選択できないパックである・・・と言うことになりましたな。
愛すべきマウンテンパーカーのように、ヘビーローテーション候補とするギアとしては、体力的にも出会うのが遅すぎたようであります。
なんとも惜しい。なんとも残念・・・
パタゴニアだけに、テンカラ専用のバッグとして使うには良いかもしれませんな。
FFよりずっとツールの種類や重量も少ないでしょうからネ。