日、一日と街路樹たちの緑も濃くなり、力を増してきた日の光と織りなす陰影がクッキリハッキリしてきましたな。
桜の梢はさらに輝く葉のみとなり、仰ぎ見られることは来年までないのでありましょうか。
今はツツジが噴水のように咲き競っております。春型の黄揚羽も飛び始めたようであります。
20℃を超える日中に、様々なものがこびり付いて痛くて渋くて不快な全身を、優しく拭ってくれるかのような春風も、身震いするほど心地よい季節となりました。
もう、一年中この晩春の気候であればいいのに・・・と思うOSSANであります。
そんな最高の季節。
ゴールデンウィーク初日に珍しく釣行に出かけてまいりましたな。
いつもは混雑を嫌って週末、祝日は避けるのでありますが、この季節の釣行頻度を上げておかないと後々悔いを残してしまいそうでありますからね。
都心部よりの脱出渋滞に巻き込まれるのはなんとしても避けたい・・・と言うことで5時出発であります。
それでも始まりかけている高速道路の混雑を間一髪抜け出し、桜と新緑を追いかけて・・・
思いを胸に向かう先は昨年大変に悔しい思いをした(大抵どこでも悔しかったのでありますが・・・)群馬県の秘境、
赤久縄さんであります。
あの時の大物をヒットさせても大丈夫なように、前夜は念入りなタックル整備とイメージトレーニングを行いました。
ただでさえ大きな鼻の穴を更に広げつつ、気合は十分なのであります!
・・・しかし2~3日前から腰と膝が痛いのでありますな・・・
特に膝がマズいです。
今風に言うとヤバいです。
腰はベルトでがっちり固定。膝は湿布&痛み止めの塗り薬・・・すでにスタートから満身創痍の態でありますな。
カッコ悪いですネ。
でも、もう気にしませんよ。
もし壊れてしまったら、その時考えることとしますな。
この歓喜の季節のフィールドへ出かけないことのほうが、よっぽど精神的ダメージが大きいと言うことを昨シーズンに経験して分かってしまったからなのであります。
本日、このエリアは初という釣友とタンデムと言うこともあり、先行してもらうことといたします。
なかなか人の釣りをゆっくり観察するという機会もありません。これはこれで己の普段の釣りを振り返る良い機会となるのではないかと思いましたな。
実際は自分の事で精いっぱいでそれどころでは無くなってしまっていたのでありますが・・・
午後から大気が不安定になり、落雷等に対する注意報も出ておりましたが、朝のフィールドには賑やかな鳥たちの声と擽られるような流れの音、溢れる陽光、心地よい風・・・
最高であります!
昨年の記憶と比べると、そこかしこの渓相に変化が見て取れ、更にかなりの減水でありますな。流れの緩い箇所には藻類の付着も目立つようであります。
そしてうって変わって、流れに魚の姿を見つけられません。
いや〜な感覚に気持ちが蝕まれます。
先攻ドライ、後攻ニンフ&ウェットで釣り上がっていきますが反応もなく、今日ここへ来ようと提案した私は少々申し訳ない気持ちとなり始めておりました。
しかし!
さすがこの世界にOSSANを引っ張り込んでくれた張本人でありますな。尺まで@1センチ!のOSSANが見たこともないような見事な岩魚をキャッチであります。
この後、良い型の山女魚もキャッチ。ホッと一安心であります。
あとはワタクシが釣るだけなんですが、お分かりですな?
事はそうウマくいかないようになっております。それがまさにOSSANの人生そのものなのであります・・・
やっとのことでフェザントテイル・ニンフにて岩魚クン一尾・・・あとは3バラシ・・・どうにもリズムが合わないまま、エリア終点まで来てしまいましたな。
以前wind knot様に教えていただいた通り、流れを渡り返して餌釣りエリアへ抜けました。減水で良かった・・・と思った、ただ一つの出来事であります・・・
この日、新調したフォックスファイア・デリュージ・レインスーツの上着をアウター・シェルとして初めて使用しましたな。
遡行の運動量からの発汗に対し、透湿性能はやはり不足気味であったようであります。(単にビールの飲みすぎなんだろソレ・・・)
しかしこの汗っかきなOSSANの体質でも透湿性が機能していることは感知できましたし、ウェア内がビチョビチョになるようなこともありませんでしたので、やはりコスパは良好であると言えそうであります。
今を盛と咲き誇る沿道の花々と、いい気なものだということを承知のうえ長閑で羨ましい山里の風景を楽しみつつ車まで戻り、ゆっくりと昼食休憩であります。
ずいぶんと車が増えておりますがほぼ地元ナンバーでありました。根強いファン層をもっておられるようで、良いことでありますな。
今日は時間一杯までこの気持ちのよい釣りが続けられるという充足感が、満腹感と同時に全身を満たします。
さて。
午後は入渓点下流域〜再び遡行するか?
それともポンド・ダムエリアの様子を見に行くか?
やはり未だ見ぬこの釣場の全容を押さえて置くことといたしました。
OSSANは止水の釣りが苦手であります。飽きちゃうんですな。ヘタッピなので飛距離も稼げません。
ですのでポンドもダムも流れ込みが絡むポイントのみを集中してあれやこれやフライローテーションしながらイジって見ましたが、これまた失敗してしまいましたな。
止水エリアの様子を写真に撮ることを忘れてしまいました;;
それほどに集中して釣っていた、釣れたということでもあるのでありますが。
ニンフ、マラブー系のルースニング。#16以下の小さなCDC系ドライに反応が良かったです。しかしルアーも含め相当プレッシャーがかかっているようで、ローテーションをサボるとあっという間に反応が無くなってしまうようであります。
そして圧巻は最下流のダム。
赤久縄さんのHPで説明されておりますが、ここには大物が数多く放流されておるとのこと。
#3タックルのまま様子を見に来てしまい、ズルズルとタイムアップまで釣り続けてしまったことを後悔いたしましたな。
結果的にはここでキャッチ出来たレインボーは最高で34㌢までであったのでありますが、そのファイトがとんでもなく強い。
このサイズでもハコスチと呼ぶ種なのかどうか不明でありますが、止水に暮らしておる割に泳力が強過ぎダロ・・・と感じます。
尾びれが立派で、上下の欠損がありませんな。
スレで背中側に針掛かりしてしまったときには参りました。腕が痛くなりプルプルし始めてもなかなか寄ってきませんでしたな。
イヤ、もうホント勘弁して〜;;
根性の少々足りないワタクシは泣きが入りましたヨ・・・
もしかしたら別系統の魚なのかもしれませんが、恐らく水中でハコスチ達と研鑽しあっているのでありましょう・・・
これは辛い。ほんとに辛い。
車に積みっぱなしの#5タックルのことを思い浮かべ後悔しつつ、やっとのことでキャッチするとほぼ同時に、タイムアップの声が掛かりました。
17時。
山端に日が沈み夕闇の気配を感じはじめる、フライフィッシングにとってはこれからが
愛と歓びのゴールデンタイム突入!
一寸ミチヨちゃん、ドンペリ用意しといてね!(何)
と身構えるのですが、非情にも打ち切られてしまうのであります。
駐車場まで引き返す道すがら、カゲロウ達のハッチと昼間には少なかったそれらに対する活発なライズを指をくわえて後にするしかないのでありました;;
ああ・・できることであれば赤久縄さんにはサマータイム導入、イブニング営業導入の是非をできるだけ前向きに検討していただきたいところなのであります・・・
もちろんそうでなくても2つの宿題(流れの中とダムの大物)を与えられてしまったようなものでありますので、通いたいとは考えておりますが・・・
充実した休日に満足と感謝の念を懐きつつも、ないものねだりな罪深い我が心はまたもや新たな悶絶案件でかき乱されつつあるのでありました・・・
さて。
また少し元気の貯金が出来ましたよ。
早くも少なくなってしまったニンフ達を巻き足すことといたしましょう!