思えば、この夏には一度も釣りに出かけていないOSSANであります。
それもこれもこの9月に、総集編としてのソロキャンプ&ネイティブフィールド・フライフィッシング第2弾に思いを賭けていたからなのでありますな。
その希望もあっけなく打ち砕かれ、鬱屈し続ける自身の精神状況に危機感を募らせ、以前より気になっておった管理釣り場の一つ、
群馬県・ようらくさんへ単身、挑むことといたしましたな。
また管理釣り場相手に大げさな言い回し(今さらですがね・・・)とお思いでありましょう?
しかし!
ようらくさんのHPをご覧いただきたいのでありますな。
愛と情熱にあふれ、情報量も多く、コンテンツ各文に散りばめられたカタカナ英語は、かつての”ルー・大柴さん”を彷彿とさせる暑苦しさであります(失礼!)
そのあまりの情熱に、とても見にくくなってしまっている(人のこと言えないだろ!)と感じるそれらのページからは、
♡初心者オコトワリ♡
・・・という雰囲気がひしひしと感じられ、今まで足を運ぶことが叶わなかったのであります。
「これはちょっとばかり、生半可な気持ちで行くと痛い目に遭いそうですな・・・」
かつてTOKYO・トラウトカントリーさんへ出撃するも手も足も出ず、文字通り痛い目にも遭ってしまった苦い想い出が脳裏をよぎりましたな・・・
しかし、日常のフラストレーションにまみれ切った末の今回の釣行は、
”初めて訪れるフィールド”
である必要があったのであります。
それについてのエクスプラネィションや詳細なる心のエモーション、決心へ至ったカタリストの事情等は、皆様のイマジネイションにエントラストしてしまうのであります。(スイマセン。もうやめます)
ようらくさんは8時オープンとのことで、ゆっくりと6時に出発。
ちょいとSAでゆっくりしすぎて、10時前の到着となってしまいましたな。
受付棟へは枝道に逸れ、急坂の先にありました。
人懐っこい中型犬数頭にジャレつかれ、服を泥だらけにされてしまいましたがね。可愛いので許してしまうのであります。
3代目さんでありましょうかな?初訪問であることを青年へ告げましたが、フィールドマップ等の用意は無いようでありました。
駐車場と言えるスペースはなく、切り返しにヒヤヒヤしたことを申し添えておきます・・・
ちょっと聞いただけでは、わかったようなわからないような「~から下流はどこで釣っていただいても良いので・・・10時ころには放流に行きますから・・・」という説明を頂きましたな。
併設されるオートキャンプ場広場で身支度を整えて、いざ浸透・・・と思っても車をどこへ停めて良いのやら・・・
ボブスレーのコースを彷彿させるような林道を、結構な距離戻り下ってやっと見つけた路肩のスペースへ駐車しました。
これはあとで帰宅してからHPで確認したのでありますが、②の区間最下流堰堤上からスタートしたようであります。
逸る気持ちを抑えつつ、林道から初めての溪へアプローチする時の高揚感。期待感。そして不安感・・・
何度味わっても良いものであります。
たっぷりの湿り気を帯びた落ち葉に足を滑らせて痛烈な尻もちを搗くことも、もうお約束と言えるようになってまいりましたな(クソッ・・・)。
前日の東京は断続的な強い雨に見舞われておりました。
あるいはこちらへも影響があるかと考え、多少身構えておりましたがそれは取り越し苦労でありましたな。
いやはや、何とも。
噂にたがわぬ水の透明度であります。
鬱蒼と頭上を覆う木々の梢には今日、生まれたての日光が燥いでおりワクワクが止まらなくなってしまいますな。
秋分を過ぎた船子川は、瀬あり落ち込みあり、ゴルジュあり堰堤あり・・・やれ嬉しや。
本日たった一人の釣り客を存分にもてなしてくれる気のようであります。
キャストを始めて程なく。
歩きやすかった区間では反応が得られないまま進むと、倒木が行く手を阻む先に小さな滝壺が見えました。
倒木の先には巨岩へのブッツケの流れが見え、その下は大きなエグレとなっています。
油断しておりましたな。
滝つぼから続く美味しそうな流れにフライを乗せようと、不用意に近づきすぎてしまいました。
40㌢はあろうかという大物が、手前の岩盤下から滝つぼの白泡の中へ駈け込んで行ってしまうのを、ハッキリと見てしまいました;;
あああ~!やっちゃったよ~~!!
やっぱりワタクシ、フィールドでは独り言が多いのでありますな・・・
しかしここから、あのような「大物もキッチリ用意されている」ということが分かってしまったOSSANの集中力は一気にトップギアへシフトしてしまったのであります。
「初心者には難しいよ?」「ティペット6Xじゃ話にならないよ?」と言われているようなHPの警句とは裏腹に、サイズこそ少々物足りないものの順調な釣果に恵まれていったのでありますな。
とりあえず・・・とセットした7Xティペット。気分でローテーションする#16、#18の各色・パラシュート。
この流れにおいても大場所と思える淵等のポイントより、スキップしてしまいがちとなる どうという事のない瀬尻に絡むプラスアルファ等を丁寧に打っていく方が魚からの反応を得られることが多いようであります。
午前中はこの釣場の全体像をつかむため、パラシュート及びカディス等ドライフライでポンポンと②・③の区間を釣り上がってしまいましたな。
魚のサイズによるのか、#16ドライではフッキングに持ち込めないことも多く、それでは・・・と#18に落とすと今度はフライを見失いがちになる・・・
ジレンマであります。
そうこうするうちにもう一尾、恐らく40㌢弱の大物を発見してしまいましたな!
冒頭の入り組んだポイントと異なり、ヒットさせることができれば余程のことがない限り取り込めそうな小規模堰堤のプールであります。
下流からの高低差を利用し、立膝ほどまでに姿勢を低くしてにじり寄り、コチラの存在を悟られないままパラシュート・フライを水面に浮かべることに成功しましたな。
しかしペアリング行動でありましょうか?他の小さめな魚を追い回している素振りの大物は、OSSANのフライに見向きもしてくれないのであります💢!
やっぱりスレてるんでしょうかな?
数度の打ち返しの後、別の山女魚がヒットしてしまい狙いの大物は白泡の下へ潜り込んでしまったようでありました・・・
仕方ないですな。
今日のラストまでしばし勝負はお預けとし、場所を休ませることといたします。
この日、OSSANは大失敗をしでかしておりました。
藤岡ICを降りて程なく、閉店セール中のセーブオンでオニギリを確保した(棚にカップ麺すら残っておりませんでしたな・・)までは良かったのでありますが、飲み物を買うのをすっかり忘れてしまっていたのでありました。
真夏の日射と気温から比べれば、ずいぶんと過ごしやすい気候となっておりますが、ソコソコの運動量ともなる川釣りにおいてこれはクリティカルであります。
午前中は何とか我慢もしましたが、だんだんと汗も出なくなってきてしまいましたな。
こう言うのはマズいですな。さすがに林道と462号の出会いまで引き返し、自動販売機のお世話になりました。
見渡せば天然のミネラルウォーターだらけなわけですが、上流に養魚場がある川の水・・・飲みませんなw
こちらへ行かれる方、夢お忘れ物の無きよう。
時は金(魚)なり・・であります;;
さて。
ようらくさんはどうも餌釣りをメインに捉えられておるようでありますな。
エリアに割り振られる、それぞれの区間数からもそれが伺えます。
フライフィッシングにあてがわれる区間は①・②・③・④(上記MAP参照)
③区間の最上流にある、今は使われていない様子の橋の上でオニギリを食べ終わった私は、④のフリー区間を釣り上がって引き返す予定でありました。
・・・でもですね。
行けませんよ、ココ;;
水量にもよるのでありましょうが、川中を直登出来ないことを悟った私は左からの巻道を進もうといたしました。
しかしその踏み跡らしい踏み跡も無くなっている斜面は、岩石ゴツゴツ。落ち葉フカフカ。苔がピカピカ。下生えも木々も行く手を阻み、斜度も半端ない・・・
無理!
もう絶対ムリ! 怪我するから!
・・・この先にはリトル・ウォーターフォールがあるらしく、ザッツプレイスにはきっとビッグ・トラウトがルーキングにディターメンドでありましょうが、このシーンはボールドなOSSANをもってしてもギブアップせざるを得ないシチュエーションなのでありました・・・
・・・と、いうことはですな。
①区間に駐車スペースを見つけられなかった以上、午前中に釣り上がってきた②・③区間を繰り返しなぞるしか今後の身の振りようがないということであります。
せっかくこれだけの流程のあるフィッシングエリアに於いて、少々残念なのでありますな。
時間を費やし駐車スペースを見つけに、あるいは徒歩で①区間を見に行っても良かったかなあ・・・と、今では考えておりますが、午前中に手を出さなかった大規模堰堤上のプールから再び丁寧に釣り上がる事としたのでありました。
ウェット&ニンフでのルースニングで一発大物狙いに切り替えなのであります。
その結果、サイズアップは・・・叶いませんでしたなw
20㌢台の虹、山女魚、岩魚、ブラウン・・・たくさん。
皆愛おしく、小気味良く釣れ続けますが煮え切らない展開であるともいえます。
そう言えば、放流とやらは何処で行なったのでありましょうか・・・
初心者がずいぶんと傲慢になったものであります。この美しい渓流で、誰にも邪魔されず美しい魚達と遊んでいられる。
相も変わらず、今後も様々な変節が予測されている我が人生において、今この瞬間はOSSANだけの時であります。
排気音も聞こえず、守る気もない公約を声高に叫ぶ輩も居ず、仰ぎ見る空には強大な恐怖の代わりに小さく罪なき秋の蜉蝣が舞い、傾いてきた日に水面が更に輝きを増しています。
川音は擽られるようでもあり、寄り添ってくれるようであり、慰めでもあるようであり、鼓舞であるようでもあります。
何の不満もあるものか。であります。
OSSANは、この渓流も好きでありますな。
今回、以前にいただき物として我が手元にやって来たフィッシング・ベストなるものを始めて使用してみることといたしましたな。
家でいじっておって予想はしておりましたが、その収容力は正に舌を巻く他ありません。
これまではバックパックへも分納となり、取り出しが億劫になるから・・・と諦めていたフライボックス4個以上の運用は超余裕。
財布・コンデジ・スマホ・身の回り品を全て飲みこんで、まだまだポケットが余ります。
背中のスペースにはボコボコと不格好になること及び重量を覚悟すればレインウェア、ミニストーブセット、シェラカップ、オニギリ・・・
もうフライフィッシングで”車から長く離れる上で持ち歩きたいもの”全てが入ってしまう勢いなのであります。
コレは・・・
やはりフィッシング・ベスト着用でフライフィッシングに臨まれている方々が大多数であるという真実的事実は、当然の必然としての正統的理由及び絶対的合理性があったのだと(今更でありますが)認めるほかないのでありますな。
う〜む・・・・しかし、
やっぱり暑い
のであります;
ですがこの使い勝手は如何とも捨てがたい・・・ムムムム・・・・!!
この2・5シーズンを通じ、真夏は釣りをしていない(暑くて出来ない)ということが事実としてあるのでありまして。
真夏にベストを使用しないという事、その前後の心地よい季節のみ使用することを前提として・・・
ここは一つ、来シーズンはメッシュ・ベストの導入を前向きに検討していくことを考えてみても良いのかなあ・・・と思っておるところなのでありますな。
しかし目下、絶賛釣りの真っ最中でもありまして、ハナシは堰堤プールのあの大物へと急速に引き戻されていくのであります。
ドライで見向きもされませんでしたからね。
渾身のニンフを、一番良いと思われるポイントへ送り込むことを前もって決心しておりました。チャンスは一度きり。
午前のように他の魚がヒットしてしまえば、今日はもう時間切れ・・・ということになります。
あれ程の大物でありますのでシモリウキ・インジケーターのネガティブインパクトも気になるところでありますが、無いと勝負になりませんのでね・・・;
使用しない選択肢は無いのであります。
ボックスにたった一つ残る、ビーズヘッド・オーストリッチボディニンフ。
何故自信を持つハックル・ウェットでなくニンフなのか、そのチョイスに理由等ありませんでしたな。カン・・・であります。
ティペットを6Xへ。午前と同様、腰を落とし水音を極力立てずにキャスト位置へにじり寄ります。
打ち込みたいポイントへは距離10㍍あまり。OSSANの技量ではギリギリであります。
吹く風と腕不足により、狙いのレーンへフライを送り込めたのは数度目のキャストでありました。
何でしょうね?
ドライでも水中系フライでも、アタるキャストってそのアタリが現れる前に、「あ、出るな・・・」って感じることが多くありませんか?
このキャストもそうでありましたな。
距離と波、水面の照り返しで見失いがちな小さなオレンジ色のシモリ・インジケーターが、そのあやふやな確信の中で水中に引き込まれます。
ワンテンポの、説明の難しい「間」と、柔らかで断固とした「合わせ」を完全な「無心」の中でくれてやります。
これまでフッキングさせてきた魚達とは明らかに異なる、水面を切り裂く力強い疾走と、満足なロッドの絞り込みを見せてくれましたな。
狙っていたあの大物ではないのだということも、一瞬で伝わってきました。
しかしこの日一番の獲物である予感は変わらず、慎重なやり取りの後ネットへ収まったのは27㌢程の、全体に丸っこい躰のメス山女魚でありました。
プールへ駆け込んでいく彼女の背中に、こうした時にいつも感じる複雑な余韻を楽しみつつ、
・・・ふぅぅ〜〜〜・・・・
川中の岩にどっかりと腰を下ろし、空を見上げて大きなため息を一つついてみると、初めて訪れるフィールドを相手に実は相当に集中していたのだな・・・と気が付きました。
あれもこれも詰め込みすぎ、ずっしりと重いベストと日頃の運動不足も加わって、腰、膝、背筋(および腹)達が「もう良いだろう?もう帰ろう?」と泣きついてきていることにも気が付きましたな。
秋空にはまだたっぷりと本日分の光が残されており、もう少し先の脱渓地点まで行くには十二分な時間もありました。
うむ・・・
意識をしてみれば急速にガタつく素振りの我が肉体と協議するため、煙草に火を吸い付けましたな。
一服=約5分。
しかしその協議は何らの進展、妥協案、決着等、一切見ることなくだらしなく終了してしまうのであります。
いまOSSANは光と、川音と、様々な匂いと風と、魚達の輝きと、恍惚に満たされてしまっておりますからね。
ホラ。
初めてのフィールドに夢中になることで、のべつ追い回されている「アレ」から今日一日、逃げおおせる事ができました。
帰りの高速上では再び、あっと思う間もなく絡め取られてしまい、身も心もいいように腐食させられていってしまうのだとしても。
この瞬間は元気を取り戻せています。
作戦は大成功でありますな。
満足いたしました。今日はこれで仕舞いであります。
ようらくさん、有難う!
オマケ:数メートル上を走る側道から、ヤツの姿を写すことができましたな。
敢えて図示いたしません(出来ないw)さぁ、見つかりましたかな?
コメント
はじめまして。
過去ログを含めて顔をほころばすような文章表現が面白すぎます。
まれにはいる下ネタは特に好きでありますよ。
今回、最後のほうは開高健のような表現で、人生へのかすかな愁い、少しの嘆息、一寸の哀惜を・・・見事でござんす。
全体では諧謔的に表現しつつ、落ちには上記のような、まさに文は人なりですね。
まねさせていただきます。-カミさんに尊大であるぞと釘を刺され、ゴウマンが服着てるとも言われ、傍若無人が如きジコチュウなる私です。
だって大きいんだもん。
原文(ズネーなー、ニシャの○○)
FFfleak 様、初めまして!
こんなヨタヨタブログでも楽しんで頂けているとのこと、大変嬉しく思います(下ネタ書いたかな・・・^^;)。
ご指摘の通り、様々な方々の作品に影響を受けておりますが、開高健氏のそれらに今は遠く霞む、青春時代より多大な影響を受けております。
今後是非”本棚”カテゴリーで取り上げたい作品もあるのでありますが、OSSANなんぞがそこへ踏み込んで行ってしまうことは、それこそゴウマン以外の何物でもないのではないかと二の足を踏んでいるところであります。
良き体裁(逃げ道とも言いますなw)が思いつくまで、蒸留中である・・・ということなのであります。
今後とも、「一度の釣行の割には冗長に過ぎるブログ」に、お時間に余裕のある時にお付き合いいただければ幸いであります。