戻り梅雨もありましたが、夏らしく暑い日々が続いておりますな。
様々な条件が重なって、夏休みは確保できないことが確定したOSSANであります。
そんな当て所ない怒りと失意のなか、7月最後になるであろう釣行チャンスが巡って来ましたな。
せめて涼しく、尚且つ日帰りの可能なフィールドへ・・・今季二度目の奥日光・湯川へ参ることにいたしました。
気分が良過ぎて、気をつけないとついアクセルを踏み込んでしまう日光宇都宮道路〜自分のペースで走れるならば楽しいいろは坂。
馴染み深い山容と穏やかな湖面を臨み、来シーズン以降のターゲットに思い馳せる頃になると、ようやく今日の釣りへ集中する準備が整います。
いつものごとく赤沼茶屋で入漁証購入〜湯滝駐車場から入渓いたしましたな。
平日とは言え、8時過ぎの駐車場には釣り人やハイカーの車が数台停まっておりました。
今年の湯の湖周辺や湯川上流域ではクマの目撃情報が続いているようなので、このくらいの人出はあった方が良いのかも知れませんな。
珍しく湯滝の直下が空いておりましたので丁寧に探っていくと、珍しくホンマス(ですよね?)の仔が釣れました。
湯川でブルックトラウト以外を釣るのは初めてでありましたな。(ヤツらを除くw)
このサイズにも関わらず、#3〜4のロッドをグイグイと絞り込んでくれるのですから痛快であります!
(またしても・・)新たに入手したバンブーロッドとPVCラインの馴染みを確かめつつ、釣り降って参ります。
前回訪れた際には、しなやかなシルクラインが下生えや小枝に絡まるのに辟易してしまいました。
シルクラインは穏やかで開けた渓相のフィールドで登用するのが、そのアドバンテージが最大化されるように思っておりますな。
遠くからの小学生たちの声かけに、声にならないモゴモゴとジェスチャーを交えたリアクションをだらしなく返していると、雨が落ちて来ましたな。
おそらく気温は25℃前後で暑くもなく寒くもなく。
ウェットウェーディングの足元に感じる水温も心地よく、時折ヒゲナガが飛んで行きます。
ブルックトラウトたちも、年間で一番優しい季節を迎えていることを感じているのでしょうな。
「今日はドライフライしか使わない」と決めていたので、ボックスの中で出番を待ち侘びていたカディス系フライを、コレでもかと大回転させました。
そして大変に珍しいことでありますが、この日のワタクシはついていたようであります。
ブルックたちは多少神経質にではありますが、次々と反応してくれたのですな。
スマホでの片手撮影でありますが、初の試みとして動画をUPしてみます。
ワードプレスにアップロードの容量制限があるせいで、YouTubeへUP〜ページへ貼り付け・・・メンドクサイですな。
でもまぁ動画ならではの臨場感というものは感じていただけますかな?
いつか「体力&運動能力&柔軟性不足のOSSANが、厳しいフィールドで息も絶え絶えに悶絶するフライフィッシング啓発・PV」と言うものを作ってみますな。(ウソw)
あまりによく釣れるので、昼食を摂るタイミングさえ逸しておりました。
1日で20尾以上となりましたか。ワタクシとしては数年に一度の大釣りと言えますな。
体力さえ追いつくのであれば立ったまま、歩きながらパンやおにぎりを食べたいくらいでありました。(昔はそんな時期もありましたなぁ・・・)
これだけ釣れてくれれば、夕方遅くまで粘る必要もありません。
誰も見てやしませんが、肩や背中にそこはかとないオトナの余裕というものを漂わせ、鷹揚な足取りで引き返すことが出来るのでありますな。
しかしながら、淺ましいものであります。
釣り降ってくる途中で、反応は薄かったものの気になるポイントだけ拾うように釣りながら引き返すことにしたのでありますな。
そこは流れの中心部に、スリット状の岩盤チャネルが確認できるポイントでありました。
ほんの少し上流には、水中に豊富な酸素を巻き込む小さな数段の落差。水深と身を隠す場所に困らず、オーバーハングした梢も複合した、見るからに良さげなポイントなのです。
しかし往路ではウンともスンとも言わなかったのでありますな。
そしてもう一つ、拘りたい理由がありました。「あの匂い」がしていたのであります。
微かではありますが、間違いなく魚の匂いがしました。にも拘わらず反応がない・・・己のジンクスを破るわけにはいかないという、おかしな思考も働いておりましたな。
スチロールのポストをあしらった、ディアヘア・カディスを投じます。
見た目は(かなり)残念なフライと思いますが、何故か今日は一番の反応を得ていたフライなのでありました。
ランの下から順にトレースして行きますが、やはり反応はありません。
進む先の右岸に張り出すジャマな古木を掴んで、深みに入らないようぶら下がりながらパスしました。
「フ〜〜ム・・やっぱり居ないのかなぁ。」
独り言を言ってみますが、自分では分かっているのですな。
魚は居ないわけではないのでしょう。釣れないだけです。
まだあの匂いはしていますし、何だか分かりませんが気配もあるのです。
フライを変えてみようかと悩み始めた時、大きな黒い影がチャネルの深みからディアヘアカディスへ突進して来ましたな!
影は豪快な水飛沫をあげ、OSSANが合わせをくれるより早くロッドをしならせました。
完全に向こうあわせであります。
「うっっわ!?なんだお前!なんだオマエ!!」
パニックになりましたな。
のされ気味になるロッドを立て追い合わせをくれると、魚は恐ろしいスピードでスリットの底へ突進します!
#3.5のロッドはバットまで絞り込まれ、「オレはここまでだから、後はラインでヨロシク!」と言っています。
「イヤちょっとちょっと!ダメだよコレ聞いてないよ!!」
スリットを形成する岩盤でティペットを擦られないよう、必死になって腕ごとロッドを突き出します。
それでも時折「ギリギリ・・」と嫌な手応えが伝わってきます。あまり悠長に時間はかけられないと悟りましたな。
一度めに魚が水面へ浮上した時、あまりに激しく暴れるので、それがレインボートラウトであるとは気が付きませんでした。
そして再び潜航した魚はあろうことか、スリットの底を下流へ走りはじめたのであります!
ダメなのですよ。
魚を追いかけようにも、折れはしないかとヒヤヒヤしつつパスした枯れ木が突き出しているのです。
咄嗟にラインを繰り出し、テンションを緩めました。
この激しいファイトをいなしながら、あの古木を掴んで下流へ回り込むことは不可能です。
両手を駆使して何とか捌いているロッドとラインの操作を片手操作に切り替えた途端に、もし魚が予期しない突進を行ったらアウトです。
きっとティペットを切られるか、テンションを失ってフックアウトしてしまうでしょう。
しかし、どうあってもあの魚は獲りたい。
ここは「湯川」なのです。ワタクシにとって、特別なフィールドなのであります。
あんな魚が自分にヒットしてくれる機会はもうないかもしれないのです!
しかし今日のOSSANはツイています。
魚たちは次々と遊んでくれて、ほぼほぼ満足して駐車場へ向かいつつあったのです。
だからネ・・・
OSSANは瞬間的に覚悟を決めましたな。
ロッドもラインも保持したまま、ザンブリと流れに身を浸しました・・・
爽快な夏のウェットウェーディングにも、嫌なところが一つだけありますな。
ウヒャ・・;;〇〇玉 冷てえぇえぇ〜〜!
流れの中でこけつまろびつ。
臍の上あたりまで水に浸かり、魚を追いかけましたな。
そして最重要男子機能を縮み上がらせつつも断固としたやり取りを完遂し、初めての「湯川の大物」を手にすることに成功したのであります!!
これまでフライフィッシングで手にしてきた中で、一番大きな魚なのではありません。
しかし様々なピースが組み合わさることで、忘れられない魚となったのでありますな。
自分のフライフィッシングはここから始まっている・・と言っても過言ではないかも知れない湯川と言うフィールドは、今日も「驚き」と「癒し」を与えてくれました。
違う季節には、また違う風景や体験が待っているのかな?
また近々、来られる日はあるでしょうか。
そうだと良いですな。
OSSANには、このフィールドがとても大切なのであります。
コメント
お久しぶりです。
大漁だった様で何よりです。
ブルックを相手にしていて突然大型のニジマスが掛かるとビックリしますよね!
推測でしかないですが、ニジマスもホンマスも湯の湖から落ちて来た個体だと思って釣りをしていました。
湯川は、所により底なしの場所がありますのでお気をつけて!
肩までズッポリハマった事があります。
sasuraiflyfisher様、こんばんわ。
湯川でブルック以外を釣ったのは初めてで、コンディションも素晴らしい魚でしたので驚きました。
人が少なかったせいもあるのか、これ以外にも大きなレインボーがついているポイントを見つけたりと、楽しい釣行となりました。(フライを見切られて玉砕しましたがw)
そうなんですよね・・下流エリアでは私も怖い思いをした覚えがあります。
最近は上流ばかりやってるので、次は下流のリベンジを計画しようかな・・