今シーズンを通してオレンジ&パートリッジをはじめとした、ソフトハックル・ウェットフライにずいぶんと良い思いをさせてもらいましたな。
コンスタントに魚をかける力量、ここぞという場面での大物に対するエフェクティブ、使用するマテリアルの少なさ、何よりタイイングの容易さ。
OSSANにとって、決してフライボックスから外すことの出来ないフライ・パターンとなりました。
しかしいくらタイイングが容易と言ってもそれが逆に仇となり、僅かしかフライ制作の時間が取れないときにはコレばっかり巻いている・・・と言う状況ともなっておりました。
来シーズンはこのような状況を打破すべく、使用するであろうソフトハックル・ウェットフライをまとめて巻いてしまうことといたしましたな。
実績があったり、釣行時フライ・ローテーションに必ず組み込まれていたパターンの記憶を辿り、推定必要ストック分も含め計算して相当数を一気に巻いてしまうことといたしました。
今年のように、「あれもいいな〜これもいいな〜コイツも巻いてみたいな〜・・・」と浮ついた精神でバイスへ向かっても、疲れるばかりで一向にフライが増えていかないということが嫌というほどわかってしまいましたな・・・
そしてこのように制作されたフライ達のクォリティは試作機としての域を出ず、フィールドでのフライ・ローテーションに組み込まれることは非常に稀で、その残念な姿のままいつまでもボックスに残り続ける結果ともなりがちであるようであります。
これではいけませんな。
OSSANの目指す、質実剛健・不易流行・迅速果断・縦横自在・換骨奪胎・桃紅柳緑・・・そのような一目瞭然に百下百全のフライボックスへ進化していくに不断の努力が必要であります。
ではそのように感じる為のボックスの具体的要件は?
いったいどのようなフライパターンがどれだけ並んでいるとその域に達したと言えるのであるか?
そこら辺を詳らかにしておかないと話が進まんではないか!
・・・師走直前ということもあり、どうにも慌ただしくなってきた為そのあたりのスルドイ考証はひとまず脇においておくことといたしまして・・・
取っ掛かりとしてのソフトハックル・ウェットフライ制作でありますな。
先日のエントリーで、様々なボディフロスの色を試して来たことは既出であります。
「絶対にこのカラー!」と言える確信を得るまでの、釣果数や魚達の特徴的なフライ捕食傾向の違いは感じる事はありませんでしたな。(OSSANが鈍いだけかも;;)
ソフトハックルフライに対して頭の中で考えていたパターン分けを整理しておきますな。
① フライを漂わせたいターゲット水深別に3パターン持ちたい。
巻き込むおもり(鉛線ですな)の量により水面直下、中層、水底付近を#3及び#4タックルで扱える範囲で意識的に狙っていきたいのであります。
これはそこそこの水深のある釣場前提での考えでありますが、中には水量、流速ともに当時の手持ちフライでは歯が立たなかったフィールドもありました。
ソフトハックル・フライにおいて、ベーシックなレシピではおもりは巻き込まないようであります。
着水直後は水面に浮き、ドライフライとしても機能しますな。時間が経過するにつれマテリアルが水分を含み水中に沈むようになります。
このプロセスを一投目からコントロールしたいのであります。ノーシンカーフライを狙いの水深へ届けてくれるカレント(水流)を読めるほどの経験値はOSSANにはありませんな。
また、フックサイズについては大きくなく、小さくない#12一本勝負といたします。
目一杯シンカーを巻き込んでキャストするのに、これ以上大きいフックだとOSSANは持て余してしまうのでありますな。
必要にかられることがあれば、また考えることと致します。
② 巻き込むシンカー量に応じボディ・フロスの色を分けておく。
フロスのカラーによる魚たちの反応に違いを見いだせないのであれば、人間の都合とモチベーションでカラー決定しても良い筈ですな。
よって、
水面直下
Rst.オレンジ(コーティングのためのセメントによって山吹色に変化。)とBnt.オレンジ(同じくコーティング。赤に近い色に変化。)
中層
ブラック(シンカーはシャンクの約半分。今年一番活躍したパターン。コーティングでの変化なし。)
低層
グリーン (Green Highlander。流速及び水深のあるポイント対応予定。目一杯シンカーを巻き込んだもの。使用頻度は比較的少ないと思われる。コーティングでダークグリーンに変化。これで足りなければガン玉を・・・)
この4色に分けてタイイングすることといたしましたな。よほどのことがない限り今後一年間は変更しないつもりであります。
迷いが生じるのを防ぐためですな。
これら重量別の3種をベースとして更に、
③ ハックルは3種類。
パット見た印象で明るめのパートリッジ・グレイフランク。
明らかに虫っぽく、実績十分なマーチブラウン染めのブラマ・ヘン。
まだ信頼は薄いが模様、質感共に気に入っているコック・デ・レオン。(ブロンズ・ライトパルド)
④ 水面勝負はドライ・フライで。全てのボディにコパーワイヤ・リビング。およびセメントによるコーティングを施す。
水面での勝負は捨てます。餅は餅屋でありますからな。
狙った水深、レンジに素早く到達させることを重視いたします。
ボディフロスは水を含むとそのカラー、発色に想像以上の変化を見せますな。これがOSSAN的には気に入らないのであります。
オレンジのつもりで巻いているのに、いつの間にかレッドになっている・・・あたしをだましたのね!?嘘つき!そんなの絶対許せない!ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
精神衛生上もよろしくないので、最初から②のように変化させておきますな。
ついでに2色のフラッシャブーとコパーワイヤーでクロス・リビング。キラキラ感とバリエーションをプラスしておきますな。
一日中これで通すような釣りをしないかぎり1種のフライを3本以上ロストすることもないかなあ・・・と考え、3種(重量)✕3種(ハックル)✕3本づつ。
暫定、このパターンを持ち出す本数は27本程度といたします。
一度の釣行で多めに見積もって仮に4〜5本ロストすると考え、年間釣行回数10回と(イヤ、もっと行きたい;;)してもまあ、50本弱も準備しておけば十分持つでありましょう。
理想としては来年のこの時期にゼロになっていることでありましょうか?
でもここらは考え方それぞれであると言えそうでありますな。
最終的に40数本のソフトハックル・ウェット・フライを完成させましたな。
ボディの制作で約4時間。ハックリングで約4時間。OSSANはJ-WAVEというFMラジオをつけっ放しですな。音楽がないとすぐに煮詰まってしまいます・・・
二日間を跨いでの完成とあいなりました。
こうして工程を分けてタイイングできるフライは大量生産も比較的容易でありますな。
出来上がりのクオリティも安定するようであります。
さて、退路は絶たれましたな・・・
これで来年のこのパターンは安泰であると信じて、次なるタイイングへ突撃であります。